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2020年11月19日

【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (11月12日~11月18日)

CRDS-研究開発戦略センター

「政策の科学」関連 海外情報  期間:11月12日~11月18日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)

~英国:2030年までに200万のグリーン・ジョブ創出を支援するタスクフォースが発足~UK government launches taskforce to support drive for 2 million green jobs by 2030
英国政府は、2030年までに200万人分の「グリーン・ジョブ」創出を支援するという明確な目標を設定し、「グリーン・ジョブ・タスクフォース」を立ち上げた。タスクフォースは、2050年までにネットゼロ排出量を達成するという政府の野心的な計画の一部を形成しており、低炭素経済への移行に必要な高度なスキルを有した労働者の提供に関する短期的・長期的課題に焦点をあてている。課題には、(1) 洋上風力発電や住宅の改修など、環境に配慮した復興に早急に必要とされるスキルの確保、(2) ネットゼロ経済の実現を支援するために必要なスキルを提示した長期計画の策定 (3) 質の高いグリーン・ジョブと多様な労働力の確保、(4) 石油やガス関係の高炭素移行部門の労働者が新しいグリーン技術を獲得することの支援などが含まれる。

https://www.gov.uk/government/news/uk-government-launches-taskforce-to-support-drive-for-2-million-green-jobs-by-2030
(GOV.UK
記事) 元記事公開日: 2020/11/12

~英国政府が宇宙太陽光発電システム(SBSP)の可能性について調査~UK government commissions space solar power stations research
英国政府は、宇宙太陽光発電システム(SBSP)に関する新しい研究をFrazer-Nash Consultancy社に委託した。これは、非常に大きな太陽光発電衛星を使用して太陽光エネルギーを収集し、それを高周波電波に変換して、電力網に接続された地上の受信装置に安全にビーム伝送するもので、英国は2020年に、この再生可能技術が、回復力があり、安全で、持続可能なエネルギー源を提供できるかどうかについて調査する。システムのエンジニアリングと経済性、つまり消費者に手頃な価格でエネルギーを提供できるかどうか、およびシステム構築に必要なエンジニアリングと技術について検討する。最大の課題の1つは、軌道上での巨大衛星の組み立てである。この規模での衛星の組み立てはこれまで経験されたことがない。
https://www.gov.uk/government/news/uk-government-commissions-space-solar-power-stations-research
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/11/14

~ドイツ:地域のイノベーションネットワークにより、研究から実用への移行を強化~Karliczek: Mit regionalen Innovationsnetzwerken den Transfer von der Forschung in die Praxis stärken
未来クラスター・イニシアチブ「Clusters4Future」の第2ラウンドが開始される。ドイツ連邦教育研究省(BMBF)はこれを利用して、地域イノベーションネットワークの発展を支援し、今後10年間で総額4億5,000万ユーロを投資する。カルリチェクBMBF大臣は、「ドイツは、将来にわたり成功するイノベーション国であり続けねばならない。このためには、革新的なアイデアの研究から実践への移転を強化するための、地域におけるイノベーションに適した枠組みが必要である。「Clusters4Future」公募は、地域の多様なイノベーションの可能性に焦点をあて、学界、企業、社会の強力なネットワークを促進する。これらのパートナーシップは地域的に確立され、基礎研究成果の実践への移行を加速する」と語った。

https://www.bmbf.de/de/karliczek-mit-regionalen-innovationsnetzwerken-den-transfer-von-der-forschung-in-die-13094.html
(BMBF記事) 元記事公開日: 2020/11/17

~米国:エネルギー省がソーラー技術プロジェクトに1億3,000万ドルを投資~Energy Department Announces $130 Million in Solar Technology Projects
米国エネルギー省(DOE)は、太陽光発電のコストを削減し、米国の製造競争力を高め、米国の電力網の信頼性を向上させる30州の67の研究プロジェクトに対して、1億3,000万ドルを投資すると発表した。資金は、DOEエネルギー効率・再生可能エネルギー局(EERE)の太陽エネルギー技術局(SETO)を通じて提供される。SETOの2020年度の助成プログラムには、太陽光発電(PV)、集光型太陽熱発電(CSP)、システム統合の研究の発展のほか、人工知能(AI)、ハイブリッド植物(雑種植物)、営農型太陽光発電の新しい研究分野が含まれている。DOE長官は「リスクを最小限に抑えながら、すべての米国民のために低コストで信頼性の高い電力を確保することは、DOEの最優先事項である。これは、国内に製造の機会を創出し、電力システムの回復力を高めることを意味する」と述べた。
https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-130-million-solar-technology-projects 
(DOE記事) 元記事公開日: 2020/11/12

~米国:エネルギー省が「水素プログラム計画」を発表~Energy Department Releases its Hydrogen Program Plan
米国エネルギー省(DOE)が「水素プログラム計画」を発表した。DOE内の水素の研究・開発・実証(RD&D)活動に戦略的枠組みを提供するもので、経済の様々な部門にわたって、手頃な価格での水素の生産、輸送、貯蔵、利用を促進するために調整されたDOEの取り組みである。この「計画」は、水素プログラムの戦略的方向性を設定し、水素のRD&D活動に従事するDOE各部門の技術的・プログラム的な複数年次計画を補完するための包括的な文書として機能する。ブルイエットDOE長官は「水素は、米国のエネルギー資源を統合する可能性のある有望な燃料源であるが、経済全体でその可能性を完全に引き出すためには、コストを削減し、水素の需給を大幅に増加させる必要がある」と語った。

https://www.energy.gov/articles/energy-department-releases-its-hydrogen-program-plan
 
(DOE記事) 元記事公開日: 2020/11/12

~米国:エネルギー省が高エネルギー物理学研究に1億ドルを投資~"DOE to Provide $100 Million for High Energy Physics Research"
米国エネルギー省(DOE)は、高エネルギー物理学の新しい研究に今後4年間で1億ドルを投資する計画を発表した。最も根源的なレベルで宇宙の理解を進めるために、ヒッグス粒子、ニュートリノ、暗黒物質、暗黒エネルギーなどの研究に焦点を当てる。DOEフェルミ国立加速器研究所のニュートリノに関する実験的研究、サウスダコタ州のLZ(LUX-ZEPLIN)実験による暗黒物質の探索、暗黒エネルギーと宇宙の膨張に関連する暗黒エネルギー分光計器(DESI)データの分析、欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)での陽子-陽子衝突からのデータの調査などが含まれる。高エネルギー物理学は、米国の科学の取り組みの基礎として機能するもので、最高の科学的才能を育成し、米国の科学的労働力の構築・維持に主要な役割を果たす。

https://www.energy.gov/articles/doe-provide-100-million-high-energy-physics-research-0
 
(DOE
記事) 元記事公開日: 2020/11/17

~EUが環境、自然、気候変動対策プロジェクトに2億8,000万ユーロを投資~LIFE programme: over €280 million in EU funding for environment, nature and climate action projects
欧州委員会(EC)は、120を超える新しい「LIFEプログラム」プロジェクトに、EU予算から2億8,000万ユーロを超える投資を行う。約2億2,000万ユーロが、環境と資源の効率化、自然と生物多様性、環境ガバナンスと情報に関する幅広いプロジェクトに、6,000万ユーロ以上が、気候変動の緩和、適応、ガバナンスと情報プロジェクトの支援に投資される。プロジェクトは、「EU生物多様性戦略」と「循環経済行動計画」を支援して、「欧州グリーン・ディール」の目標達成をサポートする。これによりコロナウイルス・パンデミックからのグリーンな復興に貢献し、2050年までに欧州の気候中立を達成する取り組みを支援する。プロジェクトの多くは、複数の加盟国が関与する国境を越えたプロジェクトである。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_2052
(欧州委員会
記事) 元記事公開日:2020/11/16

~米国:AI研究開発にクラウド・コンピューティング・リソースを適切に活用するための提言~RECOMMENDATIONS FOR LEVERAGING CLOUD COMPUTING RESOURCES FOR FEDERALLY FUNDED ARTIFICIAL INTELLIGENCE RESEARCH AND DEVELOPMENT
2019年2月11日の大統領令「人工知能(AI)における米国のリーダーシップの維持」の指示に従い、国家科学技術会議(NSTC)の「AIに関する特別委員会」は報告書を発行し、連邦政府が資金提供するAIの研究開発でクラウド・コンピューティング・リソースを適切に活用する方法について、4つの主要な提言を行った。提言には、(1) 商用クラウドの利用に関連する利点や課題の特定・調査のためのパイロットプロジェクトの創設・支援、(2) クラウド・リソースを有効に活用するための教育とトレーニングの機会の改善、(3)クラウド・リソースの効果的な活用のためのID管理およびシングルサインオン(SSO)戦略の成功事例のカタログ化、(4) 様々なクラウド・プラットフォームをシームレスに利用するための成功事例の確立・公開が含まれている。

https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2020/11/Recommendations-Cloud-AI-RD-Nov2020.pdf
(ホワイトハウス記事) 元記事公開日:2020/11/17

~米国:国立衛生研究所(NIH)とモデルナ社のCOVID-19ワクチン臨床試験の有望な中間結果~Promising Interim Results from Clinical Trial of NIH-Moderna COVID-19 Vaccine
独立データ安全性モニタリング委員会(DSMB)は、mRNA-1273として知られるCOVID-19ワクチン候補のフェーズ3臨床試験データをレビューし、臨床試験監督グループとその中間分析結果を共有した。結果は、ワクチンの有効性は94.5%であり、成人の症候性COVID-19の予防に安全かつ有効であることを示している。95例の症候性COVID-19のうち、90例はプラセボ群(偽薬投与グループ)で発生し、5例はワクチン接種群で発生した。95例のうち重症COVID-19が11例あり、そのすべてがプラセボ群で発生した。ワクチンは、モデルナ社とNIHの国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)によって共同開発されたもので、モデルナ社のmRNAデリバリープラットフォームと、NIAIDが開発・安定化したSARS-CoV-2スパイク免疫原(S-2P)を組み合わせたものである。

https://www.nih.gov/news-events/news-releases/promising-interim-results-clinical-trial-nih-moderna-covid-19-vaccine
(NIH記事) 元記事公開日:2020/11/16

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