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2021年02月12日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (2月4日~2月11日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:2月4日~2月11日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~英国:鉄道の未来を変革する最先端のアイデアを見出すための2021年度FOAK公募~£9 million fund opens to railway innovators and inventors
2月9日、鉄道大臣とInnovate UKにより、鉄道の未来を変革する最先端のアイデアを見出すための2021年度 First of a Kind(FOAK)公募(900万ポンド)が開始された。FOAKは今回で5回目となるもので、乗客の旅行を改善し、鉄道ネットワークを脱炭素化する先駆的な技術と卓越したアイデアの開発に重点を置いている。FOAKには、これまで運輸省(DfT)とInnovate UKが約2,500万ポンドを投資しており、投資したプロジェクトには、(1) HydroFLEXプロジェクト(水素列車の最初のメインラインでの試験)、(2) 鉄道インフラの安全性を迅速に評価できる検査ドローン、(3) 線路上の葉によって引き起こされる問題を解決するための制御された水の追加、(4) プラットフォームの凍結や乗客の転倒を防ぐために自動的に加熱するコンクリートスラブ等がある。
https://www.gov.uk/government/news/9-million-fund-opens-to-railway-innovators-and-inventors
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2021/2/9
~英国:UKRIとDEFRAが農業イノベーションの開発を目指す公募で協力~UKRI and Defra to launch Farming Innovation Pathways competition
英国研究・イノベーション機構(UKRI)と環境・食糧・農林省(DEFRA)は、新しい資金調達公募である、Farming Innovation Pathwaysでの、研究開発協力を発表した。公募はUKRIの「食料生産を変革する産業戦略チャレンジ基金」を通じて実施されるもので、新規および既存の農業に焦点を当てたイノベーションの開発を目的としている。1,200万ポンドの資金は次の2つに分けて提供される。(1) 実現可能性プロジェクトに500万ポンド:農業の課題に取り組む初期段階のアイデアまたはイノベーションの可能性を評価する。(2)産業研究に700万ポンド:農家、生産者、その他の農業関連産業従事者に影響を与える実際の問題を対象とした潜在力の高いソリューション等を開発する。
https://www.ukri.org/news/ukri-and-defra-to-launch-farming-innovation-pathways-competition/
(UKRI記事) 元記事公開日: 2021/2/10
~英国:UKRIが大規模なプラスチック包装プロジェクトに1,600万ポンドを投資~£16 million funding for large-scale plastic packaging projects
英国研究・イノベーション機構(UKRI)が、新たな資金調達公募(1,600万ポンド)である、「実証プロジェクト・ラウンド2」の開始を発表した。この公募は、「スマートで持続可能なプラスチック包装」(SSPP)チャレンジの一環で行われるもので、新しいパッケージの概念と技術のインフラと試験を含む大規模な商業実証プロジェクトに資金を提供する。参加プロジェクトは、英国が英国プラスチック協定目標の最低1つ以上を達成できるように支援し、英国プラスチック包装システム全体の環境への影響を削減できる方法を明確に説明する必要がある。プロジェクトは、「材料」、「製品設計」、「製造技術とプロセス」などの持続可能なプラスチック包装テーマのうち、一つ以上に焦点を当てる。
https://www.ukri.org/news/16-million-funding-for-large-scale-plastic-packaging-projects/
(UKRI記事) 元記事公開日: 2021/2/10
~ドイツ:「教育品質協定」はドイツの大学の教育環境を大幅に改善した~Karliczek: Qualitätspakt Lehre hat Studienbedingungen an Hochschulen entscheidend verbessert
優れた学習環境とより質の高い教育のための連邦と州のプログラム「教育品質協定」(Quality Pact Teaching)は、10年間の助成期間を経て、2020年12月31日に終了した。科学コンソーシアムはプログラムを評価して、最終報告書を提出した。連邦教育研究省(BMBF)のカルリチェク大臣は、「教育品質協定は、ここ数十年の研究と教育の分野で最も重要な措置の1つであった。協定が功を奏し、大学を強力に後押しして、教育をさらに発展させ、研究環境を改善した。しかし報告書は、将来のための重要な提言も提供している。教育のためのプロジェクト資金調達の機会の恒久的確立、全国的な交流の組織化、関係者のネットワーク化、および新しい知識の幅広い移転などである」と語った。BMBFは「教育品質協定」に総額20億ユーロを助成している。
https://www.bmbf.de/de/karliczek-qualitaetspakt-lehre-hat-studienbedingungen-an-hochschulen-entscheidend-13708.html
(BMBF記事) 元記事公開日: 2021/2/5
~ドイツがグリーン水素研究推進のために「国際グリーン水素未来研究所」を設立
~Karliczek: Mit Internationalen Zukunftslaboren bringen wir Forschung zum Grünen Wasserstoff in Deutschland weiter voran
連邦教育研究省(BMBF)は、新しい資金調達ガイドライン「国際グリーン水素未来研究所」を開始する。目的は、研究拠点としてのドイツに、世界中のトップ研究者を集めて、グリーン水素技術の研究を推進することにある。これについて、カルリチェクBMBF大臣は「ドイツは温室効果ガス排出量削減に責任を負っている。それゆえグリーン水素の研究をできるだけ進めたい。新しい資金調達ガイドラインにより、グリーン水素のための国際未来研究所の設立を推進する。これにより、世界中の著名な科学者がドイツに集まり、最先端の研究を共同で実施できるようになる。水素のバリューチェーン全体(製造、輸送、消費)に沿った基本的なテーマの研究についても推進していく」と語った。プロジェクトは2021年12月開始予定で、3年間に亘り各プロジェクトに最大500万ユーロが提供される。
https://www.bmbf.de/de/karliczek-mit-internationalen-zukunftslaboren-bringen-wir-forschung-zum-gruenen-13719.html
(BMBF記事) 元記事公開日: 2021/2/8
~米国:エネルギー省がポリマーのアップサイクリングとプラスチック廃棄物の再利用研究に2,500万ドルを投資~Department of Energy to Invest $25 Million in Polymer Upcyling, Plastic Waste Reuse Research
米国エネルギー省(DOE)は、プラスチック廃棄物再利用技術の基礎研究に2,500万ドルを投資すると発表した。投資は、ポリマーを効率的に分解・再構築するプロセスである、アップサイクリングに焦点を当てる。アップサイクリングは、廃プラスチックを化学薬品、燃料、その他の価値のある製品に変え、プラスチック生産の高エネルギーコストを大幅に削減する可能性がある。現在、米国では廃プラスチックの10%未満しかリサイクルされておらず、廃プラスチックは、特に毎年何百万トンもの廃棄物を吸収する河川や海にとって、環境への世界的に増大する脅威となっている。廃プラスチックの再利用を増やし、それにより環境におけるプラスチック廃棄物の蓄積を減らすためには、化学および材料科学における根本的なブレークスルーが必要である。
https://www.energy.gov/science/articles/department-energy-invest-25-million-polymer-upcyling-plastic-waste-reuse-research
(DOE記事) 元記事公開日: 2021/2/10
~米国:DARPAが軌道や月面で大きな構造物を構築するための設計と材料の開発プログラムを開始~Orbital Construction: DARPA Pursues Plan for Robust Manufacturing in Space
ロケットが軌道に運べるペイロードの質量と体積には制限があるが、このサイズの制約が、環境やミッションの変化に適応できる大規模で動的な宇宙システムの開発と展開を妨げている。この課題に対処するため、国防高等研究計画局(DARPA)はNOM4Dプログラムを発表した。プログラムでは、軌道上および月面上で建設するための新しい材料と製造技術の開発、および新しい質量効率の高い設計を探求する。DARPA国防科学室プログラムマネージャーのカーター氏は、「我々は、地球外でしか構築できないほど質量効率が高く、宇宙や月の環境に特有の、操作、日食、損傷、熱サイクルに耐えられる機能を備えたシステム設計を考案する提案者を探している。次のステップに進むには、まったく新しい方法で材料、製造、設計に取り掛かる必要がある」と語った。
https://www.darpa.mil/news-events/2021-02-05
(DARPA記事) 元記事公開日: 2021/2/5
~EU:エネルギー部門のメタン排出量削減を目的とした将来のEU規則に関する公開協議~Public consultation on future EU rules for reducing methane emissions in the energy sector
欧州委員会(EC)は、エネルギー部門のメタン排出に関する公開協議を開始した。この12週間の協議の目的は、2020年10月のEUメタン戦略で概説されているように、エネルギー部門のメタン排出量をさらに削減するためのECによる新しいEU法案の準備を支援することにある。メタン排出量の削減は、欧州グリーン・ディールの優先イニシアチブの1つであり、温室効果ガス削減などの主要な気候目標に貢献する可能性がある。政策提案の目的は、(1) EUのメタン排出源に関する情報の可用性と正確性の向上、(2) エネルギーサプライチェーンの様々なセグメントに亘って、企業に排出量の削減義務を課すこと、の2つである。公開協議は、9つのセクションと合計150近くの一連の質問で構成され、4月30日の深夜まで実施される。
https://ec.europa.eu/info/news/public-consultation-future-eu-rules-reducing-methane-emissions-energy-sector-2021-feb-10_en
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2021/2/10
~米国外交政策と国家安全保障に係る人員、制度、パートナーシップの活性化に関する大統領覚書~Memorandum on Revitalizing America's Foreign Policy and National Security Workforce, Institutions, and Partnerships
2月4日、バイデン大統領は標記の大統領覚書を発出し、次のように語った。「米国の国家安全保障と外交政策に係る制度の活性化は、米国の安全保障、繁栄、価値観を前進させ、国内の再生を加速させ、すべての米国民に成果をもたらすために不可欠である。我々は、あまりにも長い間、公務員に対して、益々複雑化する競争の激しい世界において、より少ない財源と支援で、より多くのことを行うように求めてきた。国内外で直面する課題に対処するには、前例のない公共サービスの動員、優先事項と国家技術ツールの強化などが必要となる。この覚書は、米国の国家安全保障と外交政策の人員と制度を活性化するという私の政権のコミットメントと、米国民に対する我々の機関の新たなコミットメントについて概説するものである」。
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/presidential-actions/2021/02/04/memorandum-revitalizing-americas-foreign-policy-and-national-security-workforce-institutions-and-partnerships/
(ホワイトハウス記事) 元記事公開日: 2021/2/4