イノベーションシステムを推進する 公的研究機関の制度的課題の特定と改善
科学技術イノベーションを推進する主体の一つである大学や公的研究機関の政策やマネジメントの改善に資するマネジメントスコアボードの構築に向けた調査研究を行う。諸外国の大学の戦略計画の事例集積、国内大学の経営データの分析等を行い、科学技術政策、高等教育政策、大学・公的研究機関の経営を⽀援することを目指す。
代表拠点:政策研究大学院大学
参画拠点:大学改革支援・学位授与機構
その他参画機関等:内閣府、文部科学省
プロジェクトメンバー
氏名 | 役割 |
---|---|
林隆之 政策研究大学院大学教授 | 大学改革支援・学位授与機構における共同研究担当者(2016-2017年度)研究代表者(2018年度) |
有本建男 政策研究大学院大学客員教授 | 研究代表者(2016-2017年度) |
福井文威 鎌倉女子大学准教授 | 研究担当者(2016-2018年度) |
新見有紀子 一橋大学講師 | 研究担当者(2016-2018年度) |
宮本岩男 経済産業省 | 研究助言(2016-2018年度) |
背景・問題意識
⼤学のマネジメントに関する制度・国際⽐較研究から、⽇本の⼤学の特 徴や課題の特定を⾏う。
1. ⽇本の国⽴⼤学への寄付拡⼤に向けた制度的課題の特定
政府補助⾦の拡⼤に限界がある中、国⽴⼤学の教育研究活動の質的向上を図るためには、財源の多様化が必要。⽇本の国⽴⼤学への寄付拡⼤のための制度的課題は何か、これに資する基礎的な研究成果の提供。
2. ⽇⽶英の⼤学の戦略計画のテキストの蓄積とその分析
⼤学は、科学技術イノベーションを推進する主体の⼀つであるが、同時に多様な⽬的を有する複雑な組織であり、それを効果的にマネジメントしていくことが必要とされる。⼤学の更なる質的向上を促すにあたっては、国内⼤学のマネジメントの実態把握と共に、世界の研究⼤学が如何なる戦略 のもと経営をしているのか構造化しておくことは、学術的にも政策的にも重要な課題。
Research/Science Question
大学のマネジメントに関する制度・国際比較研究から、日本の大学の特徴や課題の特定を行う。
A.世界の研究大学は如何なる戦略のもとに経営をし、どのような方策をとっているのか
諸外国の主要研究大学の戦略計画に着目した上で、その内容分析を実施し、トップ研究大学が如何なる戦略のもとに経営をしているのか、そこに共通性や多様性が見られるのか把握する。特に学際研究の推進方策に焦点を当て、日本の研究者に対して「研究活動における学問分野を超えた取り組みに関する意識調査」を実施し、学際的な研究活動の実態や促進要因・阻害要因、課題等について検証を行う。また、アンケート回答結果と論文データとの突き合わせを行うことで多面的な分析を行うことを目指す。
B.各種の戦略計画指標において日本の国立大学はどのような特性を有しているのか
上記の戦略計画指標等をふまえ、国立大学に対して、国立大学法人評価用データや評価結果を用いて、教育・研究の活動や成果、その基盤となる財務データについての分析等の基礎的研究を行う。これらが大学評価における指標や基準策定へ寄与することを目指す。