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2021年02月25日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (2月18日~2月24日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:2月18日~2月24日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~英国が、高リスク、高報酬の科学研究を支援するための新しい研究機関を立ち上げ~UK to launch new research agency to support high risk, high reward science
英国政府は、高リスク、高報酬の科学研究に資金提供するための(新しい独立した研究機関である)「高等研究イノベーション局」(Advanced Research&Invention Agency: ARIA)を創設する。同機関は、世界の著名な科学者たちによって主導されるもので、変革をもたらす科学技術を迅速に特定して、資金を提供する。また、世界的な科学超大国としての英国の地位を確固たるものにすると同時に、イノベーションを通じて、より良い復興を目指す英国の取り組みを支援する。ARIAは、米国「国防高等研究計画局」(DARPA)の前身である「高等研究計画局」(ARPA)モデルを基盤としている。新しい研究機関は、2022年までに完全機能することを目指している。
https://www.gov.uk/government/news/uk-to-launch-new-research-agency-to-support-high-risk-high-reward-science
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2021/2/19
~フランス:ANRが技術移転促進機関(SATT)の運用・財務パフォーマンスの改善のための公募を開始~PIA 3 : lancement d'un appel à projets pour améliorer les performances opérationnelles et financières des SATT
国立研究機構(ANR)は、将来への投資プログラム3(PIA3)の一環として、技術移転促進機関(SATT)の発展と、公的研究所による発明を促進する使命を推進するための、プロジェクト公募を開始する。公募は、PIA3の国家開発基金(FNV)の「加速」コンポーネントの枠組み内で実施されるもので、SATTの運用・財務パフォーマンスの改善を目的としている。SATTは、現在までに有望で前向きな評価結果を示しており、公的研究所では1万3,000を超える発明がなされ、2,900件近くの特許出願と、約2,100の技術成熟投資が実施されている。その他、既存の企業との間で1,000以上のライセンス契約が締結され、500以上のディープテック新興企業が生まれている。現在、公的研究所の80%がSATTの開発・成熟サービスを受けている。
https://anr.fr/en/latest-news/read/news/pia-3-lancement-dun-appel-a-projets-pour-ameliorer-les-performances-operationnelles-et-financiere/
(ANR記事) 元記事公開日: 2021/2/23
~米国:DOEが2022年度「大学風力コンペティション」に参加する11チームを発表~DOE Announces Teams to Compete in the 2022 Collegiate Wind Competition
米国エネルギー省(DOE)は、2022年度「大学風力コンペティション」(Collegiate Wind Competition)に参加する11チームを発表した。同コンペティションは、米国で最も著名な(大学の)学部レベルの風力エネルギーコンペティションと見なされており、大学生のチームに、風力エネルギープロジェクトを立ち上げ、風力タービンモデルを設計・構築・試験する課題が課される。DOEは、2014年以来、同コンペティションを開催しており、大学生に風力業界の専門家と交流し、業界での職探しに役立つスキルと関係構築の機会を提供している。参加チームは、エンジニアリング、ビジネス、コミュニケーション、社会科学などの様々なプログラムの学生の専門知識を組み合わせて、最先端の風力エネルギーソリューションを開発する。
https://www.energy.gov/eere/articles/doe-announces-teams-compete-2022-collegiate-wind-competition
(DOE記事) 元記事公開日: 2021/2/18
~米国:DOEが全米数百万の家庭に電力を供給できる可能性がある地熱プロジェクトに4,600万ドルを投資~DOE Awards $46 Million for Geothermal Initiative Projects with Potential to Power Millions of U.S. Homes
米国エネルギー省(DOE)は、ユタ大学の「地熱エネルギー研究フロンティア観測所」(Frontier Observatory for Research in Geothermal Energy: FORGE)イニシアチブが、(最大4,600万ドルの資金を受け取る)17の最先端・米国内・無炭素の地熱プロジェクトを選出したと発表した。DOEのキャスリーン・ホーガン科学・エネルギー担当次官代理は、「強化地熱システム(Enhanced Geothermal Systems: EGS)は、クリーンで信頼性の高い電力を全米の数百万の家庭に供給できるという、未開拓の大きな可能性がある。EGS研究への投資は、科学工学のフロンティアを開拓し、最先端クリーンエネルギー分野で雇用創出することにより、気候危機に立ち向かうというバイデン大統領の使命を支えるものである」と語った。EGSは人工の地熱貯留層であり、全米の殆どの地域で運用することができる。
https://www.energy.gov/articles/doe-awards-46-million-geothermal-initiative-projects-potential-power-millions-us-homes
(DOE記事) 元記事公開日: 2021/2/24
~米国:DARPAが150の最先端イノベーション技術の市場導入推進のためのイニシアチブを開始
~DARPA Launches Entrepreneurial Initiative to Propel over 150 Cutting-Edge National Security Innovations to Market
国防高等研究計画局(DARPA)は、DARPAが支援する150の技術を、研究室から移転させて、我々の生活、仕事、戦闘の方法を根本的に変える製品への変換を加速させるために、DARPAの「組込型起業家精神イニシアチブ」(Embedded Entrepreneurship Initiative: EEI)を拡張する。EEIは、DARPA研究者に、触媒的な資金提供、メンターシップ、投資家と企業のつながりを提供するものである。EEIプログラムは、過去2年間において、30のプレシード研究チームによる1億ドル超の米国投資の調達、12の新規企業のスピンアウト、企業パートナーとの多数の共同開発契約の締結、複数の製造施設の委託を支援している。DARPAが助成する科学者とエンジニアは、米国の競争力にとって極めて重要なリソースであり、目的に沿ったビジネス専門知識で支援することで、公共・軍事用途のイノベーションを推進する。
https://www.darpa.mil/news-events/2021-02-23a
(DARPA記事) 元記事公開日: 2021/2/23
~米国:DARPAがサイバー攻撃から電力網を迅速に復旧させる技術を開発~Technologies to Rapidly Restore the Electrical Grid after Cyberattack Come Online
約3億3,000万人の米国民が、送電網、通信システム、サプライチェーン等の国の重要インフラに依存しているが、これらはサイバー攻撃に対して脆弱である。DARPAは2016年に「迅速な攻撃検出、分離、特性評価システム」(RADICS)プログラムを立ち上げた。プログラムの目標は、サイバー攻撃中に(外部の送電網に頼らずに完全または部分的にシャットダウンした変電所または電力網の一部に電力を復旧するプロセスである)ブラックスタートの回復を可能にすることである。RADICS研究者は、攻撃前、攻撃中、攻撃後の電力網の状態に関する正確でタイムリーな情報を提供することにより、電力網オペレーターに強化された状況認識を提供する技術を開発した。この状況認識の向上により、オペレーターは、物理インフラが重大な損傷を被る前に、攻撃を阻止したり、その影響を軽減することができる。
https://www.darpa.mil/news-events/2021-02-23
(DARPA記事) 元記事公開日: 2021/2/23
~EUが新しい「欧州パートナーシップ」を設立し、グリーン・デジタル移行に約100億ユーロを投資~EU to set up new European Partnerships and invest nearly €10 billion for the green and digital transition
欧州委員会(EC)は、欧州連合(EU)、加盟国、産業界との間に10の新しい「欧州パートナーシップ」(European Partnerships)の設立を提案した。目標は、グリーンで、気候中立で、デジタル化された欧州への移行を加速し、欧州の産業をより強靭で競争力のあるものにすることである。 EUは約100億ユーロの資金を提供し、パートナーは少なくとも同額の資金を提供する。この共同出資は、移行支援のための追加的な投資を動員し、雇用・環境・社会に長期的なプラスの影響をもたらすと期待されている。パートナーシップは、EUの感染症に対する準備と対応を改善し、効率的低炭素航空機を開発し、エネルギー生産での再生可能生物学的原材料の使用を支援し、デジタル技術・インフラでの欧州の主導権を確保し、より競争力のある鉄道の構築を目指している。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_21_702
(欧州委員会記事) 元記事公開日: 2021/2/23
~欧州委員会が、EUの小売エネルギー市場の障壁に関する報告書を公開~Commission publishes report on barriers in EU retail energy markets
欧州委員会(EC)は、欧州小売エネルギー市場の障壁に関する外部委託調査報告書を公表した。報告書は、残存する小売市場の障壁を特定し、その深刻さを評価し、これらの課題を克服するための方法を提案することを目的としている。報告書は、最終報告書、28の国別ハンドブック、および欧州障壁指数ランキング報告書で構成されており、約150のサプライヤー、関連する国内規制当局、その他の利害関係者との12か月以上の調査や話し合いを経て作成された。調査では次の5つの主要な障壁を特定している。(1) 垂直統合された市場プレーヤーの優位性、(2) 顧客の意識や関心の低さ、(3) 規制の将来やデジタル化に関する不透明性、(4) 現在の規制環境またはその展開に関する不透明性、(5)既存または他の市場プレーヤーの戦略的行動。
https://ec.europa.eu/info/news/commission-publishes-report-barriers-eu-retail-energy-markets-2021-feb-23_en
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2021/2/23
~バイデン大統領がCOVAXの支援と健康安全保障への資金提供を呼びかけ~Fact Sheet: President Biden to Take Action on Global Health through Support of COVAX and Calling for Health Security Financing
バイデン大統領は、2月19日のG7(主要7か国首脳会議)において、世界中の脆弱な人々を保護することにより、米国民の健康と安全を向上させるための具体的な措置を発表する。大統領は、G7パートナー諸国に対し、パンデミックを終了させ、次のパンデミックを防ぐために必要な能力の構築のために、持続可能な健康安全保障融資メカニズムを優先することを呼びかける。具体的には、米国はワクチン予防接種世界同盟(GAVI)に20億ドルを寄付する。これにより、92か国の低中所得国による安全で効果的なワクチンの入手を支援する。さらに2021年から2022年にかけて、20億ドルを追加投資することで、COVID-19 ワクチン・グローバルアクセス・ファシリティ(COVAX)への世界的な貢献を活性化する上で、主導的な役割を果たす。
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2021/02/18/fact-sheet-president-biden-to-take-action-on-global-health-through-support-of-covax-and-calling-for-health-security-financing/
(ホワイトハウス記事) 元記事公開日: 2021/2/18