児童生徒の心と体の健康の保持増進に向けた教育データの活用
実施体制
研究実施者
氏名 | 所属・役職 |
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川上 浩司 | 京都大学大学院医学研究科 教授 |
高見 茂 | 京都光華女子大学 学長 |
行政担当部署
部署 |
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文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課 |
プロジェクト概要
学校健康診断情報を元に、COVID-19の発生による生活様式の変化が学童に与える影響を明らかにし、自治体・教育委員会が保有するデータを用いることで、新たな感染症が発生した際にも有効性の高い政策形成が可能となることを示す。
政策課題
GIGAスクール構想の中で今後集積していく各種の校務情報や、政府方針であるPHR構想の一環として集積される学校健診情報の活用は今後の課題である。しかし、わが国では、学校健診情報及び教育データを結び付けた体系的な分析は行われておらず、これらのデータの集積が教育政策におけるEBPMを進めるために有効であると示す知見やデータ収集の手順における論点についての検討はなされていない。適切に個人情報を管理、関係者の理解を得てPHRを推進し情報を扱うことは政策課題であり、その解決を目指す。
具体的な研究計画
- 1.COVID-19の発生による生活様式の変化が学童に与える影響に関する分析
2019年から2021年における3年間の学校健康診断情報を用いて、COVID-19の発生が学童が与えた影響について明らかにする。具体的には、体重、BMIzスコア、視力、歯科等の項目における変化を分析の対象とし、自治体の人口規模や地域性といった変数を用いて、COVID-19が学童に及ぼした影響を検討する。 - 2.データの利活用に向けた自治体における個人情報保護条例への対応
学校健診情報の可視化事業を事例として、個人情報保護条例及び個人情報保護に関わる自治体の懸念に対応するための手順を検討する。具体的には、学校健康診断情報の可視化事業における自治体の検討過程の分析を行うとともに、個人情報の取扱いに関する懸念を示しながらも実施を決定した自治体と実施を見送った自治体の差異を比較検討し、今後の方向性を示す。 - 3.ストレスチェックを用いた分析に向けた課題の整理
学童のストレスを測定し、その結果を記録するデジタルシステムの自治体への導入や運用状況について、システムを提供しているベンダーから情報収集を行う。