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2020年08月27日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (8月20日~8月26日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:8月20日~8月26日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~英国:DASAが2019/2020年度レビュー報告書を発表、245件の提案に4,200万ポンドを投資~DASA fast-tracks 245 innovations with £42m boost to business in record year
国防・安全保障促進機構(DASA)が発行した2019/2020年度の年次レビュー報告書によると、DASAは過去1年間において、一日に3件以上の提案を迅速に評価し(1,172件/年)、245件の革新的技術や新規解決策提案を資金支援し、新興企業、中小企業、産業界、学会に4,280万ポンドを投資した(助成契約の55%は中小企業向け)。革新的なアイデアで軍と国家安全保障に変化をもたらすことに重点を置いており、報告書は、自律システム、ドローン編隊、データなど、すでに成果が出ているいくつかのプロジェクトの成功事例をハイライトしている。また過年度の重要な教訓やDASAが取るべき次のステップについても特定している。
https://www.gov.uk/government/news/dasa-fast-tracks-245-innovations-with-42m-boost-to-business-in-record-year
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/8/21
~英国の賃金を上昇させ、生活レベルを向上させる研究に3,700万ポンドの投資~New productivity institute part of £37m investment to boost UK wage growth and living standards
マンチェスター大学に拠点を置く新しい最先端の生産性研究所は、政府および業界から3,200万ポンドの資金支援を受けて、生産性を向上させ、賃金を上昇させ、英国全体の経済回復支援方法に関する研究を推進する。英国の主要機関の40人以上の研究者が政策立案者や企業と直接協力して、英国の生産性レベルおよび生産性に影響を与える課題について調査し、成長を引き出し、雇用を創出するための主要な政策を特定する。またロンドン大学経済学部を500万ポンドで支援することにより、英国の最も革新的な製品、サービス、技術を経済全体に均等に分配する方法を特定する。
https://www.gov.uk/government/news/new-productivity-institute-part-of-37m-investment-to-boost-uk-wage-growth-and-living-standards
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/8/21
~英国:UKRIの大学院教育課程奨学金が、留学生に開放される~UKRI-funded postgraduate programmes to open to international students
英国研究・イノベーション機構(UKRI)は、2021/22学年度の初めから、UKRIが資金提供する大学院教育課程の奨学金が、留学生に開放されると発表した。更新された資格基準は、英国が世界中から才能を引き寄せることを保証するものである。博士課程の留学生は英国の研究システムで貴重な役割を果たし、スキル、アイデア、ネットワークで貢献している。UKRIが資金支援する全ての博士課程の学生は、生活費支援のための奨学金と、研究機関の費用の両方において、完全な助成の対象となる。更新の詳細は本年後半に、大学や研究機関に通知され、2021年8月学期から実施される。尚、過年度に課程を開始しているUKRI支援学生は、この発表の影響を受けない。
https://www.ukri.org/news/ukri-funded-postgraduate-programmes-to-open-to-international-students/
(UKRI記事) 元記事公開日: 2020/8/20
~ドイツ:BMBFが革新的技術を装備した新しい沿岸調査船「ウトホルン」を建造~Neubau des Forschungsschiffes „Uthörn" verbindet Innovatives mit Bewährtem
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は1,445万ユーロを投資して、アルフレッド・ヴェーゲナー研究所(AWI)の新しい沿岸調査船「ウトホルン」(Uthörn)を建造する。ニーダーザクセン州ベルネのファスマー造船所で建造されるもので、環境に優しく持続可能なメタノールで駆動するドイツで最初の研究船となる。主な活動海域は北海で、ヘルゴラント島のAWI基地の周辺海域を重点に調査する。科学者たちは、海水を採取して、栄養素や塩分、濁度や海水の温度などを調査する。「ウトホルン」により、北海で40年間継続している長期間の観測を、今後も確実に継続することができる。
https://www.bmbf.de/de/neubau-des-forschungsschiffes-uthoern-verbindet-innovatives-mit-bewaehrtem-12357.html
(BMBF記事) 元記事公開日: 2020/8/21
~米国:DOEがエネルギー公平性アンバサダーとチャンピオンを発表~Department of Energy Announces Equity in Energy Ambassadors and Champions
米国エネルギー省(DOE)は、「エネルギー公平性」(Equity in Energy)の「アンバサダー」と「チャンピオン」の最初のリストを発表した。アンバサダーは学界、エネルギー企業、地域の組織の著名人たちであり、エネルギー公平性に関する最新情報を彼等のネットワークで共有し、関連イベントに参加し、エネルギー多様性の重要性について意見を述べる。チャンピオンはDOEの幹部たちであり、ポートフォリオを評価して、アウトリーチ、サポート、および全ての人々が利用できるようにするためにあらゆる可能な対策が講じられていることを確保する任務を担っている。DOEの経済的影響多様性局(ED)は、少数民族、女性、退役軍人等のエネルギー関連職等への参加率を拡大させるために、「エネルギー公平性」イニシアチブを立ち上げた。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-announces-equity-energy-ambassadors-and-champions
(DOE記事) 元記事公開日: 2020/8/20
~米国:DOEが希土類元素(レアアース)の研究に2,000万ドルを投資~DOE Awards $20 Million for Research on Rare Earth Elements
米国エネルギー省(DOE)は、米国での希土類元素の安定供給の確保を目的とした基礎研究に2,000万ドルを投資すると発表した。希土類元素は幅広い技術に極めて重要であり、エネルギー、経済、および米国の安全保障にとって不可欠である。研究は、元素の使用と、地質源・リサイクル源からの抽出の両方の効率の改善に焦点を当てる。また、類似またはより優れた特性を持つ代替材料を発見することにより、希土類元素への依存度を減らすことを目指す。研究はDOEの5つの国立研究所のチームが主導し、DOE研究所のほか大学の研究者が参加する。5つのチームへの助成総額は3年間で2,000万ドル、2020会計年度には最大670万ドルが提供される予定。
https://www.energy.gov/articles/doe-awards-20-million-research-rare-earth-elements
(DOE記事) 元記事公開日:2020/8/25
~米国:DOEが(炭素中立ハイブリッド型)電動航空機開発のために3,300万ドルを投資~Department of Energy Announces $33 Million in Funding for Carbon Neutral Hybrid Electric Aviation
米国エネルギー省(DOE)は、エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)のASCENDおよびREEACH プログラムの一環として、17のプロジェクトに3,300万ドルを投資すると発表した。ASCENDプロジェクトは、先進的な熱管理システムを備えた、革新的・軽量・超効率的全電動式パワートレイン(一連の動力伝達機構)システムの開発に取り組む。REEACHプロジェクトは、電動航空機用の革新的で費用効果の高い、高性能の電力貯蔵・発電サブシステムを開発するもので、燃料から電力への変換技術に焦点を当てる。どちらのプログラムも、民間航空機推進システムのエネルギー使用量と関連する炭素排出量の削減を目指している。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-announces-33-million-funding-carbon-neutral-hybrid-electric-aviation
(DOE記事) 元記事公開日:2020/8/26
~EU:ECがコロナワクチンの購入に関して、5番目のワクチン開発会社と交渉~Coronavirus: Commission expands talks to a fifth vaccine manufacturer
欧州委員会(EC)はCOVID-19の潜在的なワクチン購入に関して、モデルナ社と予備交渉を行った。同社は、8月14日のアストラゼネカ社との事前購入契約の締結に加えて、7月31日のグラクソ・スミスクライン社(GSK )/ サノフィパスツール(Sanofi Pasteur)、8月13日のジョンソン・エンド・ジョンソン社、8月18日のキュアバック社(CureVac AG)に続いて、5番目に予備交渉を行った企業である。同社のワクチンがCOVID-19に対して安全で効果的であることが証明された場合、ECは全てのEU加盟国を代表して、最初に8,000万回分を購入し、さらに最大8,000万回分を追加購入できるオプションを備えた契約枠組みを締結する見込みである。ECは他のワクチン製造業者とも集中的に協議を進めていく。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_1513
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2020/8/24
~米国:トランプ政権が未来産業を前進させるために、研究機関に10億ドルの投資~The Trump Administration Is Investing $1 Billion in Research Institutes to Advance Industries of the Future
ホワイトハウス、国立科学財団(NSF)、およびエネルギー省(DOE)は、全米に12の新しい人工知能(AI)および量子情報科学(QIS)に関する研究開発(R&D)機関を設立するために、10億ドルを超える投資を行うと発表した。NSFのAI研究所とDOEのQIS研究センターは、AI、QIS、5G通信、および今後数年間にわたり経済と安全保障を形成するその他の主要な新技術による未来産業のための国家的R&Dハブとして機能するもので、イノベーションを促進し、地域の経済成長を支援し、次世代の労働力を育成する。NSFは連邦パートナーと共に、7つのNSF主導AI研究機関に5年間で1億4,000万ドルを助成し、DOEはQIS研究センター設立のために、5つのセンターに5年間で最大6億2,500万ドルの助成を行う。
https://www.whitehouse.gov/articles/trump-administration-investing-1-billion-research-institutes-advance-industries-future/
(ホワイトハウス記事) 元記事公開日:2020/8/26