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2020年07月09日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (7月2日~7月8日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:7月2日~7月8日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~英国の宇宙技術プロジェクトに最大7万5,000ポンドの政府支援~Up to £75,000 available for UK space technology projects
英国政府は、英国宇宙セクターに最大7万5,000ポンドを助成して、新しい商用技術の開発や、それらを市場に近づけるための取り組みを支援する。宇宙セクターは、毎年148億ポンドの収入を生み出しており、英国宇宙庁は、宇宙業界がコロナウイルス・パンデミックから力強く回復することを確保するために、産業界や学会と密接に協力する。公募は国家宇宙技術プログラム(NSTP)の一環で実施されるもので、商用機器を開発したり、破壊的なアイデアを試験する革新的な6か月プロジェクトを求めている。宇宙技術の「技術成熟度レベル」(TRL)を向上させ、産業界と学界間の協力を促進し、宇宙セクターへの新規参入を奨励することを目指している。
https://www.gov.uk/government/news/up-to-75000-available-for-uk-space-technology-projects
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/7/2
~英国:生命を脅かすがん等の疾病の早期診断を支援する政府プロジェクト~Government backed projects to speed up life-saving cancer diagnoses
英国政府や慈善団体からの1,600万ポンドの資金提供により、癌やクローン病などの生命を脅かす可能性のある病気について、患者は早期により正確な診断を受けることができるようになる。政府は、英国で最も革新的な6つの専門医療プロジェクトを資金支援する。人工知能(AI)を含む最も破壊的な技術を利用して、より正確な医療ソリューションを開発することで、いくつかの最も深刻で潜在的に致命的な病気の早期発見と診断を可能にする。プロジェクトには、オックスフォード大学が主導する肺癌患者の生存率改善や、新興テクノロジー企業Motilent社が主導するクローン病をより効果的に治療するための医療ソリューション等がある。
https://www.gov.uk/government/news/government-backed-projects-to-speed-up-life-saving-cancer-diagnoses
(GOV.UK記事) 元記事公開日: 2020/7/3
~英国:UKRIとNIHRがCOVID-19の健康への長期的な影響に関する世界をリードする研究を支援~World-leading study into long-term health impacts of COVID-19 launched by UKRI and NIHR
英国研究・イノベーション機構(UKRI)と国立衛生研究所(NIHR)は、入院患者に対するコロナウイルスの長期的な身体的・精神的健康への影響に関する世界最大の研究の1つに840万ポンドの資金を提供すると発表した。この研究の成果は、COVID-19入院患者の治療とリハビリのための、より優れた手段の開発に役立つ。NIHRのレスター生物医学研究センターが率いる画期的な研究には、約1万人の患者が参加する。英国全土から研究に参加する患者は、血液や肺のサンプルについて高度なイメージング、データ収集、分析などの手法を使用して評価され、Covid-19が健康転帰に及ぼす長期的な影響に関する包括的な実体が明らかになる。
https://www.ukri.org/news/world-leading-study-into-long-term-health-impacts-of-covid-19-launched-by-ukri-and-nihr/
(UKRI記事) 元記事公開日: 2020/7/5
~英国製造業のサプライチェーン改革のためのデジタル技術の開発を目的とする新基金~New fund to develop digital innovation to revolutionise Britain's Manufacturing supply chains
Made Smarter (英国の製造業者の成長を促進し、英国経済を前進させるための全国的な運動)と英国研究・イノベーション機構(UKRI)は、英国の最も革新的な企業を結集させて、サプライチェーンの生産性と回復力を向上させる世界をリードするデジタル技術を開発するために、2つの資金調達公募を開始する。企業主導のコンソーシアムは、最大150万ポンドまでのプロジェクト資金を申請することができる。COVID危機により、サプライチェーンの脆弱性が明らかとなり、現在および将来において、サプライチェーンの可視性と回復力が重要となっている。人工知能(AI)などの優れた技術を導入したソリューションにより、不足、需要の急増等を予測することで、サプライチェーンの能力を向上させる。
https://www.ukri.org/news/new-fund-to-develop-digital-innovation-to-revolutionise-britains-manufacturing-supply-chains/
(UKRI記事) 元記事公開日: 2020/7/6
~ドイツ:カルリチェクBMBF大臣:職業訓練にさらなる革新が必要~Karliczek: Wir brauchen mehr Innovation in der beruflichen Bildung
連邦政府による競争公募「未来を形成するーInnoVET(革新的職業教育訓練プロジェクト)」は最終段階に達しており、公募の審査員たちは、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の資金支援の対象として、17件のプロジェクトを提案した。これに関して、カルリチェクBMBF大臣は、「職業訓練はドイツ経済の基礎であり、雇用市場であり、キャリア成功への出発点である。その維持のためには、職業訓練のさらなる革新が必要である。パンデミック後も、国際競争におけるドイツの優位な位置を確保し、イノベーション国としてトップの位置を維持したいと考えている。提案された優れたアイデアに4年間で8,000万ユーロの支援を行いたい」と語った。
https://www.bmbf.de/de/karliczek-wir-brauchen-mehr-innovation-in-der-beruflichen-bildung-12054.html
(BMBF記事) 元記事公開日: 2020/7/7
~フランス:防衛研究イノベーション:量子技術プロジェクトに関する新しいASTRID公募の開始~Recherche et innovation défense : lancement d'un nouvel appel à projets ASTRID sur les technologies quantiques
国立研究機構(ANR)と国防イノベーション庁(AID)は量子技術に焦点を当てたASTRIDプロジェクト公募を開始する。量子技術に関する研究は、破壊的な技術の出現を促進するために、政府、特にフランス政府にとって優先事項となっている。この分野の研究プロジェクトを支援するために、センサー、アルゴリズム、暗号化通信の3つの軸に関するテーマ別のASTRID公募が実施される。これらは、2011年にANRと軍事装備総局(DGA)が開始した2020年度ASTRID公募を補完するもので、ANRによって運営され、AIDが資金を提供する。プロジェクト期間は18〜36か月、支援額はプロジェクトあたり最大30万ユーロ。
https://anr.fr/en/latest-news/read/news/recherche-et-innovation-defense-lancement-dun-nouvel-appel-a-projets-astrid-sur-les-technologies/
(ANR記事) 元記事公開日:2020/7/6
~米国:DOEが高エネルギー物理学研究に1億3,200万ドルを投資~Department of Energy Announces $132 Million for High Energy Physics Research
米国エネルギー省(DOE)は、宇宙が最も基本的なレベルでどのように機能するかについての知識を進歩させるために、高エネルギー物理学の幅広いテーマに関する64の大学研究に1億3,200万ドルの資金を提供すると発表した。プロジェクトには、53の米国高等教育機関の科学者たちが参加し、ヒッグス粒子、ニュートリノ、ダークマター(暗黒物質)、ダークエネルギー等の実験的・理論的研究が含まれる。高エネルギー物理学は、米国の科学の取り組みの基礎となっており、最高の科学的才能を育成し、米国の科学的労働力の構築・維持に主要な役割を果たしている。プロジェクトは、最長4年間で、総額1億3,200万ドル。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-announces-132-million-high-energy-physics-research
(DOE記事) 元記事公開日:2020/7/6
~欧州委員会が革新的なクリーン技術プロジェクトに10億ユーロを投資~Boosting the EU's green recovery: Commission invests €1 billion in innovative clean technology projects
欧州委員会(EC)は、革新的な低炭素技術の実証を支援する世界最大のプログラムの1つである「イノベーション基金」の下での最初の公募を開始する。この基金は、EUの排出量取引システムの排出枠のオークションからの収入を財源としており、再生可能エネルギー、エネルギー集約型産業、エネルギー貯蔵、炭素の回収、使用、貯蔵のための画期的な技術に資金を提供している。公募は、大規模なクリーン技術プロジェクトに10億ユーロの助成金を提供して、商業化と大規模な実証におけるリスクの克服を支援する。まだ市場導入されていない有望プロジェクトについては、その展開の支援のために800万ユーロの予算が別途用意されている。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_1250
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2020/7/3
~欧州委員会が「EUエネルギーシステム統合戦略」と「EU水素戦略」を採択~Powering a climate-neutral economy: Commission sets out plans for the energy system of the future and clean hydrogen
2050年までに気候中立を達成するために、欧州はEU温室効果ガス排出の75%を占めるエネルギーシステムを変革する必要がある。7月8日欧州委員会(EC)はエネルギーシステム統合と水素に関するEU戦略を採択した。EUエネルギーシステム統合戦略は、グリーンエネルギー転換に向けた枠組みを提供するもので、様々なセクター間をリンクして、新しい柔軟なシステムを構築し、エネルギーの効率向上と社会コストの低減を目指す。水素は欧州全体の産業、輸送、発電、建物の脱炭素化を支援することができる。EU水素戦略では、投資、規制、市場の創出、研究やイノベーションを通じて、この潜在力を現実に変える方法に取り組んでいる。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_1259
(欧州委員会記事) 元記事公開日:2020/7/8