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2019年04月12日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報(4月8日~4月12日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:4月8日~4月12日CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニットにおいて、海外の「政策のための科学」関連のインターネットサイトやツィッターでの関連タグ(「政策のための科学」関連のツィートの抽出ができる)* から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を選択し、以下のとおりまとめました。(文責:林)
主なトピック:【情報提供】、【ディスカッション】
【情報提供】
~米国:科学の政策提言を州および地方レベルで効果的に行うための6つの方法~6 Ways to Make Your Science Advocacy Effective at the State and Local Levels
Union for Concerned Scientists(米国の「憂慮する科学者同盟」)のホームページに掲載された科学者の知見を地域レベルで政策に反映させるために必要なこと。
https://blog.ucsusa.org/science-blogger/6-ways-to-make-your-science-advocacy-effective-at-the-state-and-local-levels (Union of Concerned Scientistsブログ)
~米国:米国科学者連盟、議会科学政策イニシアチブを開始~Federation of American Scientists launches Congressional Science Policy Initiative
議会科学政策イニシアチブは、科学者、エンジニア、および技術者が議会における公共政策の立案に関与することを促進するための取組み。新興技術への理解や安全保障および経済競争力に関わる技術の役割認識を深めることを目的としている。
https://fas.org/congressional-science-policy-initiative/ (米国科学者連盟ホームページ)
~米国:「高リスク」の国際提案に対する新しい見直しプロセス~New review process for 'elevated-risk' international proposals
Massachusetts Institute of Technologyが国際的研究資金による研究の見直しを行った。
https://orgchart.mit.edu/node/27/letters_to_community/new-review-process-elevated-risk-international-proposals
(MITホームページ)
~米国:米国科学アカデミーは性的嫌がらせの加害者の解雇を支持~National Academy of Sciences will vote on ejecting sexual harassers
米国科学アカデミー(national Academy of Science: NAS)は性的嫌がらせおよび不正行為の加担が立証された場合、当人の解雇を行う組織ルールの変更を行う。ちなみに今までNASの選ばれたメンバーは終身制であった。これは政府の助言組織としては初めてのこと。
https://www.sciencemag.org/news/2019/04/national-academy-sciences-will-vote-ejecting-sexual-harassers
(Science誌記事)
~米国:この4半世紀における科学への感謝~Thanks to 25 years of science
過去25年間にわたり、米国は科学研究において大きな進歩を遂げてきた。そのあゆみを示した年表。
https://www.sciencecoalition.org/thanks-to-25-years-of-science/ (Science Coalition誌記事)
~EU:Horizon Europeの承認はEU予算交渉担当者に「シグナルを送る」とMoedas氏~Horizon Europe sign-off ‘sends signal’ to EU budget negotiators, says Moedas
Carlos Moedas研究・科学・イノベーション担当委員は、これまでのEUにおける研究資金の中で最大であるHorizon Europeの研究資金は、産業界や研究委員会の承認を受けたと語った。
https://sciencebusiness.net/framework-programmes/news/horizon-europe-sign-sends-signal-eu-budget-negotiators-says-moedas (Science|Business誌記事)
~EU:防衛研究開発の「崇高な任務」をEUが受け入れることが出来る方法~How the EU could embrace the 'noble task' of defence R&D
ヨーロッパの防衛開発機関の責任者は防衛研究開発の改革を主張しており、それを反映した総額13億ユーロの研究開発プログラムが2021年から計画されている。しかしながら研究者や中小企業は消極的な態度を見せている。
https://sciencebusiness.net/news/how-eu-could-embrace-noble-task-defence-rd (Science|Business誌記事)
~EU:EU企業の中国での研究開発費は4倍の速さで増加~EU companies’ R&D spending growing four times faster in China
EU企業142社を対象とした調査によると、研究開発への投資が記録的な金額になっており、中国での支出はEU域内よりもはるかに大きい。
https://www.researchresearch.com/news/article/?articleId=1380704 (*Reseach誌記事)
~英国:Brexitは修復不可能な損害を研究に与えている~Brexit has already irreparably damaged research
EUを離れるという過程は、既に科学と地域に進攻な影響を与えているという記事。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-01060-6 (Nature誌記事)
(参考)Brexitの向こう側~Beyond Brexit
https://www.researchresearch.com/news/article/?articleId=1380612 (*Research誌記事)
~ブラジル:ブラジル政府、半分に近い科学予算を凍結~Brazil's government freezes nearly half of its science spending
ブラジルのJair Bolsonaro政権は42%の科学予算を凍結すると発表した。この決定は巨大プロジェクトであるシンクロトロン光源を使った研究プロジェクトであるシリウスの存続にも影響を及ぼしているという記事。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-01079-9?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+nature%2Frss%2Fcurrent+%28Nature+-+Issue%29 (Nature誌記事)
~科学の役割:危機における科学の役割~Science during crisis
火山の噴火やハリケーンのような天災や、重油流出事故や貿易センタービルへのテロなどの人災等、危機に対して科学はデータを供給し分析することで社会に貢献してきており、今後も期待されていることは大きい。
https://science.sciencemag.org/content/364/6435/5 (Science誌記事)
~出版業界と大学:エルゼビアの大学での地位は学術誌以上の存在。それを憂慮する大学関係者も~Elsevier’s Presence on Campuses Spans More Than Journals. That Has Some Scholars Worried.
エルゼビアは高等教育のデータから学術誌アーカイブ等多くの分野を独占しつつあり、危険と捉える研究者もいるという記事。
https://www.chronicle.com/article/Elsevier-s-Presence-on/246048?cid=wcontentgrid
(The Chronicle of Higher Education誌記事)
~博士号とキャリア:博士号所得者は大学にとって「お安い」労働力か?~Are PhDs just cheap labour for universities?
博士号取得者は学術界に職が少なすぎると不満を募らせている。大学は、学術界以外で彼らの受け入れ先を用意すべきなのだろうか。英国の現状と取組みについての記事。
https://www.theguardian.com/education/2019/apr/01/are-phds-just-cheap-labour-for-universities (Guardian紙記事)
~論文:国内総生産B -デジタル経済における新しい自由財の価値計算 ~GDP-B: Accounting for the Value of New and Free Goods in the Digital Economy
デジタル経済における新しい自由財の厚生に対する貢献は国民経済計算には扱われていない。これら自由財の貢献を定量化する測定する基準を国内総生産Bとして開発した論文。例えば、フェイスブックによる厚生の増加を含めると、米国の国内総生産Bの年間成長率は0.05から0.11パーセントポイント上昇する。
https://www.nber.org/papers/w25695 (概要:National Bureau of Economic Research)
http://ide.mit.edu/sites/default/files/publications/SSRN-id3356697%20gdp2.pdf (全文)
【ディスカッション】
~統計的有意性:事前定義ルールと事前設定統計分析の重要性~The Importance of Predefined Rules and Prespecified Statistical Analyses
先々週のこの欄で紹介した議論に続くディスカッション。Journal of the American Medical Associationに掲載された、統計的有意性の有効性の主張。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2730486
(Journal of the American Medical Associationホームページ)
(参考)【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報(3月25日~3月29日)ディスカッションご参照ください。
https://scirex.grips.ac.jp/topics/archive/190329_1502.html
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(参考)
現在、定期的に情報収集しているサイトは以下の通り:
²
² Twitter ハッシュタグ#scisip、#scipolicy、 #scipol、#InnovationDeficit
アカウント@MIOIR、@sppgatech、@CSPO_ASU、@SPRU、@uclsteapp等。
² Institute for Research on Innovation & Science http://iris.isr.umich.edu/index.php/news/
² Research Infrastructure for Research and Innovation Policy Studies http://risis.eu/events/
² Center for Science of Science and Innovation Policy http://cssip.org/
² Fraunhofer Institute for Systems and Innovation Research ISI http://www.isi.fraunhofer.de/isi-en/index.php
² Institute For Research and Innovation in Society http://ifris.org/en/actualites/
² NESTA http://www.nesta.org.uk/
² Joint Research Centre (European Commission) https://ec.europa.eu/jrc/
海外情報は、【俯瞰:研究基盤】、【俯瞰:分析手法】、【俯瞰:政策デザイン】、【情報提供】、【ディスカッション】、【告知】に分類した。