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2020年07月30日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (7月22日~7月29日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:7月22日~7月29日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~英国:原子力廃炉措置機構が原子力発電所の廃炉のイノベーションに関する新たな公募を開始~Innovative nuclear competition launch - are you ready for the challenge?
英国最古の原子力施設における放射性廃棄物を分別・分離するための革新的な方法を発見するために、390万ポンドの公募が開始される。原子力廃炉措置機構(NDA)は、Innovate UKと協力して、企業に対して課題についての新しいアイデアと革新的な方法の提出を求めている。これは廃炉のイノベーションに関する2番目の公募であり、最初の公募は2017年に実施され、最終的に2件がアイデアの実装に進んでいる。公募は8月17日に申請の受付が開始され、厳格な評価プロセスを経て、2021年2月に実現可能性調査のために複数のコンソーシアムが選出される。各々6万ポンドが授与され、その後、最優秀案に90万ポンドが授与され、最大15カ月間の設計・構築フェーズに進む。
https://www.gov.uk/government/news/innovative-nuclear-competition-launch-are-you-ready-for-the-challenge
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/7/27
~英国:COVID-19と民族性の関係を調査する6つの研究プロジェクトに430万ポンドの投資~Multimillion investment in six new research projects to investigate COVID-19
英国研究・イノベーション機構(UKRI)と国立衛生研究所(NIHR)は、COVID-19と民族性の関係に関する理解を深めるための新しい6つのプロジェクトに430万ポンドの資金を提供する。これらのプロジェクトでは、BAME(黒人、アジア人、少数民族)の背景を有する人々のCOVID-19による不均衡な死亡率を解明し、軽減することを目指している。BAMEの人々は、白人よりも約2倍COVID-19で死亡する可能性が高い。COVID-19がこれらの人々に不均衡な影響を与える理由に関する詳細なデータと共に、政策決定者に提言を行い、これらのグループの人々の健康を守るために必要な、基本的な証拠ベースの構築が緊急に必要である。
https://www.ukri.org/news/multimillion-investment-to-investigate-covid-19-and-ethnicity/
(UKRI記事) 元記事公開日: 2020/7/29
~ドイツ:連邦国家プログラム「教職課程の質向上」の中間報告、大学の教職課程の重要性~Karliczek: Wir wollen unsere Lehrkräfte fit für die Zukunft machen
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は、連邦国家プログラム「教職課程の質向上」の最初の資金調達フェーズの評価報告書を公開した。カルリチェク大臣は評価報告書に関して、「プログラムの最初の評価では、非常に良い中間報告を受けた。これは、大学の教職課程の重要性が大幅に高まっていること、また構造改革が管理レベルにまで及んでいることを示している。学校における教育の質向上のために、教師のトレーニングの開発を継続的に進める必要がある。連邦政府は、2015年から2023年まで、プログラムに最大5億ユーロを投資する。本年3月以降、トレーニングのデジタル化にも取り組んでおり、8,000万ユーロを投資している」と語った。
https://www.bmbf.de/de/karliczek-wir-wollen-unsere-lehrkraefte-fit-fuer-die-zukunft-machen-12197.html
(BMBF記事) 元記事公開日: 2020/7/27
~米国:DOEが粒子加速器に1,200万ドルの投資を発表~Department of Energy Announces $12 Million for Particle Accelerators for Science & Society
米国エネルギー省(DOE)は、粒子加速器の科学技術に関する高度研究プロジェクトに1,200万ドルを投資すると発表した。12の研究プロジェクトに、8つの大学、10の国立研究所、および5つの企業を含む米国の23の機関の科学者が参加し、医療、産業、およびセキュリティへの加速器技術の応用における最も困難な問題のいくつかを解決するために共同で取り組む。プロジェクトには、がん治療用の加速器、工業規模の加速器、小型超伝導加速器の開発のほか、超高速レーザーの出力向上などの取り組みが含まれる。大学や業界の研究者がDOE国立研究所にアクセスして、加速器用の新しいタイプの電子源の研究を行うこともできる。助成総額は1,200万ドル、期間は最大3年間、2020年は500万ドルが提供される。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-announces-12-million-particle-accelerators-science-society
(DOE記事) 元記事公開日: 2020/7/22
~米国:DOEが量子インターネット開発のための戦略の青写真を公表~U.S. Department of Energy Unveils Blueprint for the Quantum Internet at 'Launch to the Future: Quantum Internet' Event
米国エネルギー省(DOE)は、国家量子インターネット開発のための戦略の青写真を提示する報告書を公表した。本年2月に、DOE国立研究所、大学、および産業界がニューヨーク市で会合し、国家量子インターネット戦略の青写真を策定し、達成すべき重要な研究を提示し、エンジニアリングと設計の障壁を説明し、短期的目標を定めた。量子インターネット構築のための重要なステップは既に進行しており、2月にDOEのアルゴンヌ国立研究所とシカゴ大学の科学者たちは、シカゴ郊外の52マイルの「量子ループ」で光子を絡ませ、世界最長の陸上量子ネットワークの1つを成功させた。このネットワークはまもなくイリノイ州バタビアのDOEフェルミ研究所に接続され、3ノードの80マイルのテストベッドが完成する。
https://www.energy.gov/articles/us-department-energy-unveils-blueprint-quantum-internet-launch-future-quantum-internet
(DOE記事) 元記事公開日: 2020/7/23
~米国:DOEがバイオエネルギー原料作物の研究に6,800万ドルを投資~Department of Energy to Provide $68 Million for Bioenergy Crop Research
米国エネルギー省(DOE)は、バイオエネルギー原料作物の生産性と回復力の向上を目的とした基礎研究に、5年間で6,800万ドルの資金を投入すると発表した。DOE科学局長のクリス・フォール博士は「持続可能なバイオエネルギー生産のための重要な要件の1つは、従来は食料栽培に適していないとされた辺境地で栽培できる原料作物である。この研究は、ストレスの多い環境での作物の生産性と生存性の向上に繋がる分子メカニズムを理解するのに役立つ」と述べた。研究は、ソルガム、ペニークレス、ポプラなど、一般的なバイオエネルギー原料を対象として、作物、土壌、土壌微生物間の複雑な相互作用に焦点を当てる。2020年度は1,300万ドルの投資。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-provide-68-million-bioenergy-crop-research
(DOE記事) 元記事公開日:2020/7/28
~米国:DOEが人工光合成研究に5年間で1億ドルを投資すると発表~Department of Energy Announces $100 Million for Artificial Photosynthesis Research
米国エネルギー省(DOE)は、太陽光から燃料を生産するための、人工光合成の進歩に焦点を当てた2つの新しい取り組みに対して、5年間で1億ドルを投資すると発表した。The Liquid Sunlight Alliance(LiSA)は、カリフォルニア工科大学がローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)と連携して、多くの複雑なステップをより効率化する取り組みである「共同設計(co-design)」と呼ばれるアプローチを追求する。ノースカロライナ大学が率いるThe Center for Hybrid Approaches in Solar Energy to Liquid Fuels(CHASE)は、光吸収用の半導体と分子触媒を組み合わせた燃料生産用のハイブリッド光電極の開発を目指す。2020年度は2,000万ドルを投資。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-announces-100-million-artificial-photosynthesis-research
(DOE記事) 元記事公開日:2020/7/29
~EU加盟国が5Gの安全性に関する「共同EUツールボックス」の実施状況報告書を公表~5G security: Member States report on progress on implementing the EU toolbox and strengthening safety measures
EU加盟国は、サイバー攻撃からの緩和措置(mitigating measures)である「共同EUツールボックス」の実施状況に関する報告書を公表した。これは、2020年1月に加盟国がリスク緩和策としてEUツールボックスを採択し、欧州委員会が2020年6月30日までにその実施に関する報告書の作成を加盟国に求めたことによる。報告書では国家レベルで実施したツールボックス対策の進捗状況を分析している。いくつかの措置について良好な進展が見られたものの、十分に進んでいない対策も指摘されており、改善策が提案されている。報告書は、今後について、ツールボックス対策を実施するための課題や、ベストプラクティス、解決策に関する情報の交換、ツールボックスの実装の監視と評価の継続などを勧告している。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_1378
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2020/7/24
~ITERの組み立て開始を祝う式典が開催された~ITER ceremony marks start of the assembly phase
7月28日にITER(国際熱核融合実験炉)の正式な組立開始を祝う式典が、フランスのマクロン大統領とITERのベルナール・ビゴ機構長の共催により開催された。10年以上にわたる設計、製造、建設を経て、ITERデバイスが組立段階に入る。5月26日最初の主要なコンポーネントが設置され、今後数年間にトカマク・ピットに設置される数多くのコンポーネントの最初となった。大型コンポーネントは世界中から出荷されており、3,000人の強力な組み立てチームによる設置を待っている。EU(欧州連合)のカドリ・シムソン、エネルギー担当委員は、この段階に到達することによって示された技術的協力の成果と、この困難な時代にあって、全ての加盟国によるITERへのコミットメントの強化の必要性について強調した。
https://ec.europa.eu/info/news/iter-ceremony-marks-start-assembly-phase-2020-jul-28_en
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2020/7/28