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2020年11月12日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (11月5日~11月11日)
「政策の科学」関連 海外情報 期間:11月5日~11月11日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~英国:Pfizer社とBioNTech社によるワクチン候補の有効性データの公表に対する英国政府の対応~UK government response to Pfizer/BioNTech's publication of efficacy data of their COVID-19 vaccine
11月9日、ファイザー社(Pfizer)とバイオエヌテック社(BioNTech)は開発中のCovid-19ワクチン候補が、フェーズ3臨床試験において90%以上の治験参加者のコロナウイルス感染防止に有効であったとの、肯定的な有効性結果を公表した。政府の報道官は、「臨床試験の結果は非常に有望であり、我々は4,000万回分のワクチンを調達している。結果について楽観視しているが、保証されてないことを忘れてはならない。安全性データが公開されたところで、ワクチンが安全性と有効性の堅牢な基準を満たしているかどうかが判明する。その後、医薬品規制当局が、ワクチンを一般に提供できるかどうかを検討する。承認されれば、国民保健サービス(NHS)が、最もリスクの高い人々のために予防接種プログラムを開始する準備ができている」と語った。
https://www.gov.uk/government/news/uk-government-response-to-pfizerbiontechs-publication-of-efficacy-data-of-their-covid-19-vaccine
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/11/9
~英国:産業廃棄物の再利用・リサイクル技術の研究に2,250万ポンドの政府投資~£22.5 million funding to turn industry waste into environmental wins
ロンドン、ラフバラ、エクセターにある5つの最先端研究センターに対する2,250万ポンドの政府資金のおかげで、英国中の産業が、廃棄物への取り組み、リサイクルの促進、コロナウイルスからのよりグリーンな復興に関して支援を受ける。研究センターでは、繊維、建設、化学、輸送、電子機器、金属産業で、廃棄物を再利用することにより、環境を保護し、経済を後押しする方法を研究する。英国の繊維産業だけで、毎年1億4,000万ポンド相当の衣類が埋め立てられていると推定されている。研究センターによって開発される優れた再利用・リサイクル技術は、温室効果ガス排出量を削減し、天然資源を保護し、英国の産業に新しい機会をもたらすことに役立つ。循環経済の拡大により、2030年までに最大50万人の雇用が創出される可能性がある。
https://www.gov.uk/government/news/225-million-funding-to-turn-industry-waste-into-environmental-wins
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/11/11
~英国とカナダの量子研究協力を促進する8つのプロジェクト~UK and Canada launch world-first programme of quantum technologies
英国研究・イノベーション機構(UKRI)とカナダ自然科学工学研究会議(NSERC)が共同で開催する英国・カナダ量子技術コンペティションの勝者が発表され、8つのプロジェクトが選出された。プロジェクトは、2国間イニシアチブの下で、UKRIから200万ポンドの助成金と、カナダから440万カナダドルの投資を受ける。コンペティションは、量子技術の開発を目的とした、2か国間の最初の業界主導のパートナーシップをもたらし、原子レベルでの光と物質に関する我々の理解を活用する。新世代の量子技術は、経済や社会に変革をもたらすことを約束するもので、ヘルスケア、安全な通信、防衛、コンピューティング、金融サービスなど、多くの分野に多大な影響を与えると予想されている。
https://www.ukri.org/news/uk-and-canada-launch-world-first-programme-of-quantum-technologies/
(UKRI記事) 元記事公開日: 2020/11/6
~英国:「未来の飛行チャレンジ」が英国の48のプロジェクトに3,350万ポンドを投資~UK to lead the way in the future of aviation
「産業戦略チャレンジ基金」が資金を提供し、英国研究・イノベーション機構(UKRI)が実施する、「未来の飛行チャレンジ」プログラムが、航空の次の革命を始動させるために、英国の48のプロジェクトに3,350万ポンドを投資する。11月9日、700万ポンドを超える資金を受け取る最初の20のプロジェクトが発表された。これらは、英国を次の航空革命を発展させるための原動力とすることを目的としており、COVID-19医薬品を遠隔地に届けるためのドローンの活用や、インフラや建設現場の遠隔検査を可能にする技術を対象としている。また、英国の並外れた航空安全記録を維持し、実用的で統合されたソリューションの提供を確保するために、重要なインフラと航空交通管制の課題に取り組む。
https://www.ukri.org/news/uk-to-lead-the-way-in-the-future-of-aviation/
(UKRI記事) 元記事公開日: 2020/11/9
~米国の温室効果ガス排出量は、好調な経済下で、減少を継続~Greenhouse Gas Emissions Continue to Decline as the American Economy Flourishes Under the Trump Administration
米国環境保護庁(EPA)は、EPAの「温室効果ガス報告プログラム」(GHGRP)に基づいて収集された2019年度の温室効果ガス(GHG)データを公表した。これらのデータは、2018年から2019年にかけて、大規模施設からのGHG排出量が5%近く減少したことを示している。2011年から2019年にかけては、14%以上減少しており、特に発電所の排出量は25%減少した。本年はデータ収集開始から10年目にあたり、EPAは議会の指示に従い、主要な産業の排出源から、施設レベルの年間排出量のデータを毎年収集している。ウィーラーEPA長官は「過去4年間で、儀式的で恣意的な合意に固執する国際的な競合国よりも、米国はGHG排出量を削減するために多くの取り組みを行ってきた」と語った。
https://www.epa.gov/newsreleases/greenhouse-gas-emissions-continue-decline-american-economy-flourishes-under-trump-0
(EPA記事) 元記事公開日: 2020/11/9
~ドイツ:コロナワクチン開発の最新状況~Coronavirus: Das ist der Stand bei der Impfstoff-Entwicklung
世界中で新型コロナワクチンの開発研究が進行している。世界保健機関(WHO)によると、全世界で200を超えるワクチン開発が開始され、現在47のワクチン候補が臨床試験中で(フェーズ1〜3)、155が前臨床試験段階にある。これらの研究所と企業には、ドイツ企業のバイオエヌテック社(BioNTech)とキュアバック社(CureVac AG)、およびドイツ感染症研究センター(DZIF)とIDT Biologika社が含まれている。BioNTech社とCureVac社はすでにヒトでの臨床試験を開始している。ワクチン研究は「感染症流行対策イノベーション連合」(CEPI)によって推進されており、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)も関与している。ドイツは本年度のCEPIへの拠出額を1億4,000万ユーロ増やし、来年度はさらに9,000万ユーロを提供する予定。
https://www.bmbf.de/de/corona-das-ist-der-stand-bei-der-impfstoff-entwicklung-11152.html
(BMBF記事) 元記事公開日: 2020/11/10
~米国:DARPAが蚊の媒介する疾病から兵士を守るために、ヒト皮膚マイクロバイオーム研究を推進~DARPA Selects Teams to Modify Skin Microbiome for Disease Prevention
米国微生物学会(ASM)は、人体には何兆もの微生物が住んでおり、それがヒトマイクロバイオームを構成していると推定している。ヒト皮膚マイクロバイオーム(HSM)は、人間と外部環境との間のバリアとして機能し、感染から人間を保護するが、蚊を引き付ける分子を生成する可能性もある。蚊は、ジカ熱やデング熱などの疾病を引き起こす病原体を媒介するため、国防総省(DOD)は特に懸念している。ReVectorプログラムは、蚊の誘引や刺されることを減らすことで、蚊が媒介する病気への曝露を制限することにより、病気が蔓延している地域で活動する兵士の健康の維持を目指している。この概念を発展させるために、国防高等研究計画局(DARPA)は、スタンフォード大学とギンコ・バイオワークスの2つの組織にReVectorフェーズ1契約を授与した。
https://www.darpa.mil/news-events/2020-11-06
(DARPA記事) 元記事公開日:2020/11/6
~EU:「欧州職業技能週間2020」が開催される~European Vocational Skills Week: 'VET for Green and Digital Transitions'
「欧州職業技能週間2020」が、欧州連合(EU)全体で、11月9日から13日までデジタルで開催される。欧州委員会(EC)がドイツ連邦教育研究省(BMBF)と協力して開催するもので、今回が5回目となる。今回の焦点は、より高度な「職業教育訓練」(VET)(高等学校後のレベル)とグリーン移行・デジタル移行のためのVETスキルにある。デジタル学習プラットフォームの促進、生涯教育・継続教育の文化の確立、持続可能なVET体制の構築は、ECと議長国ドイツにとって重要な課題である。開催期間中、EUやその他の国々の様々な組織が仮想イベントや活動を主催し、若い学習者に充実したキャリアに必要な初期スキルを提供したり、大人が生涯を通じて既存のスキルをアップさせたり、新しいスキルを開発するための手段を提供する。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_20_2029
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2020/11/6
~EU:欧州議会とEU加盟国が次期長期予算と「次世代EU」(総額1.8兆ユーロ)に関して合意~EU budget: European Commission welcomes agreement on €1.8 trillion package to help build greener, more digital and more resilient Europe
欧州委員会(EC)は、欧州の次期長期予算および、一時的な復興措置である「次世代EU」(Next Generation EU)に関する理事会での、欧州議会(EP)とEU加盟国との間の合意を歓迎する。採択されると、総額1.8兆ユーロのパッケージとなり、EU予算を通じて資金提供される最大のパッケージとなる。COVID-19後の、より環境に優しく、よりデジタルで、より回復力があり、現在および将来の課題に対応した欧州の復興に役立つものである。次のステップでは、承認された複数年次財政枠組(MFF)規制と機関間協定を、それぞれの役割と手続きに沿って、EPと理事会によって正式に採択することが要求される。並行して、部門別の法律制定や独自財源決定など、パッケージのその他のすべての要素の最終的な採択に向けて作業を継続する必要がある。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_2073
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2020/11/10