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行政官研修

共進化を進めるには、中長期的な視野を持って、研究者と連携しながらエビデンスに基づく科学技術イノベーション政策を担う行政官の人材育成を行うことも重要です。SciREX 事業では科学技術イノベーション政策の立案・実施に携わる方を対象に研修プログラムを2015 年度から提供してきました。

近年では、文部科学省(大臣官房人事課及び科学技術・学術政策局 研究開発戦略課)とSciREX センターの主催により、若手の文部科学省の行政官等を対象として、科学技術・イノベーション政策の企画立案・遂行能力の向上を図ることを目標に、座学及び演習から構成される研修を実施しています。座学ではSciREX コアコンテンツの内容をベースとし、講師はコアコンテンツを執筆した拠点大学の教員、行政官、SciREX 政策リエゾン等が務めます。令和6年度の実施概要は以下のとおりです。

これまでSciREX 事業で培ってきた知見やネットワークを活用し、客観的エビデンスに基づいた政策推進への寄与や、行政実務現場で実践的な活用が出来る内容となっています。

座学

座学ではSciREX 事業関連研究者と文部科学省の職員による講義を実施しました。

1日目

■第1講『イントロダクション:科学技術・イノベーション政策の論点』(60 分)

講義:根津 純也 文部科学省科学技術・学術政策局政策科学推進室長(20 分)

行政官研修の導入として、科学技術・イノベーション政策への取組みを概説する。
受講者同士のアイスブレーキングを行う。

■第2講『エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策①』(90 分)

講義:林 隆之 政策研究大学院大学教授(60 分)
質疑応答・ディスカッション(30 分)

○科学技術・イノベーション政策における評価
プログラム評価とは本来どのようなものか、基本に立ち返って解説した上で、日本のプログラム評価における問題点を指摘し、今後の評価のあり方について議論を行う。

■第3講『科学技術・イノベーション政策の形成プロセスと政策の実施』(90 分)

講義:武田 伸二郎 経済産業省 イノベーション・環境局イノベーション政策課長
ファシリテーション:藤原 志保 文部科学省 科学技術・学術政策局研究開発戦略課長
質疑応答・ディスカッション(30 分)

政策立案における構想段階から事業実施までの一連のプロセスについて、具体的な事例を踏まえた紹介を行う。

2日目

■第4講『エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策②』(90 分)

講義:柴山 創太郎 東京大学教授(60 分)
質疑応答・ディスカッション(30 分)

政策立案・評価を科学的に行うためには、政策介入と期待されるアウトカムの関係の背後にあるミクロなメカニズムを理解することが重要である。本講義では、科学技術イノベーションを担うアクター(研究組織、科学者等)の行動に焦点を当て、それらを分析するための理論フレームや実証手法について議論する。

■第5講『科学技術・イノベーションと社会、ガバナンス①』(90 分)

講義:祐野 恵 京都大学特定講師(60 分)
質疑応答・ディスカッション(30 分)

○健康情報の集積を事例とした制度がもたらす効果とガバナンス
STI 政策を深化させるエビデンスを定量的に得るためには、データの集積が必要である。しかし、公共財の性質を帯びるデータの集積は特有の難しさを抱えており、ステークホルダーのインセンティブに関する理解が重要となる。具体的な事例として、健康情報のデータ基盤構築を紹介し、今後の基盤整備のあり方について議論を行う。市会議員としての活動経験もふまえて政策と科学の関係を述べたい。

■第6講『エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策③』(90 分)

講義:伊神 正貫 文部科学省科学技術・学術政策研究所 科学技術予測・政策基盤調査研究センター長(60 分)
質疑応答・ディスカッション(30 分)

○NISTEP 調査レポート解説
科学技術指標2024・科学研究のベンチマーキング2023・大学ベンチマーキング2023、論文生産性分析等のNISTEP にて実施している調査の内容に関して講義を行う。実際にデータ分析を行う上での注意点を解説し、NISTEP と行政官の連携のあり方について議論を行う。

3日目

■第7講『科学技術・イノベーションと社会、ガバナンス②』(90 分)

講義:平川 秀幸 大阪大学教授(60 分)
質疑応答・ディスカッション・学びの共有(30 分)

科学技術が生み出す知識が社会にもたらす影響は極めて大きく、期待も大きいが、その営みの社会的責任も拡大している。近年のELSI(Ethical, Legal and Social Issues:倫理的・法的・社会的課題)、RRI(Responsible Research and Innovation:責任ある研究&イノベーション)の潮流を解説し、受講者も交えてSociety5.0 や「SDGs とSTI」といった将来社会ヴィジョンの実現に向けて考慮すべきことは何か議論したい。

■第8講『科学技術・イノベーションのダイナミクス①』(90 分)

講義:安田 聡子 九州大学教授(60 分)
質疑応答・ディスカッション(30 分)

研究者のモビリティとイノベーションの関係について、さまざまな角度から考察する。エビデンスとするデータの種類や分析対象の違いが分析結果や含意に及ぼす影響を紹介した後に、イノベーション活性化政策立案にふさわしいEBPM について受講生とディスカッションする。

■第9講『科学技術・イノベーションのダイナミクス②』(90 分)

講義:江藤 学 一橋大学教授(60 分)
質疑応答・ディスカッション(30 分)

イノベーションと政策の相互作用のうち、特に様々な社会的規制とイノベーションとの関係に焦点を当て、それらの基本的関係を整理したうえで、ビジネスの観点から様々な事例を分析し、国が果たすべき役割について議論する。

演習

演習では座学に参加した受講者が政策課題や必要な情報ニーズ(政策ニーズ)を整理し、研究者と連携して一連の政策プロセスに資するエビデンスを創出することが望ましい研究関心領域Area of Research Interest(ARI)の抽出を体感するという作業を3日間のべ11 時間にわたり、講師/ファシリテーターとして外部の専門家の協力を得て行いました。

開催記録

年度 概要 実施日・実施場所
2015(H27)  ①ナショナル・イノベーション・システム、②STI政策における各種制度、③日本の科学技術政策史、④STI政策とガバナンス、⑤科学技術と社会、⑥科学技術統計・科学計量学・経済効果分析における注意点、⑦企業におけるイノベーションとSTI政策、⑧技術分野別のイノベーションの特性とSTI政策 2015(H27).11.16
2015(H27).12.4
2015(H27).12.7
2016(H28).1.12
2016(H28).1.20
2016(H28).1.29
2016(H28).2.16
2016(H28).2.22
文科省・局1 議室
2016(H28) 若手向け(2):STI 政策の組み・各種制度、 ②科学技術イノベーションに関する統計・指標入
向け(4):STI 政策の社会経済的インクト評価、STI と社STI ガバナンス及び政策形成プロセス、STI ダイナミクス
若手向け
① 2016(H28).11.9
② 2016(H28).12.1
向け
① 2017(H29).2.16
② 2017(H29).3.3
③ 2017(H29).3.16
④ 2017(H29).3.21
文科省・局1 議室
2017(H29)

①科学技術イノベーション政策の科学とは何か歴史的視座を得る、②ケースから学ぶイノベーション政策は何を目指すべきか、③科学技術イノベーション政策の方向性を考える、④第1日目の振り返り、⑤科学技術イノベーションのガバナンスと社会との関係、⑥科学技術イノベーション政策の事例、⑦政策・施策の作り方―START 事業・EDGE 事業の実例を通じて、⑧科学技術イノベーション政策の統計指標:SPIAS を活用した実証分析入門、⑨演習(デザイン思考)、⑩グループ発表

講義
①~④2017(H29).10.19
⑤~⑧2017(H29).11.8
(13H)
GRIPS・講義室4A

演習
2018(H30).2.57H
2018(H30).2.233H
東京大学本郷キャンパス工学部1号館114号講義室

2018(H30)

【前期フェイズ】
21世紀の『新しい資本主義』のかたちをもとめて:如何にして科学技術知識を経済的価値創造に活かすか?、②政策・施策の作り方―START 事業・EDGE 事業の実例を通じて、③科学技術イノベーションのガバナンスと社会との関係、④科学技術イノベーション政策の事例、⑤科学技術イノベーション政策とデータ分析、⑥科学技術イノベーション政策における評価、⑦ケースから学ぶイノベーション政策は何を目指すべきか、⑧全体振り返り

【後期フェイズ】
⑨如何にして科学技術知識を経済的価値創造に活かすか?、⑩これからの科学技術イノベーション政策 開発途上国、新興国、持続可能な発展と日本、⑪21世紀の科学技術政策の2つのモードと俯瞰的視座の重要性、⑫いま、あらためて『共創』の意味を考える~理念・理論・実務から~、⑬科学技術イノベーションのガバナンスと社会との関係、⑭ディスカッション、⑮科学技術イノベーションの政策の事例、⑯今求められる大学発イノベーションと科学技術人材育成、⑰科学技術イノベーション政策における評価、⑱エビデンスを活用した政策検討・分析、⑲ケースから学ぶイノベーション政策は何を目指すべきか

①~④2018(H30).6.25
⑤~⑧2018(H30).7.2
(15H)
GRIPS・講義室4A

⑨~⑮2019(R01).1.28
⑯~⑲2019(R01).2.6
(15H)
GRIPS・講義室4A

2019(R01)

①科学技術イノベーションのガバナンス及び政策形成プロセス、②科学技術イノベーションと社会、③科学技術イノベーションのダイナミクス① 、④エビデンスに基づく科学技術イノベーション政策に向けて、⑤科学技術イノベーションのダイナミクス②、⑥政策と研究の共進化に向けて、⑦データ分析演習

①~③2020(R02).1.24
④~⑥2020(R02).1.31
(計12H
GRIPS・会議室1C

2023(R05).2.6
(計8H
GRIPS・講義室M

2020(R02)

①これからの科学技術イノベーション政策、②科学技術イノベーションのダイナミクス、③科学技術イノベーションと社会、ガバナンス① 、④エビデンスに基づく科学技術イノベーション政策① 、⑤科学技術イノベーションと社会、ガバナンス② 、⑥エビデンスに基づく科学技術イノベーション政策②、⑦データ分析演習

①~③2021(R03).1.19
④~⑥2021(R03).1.26
(計12H
2021(R03).2.9, 2.26
(計8H
オンライン(Zoom

2021(R03)

①科学技術・イノベーションのダイナミクス①、②科学技術・イノベーションと社会、ガバナンス①、③科学技術・イノベーションのダイナミクス②、④科学技術・イノベーション政策の形成プロセス、⑤科学技術・イノベーションのダイナミクス③、⑥科学技術・イノベーションと社会、ガバナンス②、⑦エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策①、⑧エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策②、⑨データ分析演習

①~④2022(R04).1.13
⑤~⑧2022(R04).1.19
(計13H
2022(R04).1.25, 2.3, 2.14
(計7H
オンライン(Zoom

2022(R04)

①イントロダクション:科学技術・イノベーション政策の論点、②科学技術・イノベーションのダイナミクス①、③科学技術・イノベーションと社会、ガバナンス①、④エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策①、⑤科学技術・イノベーションのダイナミクス②、⑥科学技術・イノベーション政策の形成プロセス、⑦科学技術・イノベーションと社会、ガバナンス②、⑧科学技術・イノベーションのダイナミクス③、⑨エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策②、⑩データ分析演習

①~③2023(R05).1.10
④~⑥2023(R05).1.12
⑦~⑨2023(R05).1.12
(計13H
文科省・局1会議室

2024(R06).1.26, 2.10, 2.24
(計7H
オンライン(Zoom

2023(R05)

①イントロダクション:科学技術・イノベーション政策の論点、②科学技術・イノベーションのダイナミクス①、③科学技術・イノベーション政策の形成プロセスと政策の実施、④エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策①、⑤科学技術・イノベーションのダイナミクス②、⑥科学技術・イノベーションのダイナミクス③、⑦科学技術・イノベーションと社会、ガバナンス、⑧エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策②、⑨エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策③、⑩演習:研究関心領域(ARI)の抽出

①~③2024(R06).1.11
④~⑥2024(R06).1.12
⑦~⑨2024(R06).1.15
(計13H) 
文科省・局1会議室

2024(R06).2.9, 2.19
(計7H)
文科省・局1会議室

2024(R06)

①イントロダクション:科学技術・イノベーション政策の論点、②エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策①、③科学技術・イノベーション政策の形成プロセスと政策の実施、④エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策②、⑤科学技術・イノベーションと社会、ガバナンス①、⑥エビデンスに基づく科学技術・イノベーション政策③、⑦科学技術・イノベーションと社会、ガバナンス②、⑧科学技術・イノベーションのダイナミクス①、⑨科学技術・イノベーションのダイナミクス②、⑩演習:研究関心領域(ARI)の抽出

①~③2024(R06).12.16
④~⑥2024(R06).12.17
文科省・局1会議室
⑦~⑨2024(R06).12.20
文科省・第1会議室
(計13H以上)

2025(R07).1.24, 1.31, 2.14
(計11H)
文科省・局1会議室