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2020年07月16日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (7月9日~7月15日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:7月9日~7月15日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~米国:AAAS のCEOが米国のイノベーションと回復促進のため、研究開発投資の増加を要請~AAAS CEO Calls for Federal R&D to Fuel U.S. Innovation and Recovery
米国科学振興協会(AAAS)のスディプ・パリークCEOが、下院予算委員会の公聴会、「米国のイノベーションと回復を加速する」(Fueling American Innovation and Recovery)、に専門家証人として出席し、提言を行った。連邦政府による科学研究への長期投資の枠組みの更新、国家が直面する危機に対する連邦政府の対応の効果的な調整の確保、科学と国家の政策決定における人種的平等を推進するための科学的証拠の提供の公約などが提言の中心で、政府による長期投資の枠組みについては、更新して新しい枠組みの構築が必要であるとしている。米国の研究開発投資の対GDP比率は、競合する9か国を下回っており、科学、技術、イノベーションで競争していくためには更なる投資が必要であると訴えた。
https://www.aaas.org/news/aaas-ceo-calls-federal-rd-fuel-us-innovation-and-recovery
(AAAS記事) 元記事公開日: 2020/7/13
~英国政府が次世代の新型モジュール式原子炉開発に4,000万ポンドを投資~£40 million to kick start next-gen nuclear technology
英国政府は次世代の原子力エネルギー技術を開発するために4,000万ポンドを投資すると発表した。これにより研究開発や製造において、数千人規模の新規雇用が創出される。3,000万ポンドはオックスフォードシャー、チェシャー、ランカシャーの3つの新型モジュール式原子炉(AMR)プロジェクトに投資される。これらのAMRは、従来の原子力発電所よりもはるかに小さく、核反応で発生する強烈な熱を利用して、低炭素電力を発電する。サイズが小さいため、遠隔地で使用することができ、小さな村から中規模の都市まで十分な電力を供給することができる。残りの1,000万ポンドは、より小規模な研究、設計、製造プロジェクトに投資され、最大200人の雇用が創出される。
https://www.gov.uk/government/news/40-million-to-kick-start-next-gen-nuclear-technology
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/7/7
~英国宇宙庁、ESA、DCMSが共同で5Gの活用に関する提案公募を開始~UK Space Agency, European Space Agency and DCMS open call for proposals on 5G and space
英国宇宙庁、欧州宇宙機関(ESA)、および英国デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は共同で、5Gの地上および宇宙技術を利用して、鉄道から港湾まで、DPD(国際小包配達サービス)からAmazonまで、英国のロジスティクス・ビジネスをサポートする方法に関する提案公募を開始した。この提案公募は、ロジスティクス部門から開始して、革新的な5Gソリューションに依存する持続可能なアプリケーションの出現を刺激することを目的としている。2019年12月のESAとDCMSの覚書に従い、5Gの地上と宇宙の統合ネットワークの展開により可能となる商業製品とサービスの出現をサポートするように設計されている。
https://www.gov.uk/government/news/uk-space-agency-european-space-agency-and-dcms-open-call-for-proposals-on-5g-and-space
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/7/9
~英国:Dstlが調査報告書「量子情報処理の展望2020:英国の防衛と安全保障の展望」を発行~Dstl forecasts future quantum landscape for UK defence and security
国防科学技術研究所(Dstl)が国防省(MOD)に代わり、英国戦略指令部(UK Strategic Command)と共同で発表した調査報告書、「量子情報処理の展望2020:英国の防衛と安全保障の展望」、によると、量子技術を採用することで、軍事指揮官による意思決定のスピード、精度、およびプリエンプションの強化が可能となる。量子ニューラルネットを使用して、量子情報処理(QIP)を実行し、アーカイブを検索し、ほぼリアルタイムでデータフィードを行い、関心のある機能を自動的に探し、異常と変化事例を検出する方法について説明している。報告書は、産業界や学界を含む防衛コミュニティからの意見やコメントを求めており、レビュー後に最終版が発行される。
https://www.gov.uk/government/news/dstl-forecasts-future-quantum-landscape-for-uk-defence-and-security
(DSTL記事) 元記事公開日: 2020/7/10
~フランス:cOAlition Sが研究者の知的所有権を保護し、不当な公開猶予期間を抑制する「権利保持戦略」を策定~cOAlition S develops "Rights Retention Strategy" to safeguard researchers' intellectual ownership rights and suppress unreasonable embargo periods
cOAlition S (研究助成機関の国際的コンソーシアム)が研究者の知的所有権を保護し、出版社による不当な公開猶予期間(embargo period)を抑制するための「権利保持戦略」(Right Retention Strategy)を策定した。これは、出版社と著者との独占的出版契約に由来する問題に対処するもので、cOAlition Sの資金提供を受けた研究者は、ジャーナルを選択してその研究成果を公開し、Plan Sに準拠してオープンアクセスで提供できるようになる。完全かつ即時のオープンアクセスを実現する方法の1つは、リポジトリを経由することである。この場合、著者最終稿(AAM)は、クリエイティブコモンズ表示(CC BY)ライセンスまたは同等のライセンスの下で、公開猶予なしに公開できる。
https://anr.fr/en/latest-news/read/news/coalition-s-develops-rights-retention-strategy-to-safeguard-researchers-intellectual-ownership-r/
(ANR記事) 元記事公開日: 2020/7/15
~米国:DOEが「柔軟炭素回収貯留」(FLECCS)プログラムに1,150万ドルを投資~U.S. Department of Energy Announces $11.5 Million funding for FLExible Carbon Capture and Storage (FLECCS) program.
米国エネルギー省(DOE)は、エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)の「柔軟炭素回収貯留」(FLECCS)プログラムのフェーズ1の一環として、12のプロジェクトに1,150万ドルの資金を提供すると発表した。FLECCSプロジェクトチームは、炭素回収貯留(CCS)プロセスを開発して、天然ガス発電機などの技術が、変動性再生可能エネルギー(VRE)が高度に浸透した環境下でのグリッド状況に適切に対応できるようにする。既存の発電機のCCS改良だけでなく、天然ガスやバイオガスなどの、化石燃料を取り込むグリーンフィールド(新規導入)システムも開発する。
https://www.energy.gov/articles/us-department-energy-announces-115-million-funding-flexible-carbon-capture-and-storage
(DOE記事) 元記事公開日:2020/7/13
~米国:DOEが1億1,600万ドルの中小企業研究開発助成金を発表~U.S. Department of Energy Announces $116 Million for Small Business Research and Development Grants
米国エネルギー省(DOE)は31州の92の中小企業に総額1億1,600万ドルの105件の助成金を授与すると発表した。中小企業イノベーション研究(SBIR)・中小企業技術移転(STTR)プログラムを通じて資金提供されるもので、今回はフェーズIIの研究開発(R&D)を対象としている。フェーズIでイノベーションの技術的実現可能性を実証した中小企業が、フェーズIIのプロトタイプまたはプロセスの開発資金獲得のために競争した。フェーズII助成金の平均は2年間で110万ドル。中小企業は、イノベーション創出や雇用創出で大きな役割を果たしており、SBIR・STTRプログラムは、中小企業を活用して連邦機関のイノベーションを推進するために議会によって設立された。
https://www.energy.gov/articles/us-department-energy-announces-116-million-small-business-research-and-development-grants
(DOE記事) 元記事公開日:2020/7/14
~米国:DOEが新しい大気研究のために1,900万ドルの投資~Department of Energy Announces $19 Million for New Atmospheric Research
米国エネルギー省(DOE)は、大気科学の31の新しいプロジェクトに1,900万ドルの資金を提供すると発表した。気象と気候を予測する地球システムモデルの能力向上を目指すもので、選択されたプロジェクトは、雲とエアロゾル(雲の形成に寄与する小さな粒子)間の相互作用、南北の高緯度地域における大気プロセス、大気データを研究者にとってより使い易くするための新しいデータ製品の開発など、幅広い大気科学のテーマを網羅している。そこでのデータと分析は、強力なスーパーコンピューターが実行する環境プロセスの大規模シミュレーションである地球システムモデルの改善に役立つ。資金支援の総額は1,900万ドル、期間は3年間。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-announces-19-million-new-atmospheric-research
(DOE記事) 元記事公開日:2020/7/15
~EU:ECが将来のコロナウイルス・アウトブレイクに対する備えを強化~Coronavirus: Commission strengthens preparedness for future outbreaks
欧州委員会(EC)は、COVID-19アウトブレイクに対するEUの保健衛生の備えを強化するための即時短期的措置を提示した。ECと加盟国による継続的な警戒と迅速対応は、ウイルス拡散を確実に封じ込め、新たなロックダウンを回避するために不可欠である。提示では検査と連絡先の追跡、公衆衛生監視の改善、(個人用保護具、医薬品、医療機器などの)医療対策へのアクセスの拡大など、準備強化のために必要な全ての活動に焦点を当てている。また医療サージ能力、非医薬品対策、少数民族や脆弱な人々へのサポート、季節性インフルエンザの負担を軽減するための活動も含まれている。そのほか、国家当局、EC、EU機関のためのいくつかの優先行動を提示している。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_1340
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2020/7/15