海外情報
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2020年12月17日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (12月10日~12月16日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:12月10日~12月16日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~英国政府が2050年までのネットゼロ達成に向けて野心的な計画を発表~Government sets out plans for clean energy system and green jobs boom to build back greener
英国政府が2050年までの排出量ネットゼロの達成に向けて野心的な計画を打ち出した。エネルギー白書では、(1) エネルギーシステムをクリーンアップし、(2) 英国全体で今後10年間に最大22万人の雇用創出を支援し、(3) 特に脆弱で低所得の世帯のために、エネルギー価格を手頃な価格に保つことを目標にしている。また「グリーン産業革命のための10ポイント計画」に基づき、数十万の新しいグリーン雇用を支援しながら、産業、運輸、建物セクターからの排出量を2億3,000万メトリックトン(750万台のガソリン車を道路から恒久的に排除するのと同等の量)を削減するために、政府が今後10年間に実行すべき具体的な手順を示している。英国を化石燃料からシフトさせるため、手頃な価格での提供を中心に置き、エネルギー小売市場での競争を激化させる。
https://www.gov.uk/government/news/government-sets-out-plans-for-clean-energy-system-and-green-jobs-boom-to-build-back-greener
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/12/14
~ドイツ連邦統計局が2020年度教育財政報告書を発表~Karliczek: „Investitionen in Bildung bleiben oberste Priorität"
連邦統計局は連邦および州の教育支出の現在の動向を示す2020年度教育財政報告書を発表した。これに関して、連邦教育研究省(BMBF)のカルリチェク大臣は、「連邦政府は教育支出に重要な貢献をしており、将来のイノベーションを非常に重要視している。本年度は教育に109億ユーロを配分した。2020年には、デジタル・パクト・スクールの特別基金を通じて、さらに25億ユーロが提供された。報告書に反映されていないが、コロナパンデミックに対処するための資金も提供されており、総合すると、若者の教育と訓練に対するこれまでで最大の投資パッケージとなった」と語った。教育財政報告書は、教育大臣会議との合意を得て、2008年以来、BMBFに代わって連邦統計局が編集している。
https://www.bmbf.de/de/karliczek-investitionen-in-bildung-bleiben-oberste-prioritaet-13339.html
(BMBF記事) 元記事公開日: 2020/12/10
~フランス:INRIAが教育とデジタル技術に関する白書を発表 ~Inria unveils its white paper: "Education and Digital Technology"
国立情報科学・自動化研究所(INRIA)が「教育とデジタル技術:課題」と題する白書を発表した。白書の作成作業は2019年に開始され、特に機会均等、デジタル主権、プライバシーに焦点を当て、教育が直面している主要な課題を概説することに加えて、教育における変革のベクトルとしてのデジタル技術の影響について分析している。教育科学などの他の分野と緊密に連携して、デジタルサイエンスに関するいくつかの研究課題を特定し、推奨事項を提言している。教育はINRIAの関心事項であり、白書は、研究だけでなく、デジタルリテラシーと教育におけるデジタル技術の活用に関するリソースを提供することにより、教育に強く貢献したいというINRIAの願望を反映している。
https://www.inria.fr/en/white-paper-digital-education-inria /
(INRIA記事) 元記事公開日: 2020/12/14
~米国:DOEがスーパーコンピューターを活用した研究に3,200万ドルを投資 ~Department of Energy to Provide $32 Million for Advanced Computational Research in the Sciences
米国エネルギー省(DOE)は、材料科学、物性物理学、化学、地球科学などの幅広い科学分野における高度な研究にDOEのスーパーコンピューターを活用するために、最大3,200万ドルを提供すると発表した。この取り組みは、DOE科学局の高度科学計算研究室(ASCR)と基礎エネルギー科学室(BES)が共同支援するもので、科学とエネルギー研究の専門家と、ソフトウェア開発、応用数学、計算科学の専門家を結集させて、DOE国立研究所のスーパーコンピューター資源の最大限の活用を目指す共同プログラムの一環である。ローレンス・バークレー国立研究所のスーパーコンピューターと共に、アルゴンヌ国立研究所およびオークリッジ国立研究所の新しいエクサスケール・スーパーコンピューターを最大限に活用することが期待されている。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-provide-32-million-advanced-computational-research-sciences /
(DOE記事) 元記事公開日: 2020/12/10
~米国:エネルギー省が持続可能な輸送手段の研究のために1億2,800万ドルを投資 ~Department of Energy Announces $128 Million for Sustainable Transportation Research
米国エネルギー省(DOE)は、持続可能な輸送資源および技術の研究開発のために、最大1億2,800万ドルを投資すると発表した。米国の家庭に輸送エネルギーのニーズを満たす方法について幅広い選択肢を確保するというDOEの目標をサポートしている。資金はDOEエネルギー効率・再生可能エネルギー局(EERE)を通じて提供され、3つの資金調達公募(FOA)がバイオエネルギー技術室(BETO)、水素燃料電池技術室(HETO)、車両技術室(VTO)に代わって発行される。DOEのマーク・メネゼス次官は「運輸部門とモビリティのニーズは進化し続けているため、さまざまなエネルギー源を利用する技術ソリューションをサポートすることが重要である。3つのFOAはエネルギー資源の多様性を推進するための、優れた例である」と述べた。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-announces-128-million-sustainable-transportation-research
(DOE記事) 元記事公開日: 2020/12/10
~米国:エネルギー省が新型原子炉のリスク低減プロジェクトに3,000万ドルを投資 ~Energy Department's Advanced Reactor Demonstration Program Awards $30 million in Initial Funding for Risk Reduction Projects
米国エネルギー省(DOE)は、新型原子炉実証プログラム(ARDP)の3つのプログラムのうちの1つである、 「リスク低減プログラム」(Risk Reduction program)に3,000万ドルの初期資金を提供する。プログラムは、今後10年から14年にわたって認可・展開が可能な、安全で手頃な価格の原子炉技術の設計・開発を目指している。DOEの原子力エネルギー局(NE)により、資金を受け取る研究チームに、米国を拠点とする5つのチームが選出された。ARDPは米国の民間産業による先進的原子炉の実証支援を目的に設計されており、DOEは7年間で約6億ドルを投資し、業界パートナーから少なくとも20%のマッチングファンドが期待されている。
https://www.energy.gov/ne/articles/energy-department-s-advanced-reactor-demonstration-program-awards-30-million-initial
(DOE記事) 元記事公開日: 2020/12/16
~米国:宇宙での原子力と推進力の利用に関する米国の国家戦略(宇宙政策指令-6) ~President Donald J. Trump is Establishing America's National Strategy for Space Nuclear Power and Propulsion
ホワイトハウスは宇宙での原子力と推進力の利用に関する国家戦略(宇宙政策指令-6:SPD-6)を発表した。米国が新世代宇宙ミッションに着手するにつれ、宇宙での原子力および推進(SNPP)システムを安全、確実、持続的に利用できる能力は、宇宙における米国の優位性と戦略的主導権を維持・発展させるために不可欠である。SPD- 6は、高レベルの目標、原則、役割、責任、および(SNPPシステムを効果的かつ責任を持って利用するという米国のコミットメントを明示した)ロードマップを定めている。4つの主要分野(核燃料、地表発電用の核分裂炉、熱推進技術、宇宙探査用のアイソトープ発電システム)に焦点を当てており、戦略の主要分野で米国航空宇宙局(NASA)、国防総省(DOD)、および業界と協力する。
https://www.energy.gov/articles/president-donald-j-trump-establishing-america-s-national-strategy-space-nuclear-power-and
(DOE記事) 元記事公開日: 2020/12/16
~米国:DARPAが無人航空機の3回目の空中発射・空中回収実験を実施 ~DARPA Gremlins Project Completes Third Flight Test Deployment
国防高等研究計画局(DARPA)が、「グレムリン」と呼ばれる無人航空機X-61Aの3回目の空中回収実験を行った。グレムリン無人航空機(GAV)の空中発射と空中回収を30分以内に完了することを目指しており、実験では、全てのGAV(3機)が2時間以上、自律的に編隊飛行し、安全機能の実証に成功したものの、C-130輸送機によるGAVの空中回収は、相対的な動きが予想以上に動的で、数インチの差で成功しなかった。来春に4回目の実験が予定されている。無人航空機を安全で効果的かつ効率的に空中回収できる能力は、紛争地域における無人航空機の潜在的な用途を劇的に拡大させる。GAVには、様々なセンサー等の技術が搭載可能で、多様な軍用機から発射することができる。
https://www.darpa.mil/news-events/2020-12-10
(DARPA記事) 元記事公開日: 2020/12/10
~欧州委員会と世界気象機関が新しい作業協定に署名 ~European Commission signs a new working arrangement with the World Meteorological Organisation
欧州委員会(EC)のイノベーション・若年世代担当マリヤ・ガブリエル欧州委員と世界気象機関(WMO)のペテリ・ターラス事務局長が、欧州委員会(EC)とWMOとの間の作業協定に署名した。これにより、研究・イノベーション活動や、関連するHorizon Europeのミッションを通じて、欧州グリーン・ディール活動が支援される。また「地球観測に関する政府間会合」(GEO)が実施する「全球地球観測システム」(GEOSS)の展開も強化される。これらは、気候変動、持続可能な開発、災害リスクの軽減などの重要な分野において、国際的に設定された目標を達成する上で極めて重要となる。作業協定では、気候変動、災害リスク低減と緊急時対応、地球観測、早期警報システムの能力開発、エネルギーなど、12の協力分野を規定している。
https://ec.europa.eu/info/news/european-commission-signs-new-working-arrangement-world-meteorological-organisation-2020-dec-14_en
(欧州議会記事) 元記事公開日:2020/12/14