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2021年01月21日

【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (1月14日~1月20日)

CRDS-研究開発戦略センター

「政策の科学」関連 海外情報  期間:1月14日~1月20日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)

~英国:国防科学技術研究所(Dstl)が危険な現場で化学薬品を探索する最先端ロボットを開発 ~State-of-the-art robot seeks out chemical agents
国防科学技術研究所(Dstl)の科学者たちが、危険な現場での防衛・安全保障担当者の対応を支援する完全自律型ロボットの試験に成功した。業界パートナーのHORIBA-MIRA社が、国防省(MOD)と内務省(HO)から資金提供を受けて開発したマーリンロボット(Merlin Robot)は、最大1万平方メートルの試験エリアでの模擬化学偵察タスクを自律的に実行した。ロボットは、タスクを数時間継続して簡単に遂行できるため、担当者は、安全な距離を保ち、潜在的な危害から離れて、試験現場をモニター・管理することができる。現在、化学薬品の使用が疑われるか確認された場合には、専門家が徒歩または特別に改造された車両で偵察を行っているが、将来的には、自律システムにより、人員の負担や偵察チームのリスクが大幅に軽減される可能性がある。

https://www.gov.uk/government/news/state-of-the-art-robot-seeks-out-chemical-agents
(GOV.UK
記事) 元記事公開日: 2021/1/14

~英国:核融合エネルギーと核廃炉研究に関する1,200万ポンドの日英ロボティクス協定~£12M UK-Japan robotics deal for fusion energy and nuclear decommissioning research
英国と日本は、核廃炉と核融合エネルギー生産の自動化に役立つ研究・技術展開に関する協力協定に署名した。これは世界をリードする同盟であり、核融合研究と、日英両国の原子力施設の廃炉措置の両方に適用される新しいロボット工学と自動化技術が見込まれる。1,200万ポンドの日英ロボットプロジェクト(LongOps)は、長いロボットアームを使用して、東京電力の福島第一原子炉と英国のセラフィールド施設での、より迅速で安全な廃炉をサポートする。共同研究期間は4年間で、英国研究・イノベーション機構(UKRI)、英国原子力廃炉措置機構(NDA)、日本の東京電力(TEPCO)が均等に資金提供する。主な機能は、高機能のデジタルツイン技術で、仮想世界と物理世界の組み合わせにより、データの非常に詳細な分析と、潜在的な保守・運用上の問題を予測する仮想モデルである。
https://www.gov.uk/government/news/12m-uk-japan-robotics-deal-for-fusion-energy-and-nuclear-decommissioning-research
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2021/1/20

~米国とトヨタ自動車㈱が、大気浄化法の報告要件に関する訴訟で和解~UNITED STATES AND TOYOTA MOTOR COMPANY REACH AGREEMENT FOR DECADE-LONG NONCOMPLIANCE WITH CLEAN AIR ACT REPORTING REQUIREMENTS
米国環境保護庁(EPA)と米国司法省(DOJ)は、米国がトヨタ自動車㈱および北米のトヨタ関連会社等(以下「トヨタ」)に対して民事訴訟を提起し、同時に和解したと発表した。これは、大気浄化法(CAA)の排出関連欠陥報告要件に対して、トヨタが長年体系的に違反していたとして課されたものである。和解に関連して、米国は、トヨタが1億8,000万ドルの民事罰を支払い、差し止め救済を課すことにより、政府の苦情を解決する同意判決を提出した。CAAの規制により、製造メーカーは、特定のモデルイヤーの25台以上の車両またはエンジンに、排出基準やEPA規則に準拠するために設置された排出制御部品または設計要素に同じ欠陥がある場合には、排出欠陥通知報告書(EDIR)を提出してEPAに通知する必要がある。

https://www.epa.gov/newsreleases/united-states-and-toyota-motor-company-reach-agreement-decade-long-noncompliance-clean
(EPA記事) 元記事公開日: 2021/1/14

~ドイツ:水素技術を支援する主要な欧州プロジェクトの開始~Europäisches Großprojekt zur Förderung von Wasserstofftechnologien geht in die Startblöcke
ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWi)と連邦交通デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)は、水素技術とそのシステムへの助成に関する関心表明公募を開始した。2つの連邦省は、他の省や州政府とともに、水素生産から水素インフラ、そして産業や交通部門での消費に至るまで、バリューチェーン全体に沿った統合グリーン水素プロジェクトに資金提供することを計画しており、連邦および州から、数十億ユーロが提供される予定である。2020年12月17日にドイツと22のEU加盟国が水素技術とそのシステムに関する「欧州が共に関心を抱く重要計画」(IPCEI)の「マニフェスト」に署名している。今回、関心表明公募を開始することで、ドイツは水素のIPCEI創設に向けて一歩を踏み出したことになる。
https://www.bmwi.de/Redaktion/EN/Pressemitteilungen/2021/01/20210114-major-european-project-supporting-hydrogen-technologies-about-to-launch.html 
(BMWi記事) 元記事公開日: 2021/1/14

~フランス:ANRナノヒータープロジェクト:特定分子の検出や病気診断を可能とする微生物プログラミング~Des nanoparticules magnétiques au sein de bactéries pour déplacer et concentrer celles-ci en appui au diagnostic et à l'imagerie : le projet ANR Nanoheaters
合成生物学の急速な発展により、微生物をプログラミングすることで、特定の分子の検出や病気の診断等を可能にする全細胞バイオセンサーや治療用ベクターの開発など、幅広い応用の可能性があるが、その空間的制御に困難があった。国立研究機構(ANR)ナノヒータープロジェクトの責任者でパスツール研究所の研究ディレクターでもあるZoher Gueroui氏は、鉱物学・材料物理学・宇宙化学研究所(IMPMC)等の同僚たちと共に、大腸菌を改変して磁気特性を与え、外部磁場によって、それらを空間で誘導することに成功した。これらは、環境内の化学分子(病原体、重金属、または汚染物質)を検出して、光信号を発するようにプログラムしたり、癌細胞の破壊を促進する治療用分子の生成に応用することができる。

https://anr.fr/en/latest-news/read/news/des-nanoparticules-magnetiques-au-sein-de-bacteries-pour-deplacer-et-concentrer-celles-ci-en-appui-a/
 
(ANR記事) 元記事公開日: 2021/1/18

~米国:エネルギー省が、米国の重要鉱物サプライチェーン確保のために「鉱物持続可能性部門」を創設~Department of Energy Launches Minerals Sustainability Division to Enable the Ongoing Transformation of the U.S. Energy System and Help Secure a U.S. Critical Minerals Supply Chain
米国エネルギー省(DOE)は、米国の重要鉱物サプライチェーンの確保に、より重点を置いた「鉱物持続可能性部門」の設立を発表した。米国のエネルギー・製造システムを変革して、よりクリーンで、回復力があり、安全にすることを目指しており、既存のDOEの研究開発(R&D)と応用工学をベースに設立された。部門は、化石エネルギー局(FE)のクリーンコール・炭素管理室にレポートし、サプライチェーン全体での技術開発と展開に焦点を当てる。また、エネルギー、経済、防衛のための重要鉱物の持続可能性の問題に対処するために、連邦機関間の協力を促進する。さらに部門のスタッフは国際的な同盟国と協力して、世界中の持続可能な慣行に取り組む。

https://www.energy.gov/articles/department-energy-launches-minerals-sustainability-division-enable-ongoing-transformation
 
(DOE
記事) 元記事公開日: 2021/1/15

~米国:エネルギー省が化石燃料から水素を製造するインフラの改善に1億6,000万ドルを投資~DOE Announces $160 Million for Projects to Improve Fossil-Based Hydrogen Production, Transport, Storage, and Utilization
米国エネルギー省(DOE)の化石エネルギー局(FE)は、エネルギーと商品生産の脱炭素化を目的として、米国の広大な化石燃料と電力インフラを再調整するために1億6,000万ドルの連邦資金を投資する。最新のDOE / FE水素戦略文書のコストデータによると、化石燃料は現在、水素生産の最低価格を提供している。米国は水素の製造・輸送・貯蔵・利用の方法について、性能・信頼性・柔軟性を向上させた高度で新しい技術を求めており、これにより、化石燃料エネルギー資源から最大の経済的価値を継続して引き出すことが可能となる。炭素の回収・貯蔵機能を組み合わせると、化石燃料から製造される低コストの水素は、プロセスの二酸化炭素排出量を大幅に削減し、炭素排出量正味ゼロの水素生産に向けて前進させるものである。
https://www.energy.gov/articles/doe-announces-160-million-projects-improve-fossil-based-hydrogen-production-transport
(DOE記事) 元記事公開日: 2021/1/15

~米国:エネルギー省が「プラスチック革新チャレンジドラフトロードマップ」と情報提供依頼(RFI)を発表 ~Department of Energy Releases Plastics Innovation Challenge Draft Roadmap and Request for Information
米国エネルギー省(DOE)は、「プラスチック革新チャレンジドラフトロードマップ」および「ドラフトロードマップ」への利害関係者の意見を求める情報提供依頼(RFI)を公表した。「プラスチック革新チャレンジ」は、エネルギー効率の高いプラスチックリサイクル技術のイノベーションを加速するための包括的なプログラムであり、次の4つの戦略的目標が定められている。(1) 分解:プラスチック廃棄物を有用な化学物質に分解するための生物学的・化学的方法の開発、(2)アップサイクリング:廃棄化学物質をより価値の高い製品にアップサイクルする技術の開発、(3)リサイクル設計:簡単にアップサイクルでき、国内で大規模に製造できるプラスチックの設計、(4) 企業による国内・世界市場での新技術の拡大・展開の支援。

https://www.energy.gov/articles/department-energy-releases-plastics-innovation-challenge-draft-roadmap-and-request
(DOE記事) 元記事公開日: 2021/1/19

~EU:水素協議会での欧州委員長のスピーチ~Speech by President von der Leyen to the Hydrogen Council
欧州委員会(EC)のフォンデアライエン委員長が水素協議会でスピーチを行った。クリーン水素は欧州炭素中立目標達成に向けた理想的な手段であり、欧州は再生可能エネルギー源から生成される水素について、2024年までに100万トン/年、2030年までに1,000万トン/年の生産能力を目指している。欧州水素戦略では重点活動として次の4つを定めている。(1) 排出量削減の明確な目標を設定し、法的拘束力を持たせ、2030年までに排出量を55%削減する、(2) 復興計画(7,500億ユーロ)予算の1/3以上を欧州グリーン・ディールの目標に向けて投資する、(3) クリーン水素の展開を容易にするため、エネルギー規制の緩和を進める、(4) 民間部門との新しい同盟関係を構築する(例:欧州クリーン水素連合の発足、1,000社以上の企業が参加している)。

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/SPEECH_21_158
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2021/1/19

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