トピックス

2020年03月19日

【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学　海外情報　（3月12日～3月18日）

CRDS－研究開発戦略センター

「政策の科学」関連　海外情報　　期間：3月12日～3月18日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。（文責：CRDS科学技術イノベ－ション政策ユニット）

～EU：ECがコロナウイルスのワクチンを開発しているドイツの製薬会社に最大8,000万ユーロの財政支援～EU offers up to €80M support for German COVID-19 vaccine developer reportedly pursued by Trump
欧州委員会（EC）は、COVID-19ワクチンを開発中のドイツの製薬会社、キュアバック社（CureVac AG）に最大8,000万ユーロの財政支援を提供すると約束した。これはトランプ大統領が同社で開発中のワクチンの独占権を確保しようとしているというニュースを受けて出されたものである。フォンデアライエン委員長は「ワクチンの開発と生産を迅速に拡大するために必要な資金をキュアバック社に提供することを決意した。彼らのワクチンは、欧州をはじめ、すべての人々に利益をもたらすものである」と述べた。尚、キュアバック社は米国政府の介入を強く否定している。
https://sciencebusiness.net/news/eu-offers-eu80m-support-german-covid-19-vaccine-developer-reportedly-pursued-trump
(Science|Business記事）　元記事公開日：2020/3/17

～米国：EPAが新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の消毒剤リストを拡大～EPA Expands COVID-19 Disinfectant List
米国環境保護庁（EPA）は、COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2に対する使用認可を受けたEPAの登録消毒剤製品の拡張リストをリリースした。リストには、EPAの「迅速審査プロセス」で承認された40の新製品を含む、約200の追加製品が含まれている。これらの消毒剤製品は、SARS-CoV-2に対して具体的にテストされてはいないが、死滅させるのがより困難なウイルスまたはSARS-CoV-2に類似した別のコロナウイルスで試験され、有効であることが証明されているため、SARS-CoV-2に対しても有効であるとされている。
https://www.epa.gov/newsreleases/epa-expands-covid-19-disinfectant-list
(EPA記事）　元記事公開日：2020/3/13

～米国：DOEがプラスチックリサイクルの研究開発に2,500万ドルを投資～Department of Energy Announces $25 Million for Plastics Recycling R&D, Launches Upcycling Consortium
米国エネルギー省（DOE）は、プラスチックリサイクルの研究開発のために最大2,500万ドルを投資すると発表した。 DOEのエネルギー効率・再生可能エネルギー局（EERE）内の2つの局が、BOTTLE（熱可塑性プラスチックを埋立地や環境から遠ざけておくためのバイオ最適化技術）と題した提案公募（FOA）を共同で開始した。最大2,500万ドルの資金により、効率的なリサイクルが可能な新しいプラスチックの開発や、既存のプラスチックを分解して、より価値の高い製品を製造するために使用できる化学的成分に変えるためのリサイクル戦略の策定を支援する。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-announces-25-million-plastics-recycling-rd-launches-upcycling-consortium　
(DOE記事）　元記事公開日：2020/3/16

～米国：DOEが科学研究のための強力な計算ツールと技術を開発する研究チームに6,000万ドルを投資～Department of Energy to Provide $60 Million for Science Computing Teams
米国エネルギー省（DOE）は、科学研究のための強力な新しい計算ツールと技術の開発を通じて、科学的発見を加速することを目的とした、学際的なチームを設立するために6,000万ドルを投資する計画を発表した。SciDACとして知られるこのプログラムは、コンピューターサイエンスと応用数学の専門家を特定の科学分野（高エネルギー核物理学、物性物理学、材料科学、化学、核融合エネルギー科学、地球システム研究など）の研究者と結び付けて、科学的な問題に取り組むための新しい高性能コンピューティング戦術を開発する。
https://www.energy.gov/articles/department-energy-provide-60-million-science-computing-teams
(DOE記事）　元記事公開日：2020/3/17

～米国：DARPAが高度ICの新しい光相互接続技術の開発に取り組む研究チームを発表～Researchers Selected to Pursue Photonic Signaling for Microelectronics System Scalability
国防高等研究計画局（DARPA）は、集積回路（IC）間の電気的相互接続のエネルギー効率とデータ帯域幅が、最新のチップ技術の進歩に追いついていないという課題に対処するために、光信号の利用をデータ転送に拡大し、高度IC内に高帯域幅のフォトニクスの配置を目的としたPIPESプログラムを創設した。このPIPESプログラムの下で、3つの研究分野に取り組む研究チームが発表された。最初の研究分野は、ASICやFPGA等の高度ICに組み込まれた高性能光入出力（I/O）技術の開発に焦点を当てるもので、ザイリンクス社とインテル社の2つの研究チームが取り組む。
https://www.darpa.mil/news-events/2020-03-16
(DARPA記事）　元記事公開日：2020/3/16

～EU：ECがコロナウイルスの社会経済的影響に対処するための即時対応策を発表～COVID-19: Commission sets out European coordinated response to counter the economic impact of the Coronavirus
欧州委員会（EC）は、コロナウイルスのアウトブレイクによる社会経済的影響を軽減するために、欧州の協調対応を中心とした、即時対応策を発表した。これには、コロナウイルスの発生で経済的困難に直面している市民や企業、特に中小企業を支援するための迅速かつ効果的な行動を可能とするEU国家援助（State aid）規則や、コロナウイルス関連の医療費支出等へのEU財政枠組みの柔軟適用、雇用への影響を緩和するための「欧州失業再保険制度」の法案作成加速、「コロナウイルス対応投資イニシアチブ」の370億ユーロの支出等が含まれている。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_20_459
(欧州議会記事）　元記事公開日：2020/3/13

～EU：ECがコロナウイルス対処のため、EU予算から370億ユーロを割り当て～Commission acts to make available 37 billion euro from the EU budget to address the Coronavirus
欧州委員会（EC）は、「コロナウイルス対応投資イニシアチブ」の下で、コロナウイルスの深刻な危機に対処するため、EU予算から370億ユーロを割り当てる。あらゆる可能な手段を行使して、資金の先払い、結束基金の予算振替等、最も必要なものにお金を支出できるようにする。約80億ユーロの流動性資金が加盟国で直ちに利用可能となり、優先対象となる支出は、優先加盟国のコロナウイルス関連医療費（病院設備、人工呼吸器、マスク等）、中小企業の運転資金支援、短期雇用スキームである。
https://ec.europa.eu/info/news/commission-acts-make-available-37-billion-euro-eu-budget-address-coronavirus-2020-mar-13_en
(欧州議会記事）　元記事公開日：2020/3/13

～EUがクリーン・エネルギー・インフラに9億8,000万ユーロの資金を提供～Energy Union: €980 million in EU funding available for clean energy infrastructure
欧州委員会（EC）は、国境を越えて大きな利益をもたらす主要な欧州エネルギー・インフラ・プロジェクトに9億8,000万ユーロの資金を提供する。これは政治的優先事項の一つである「グリーン・ディール」を実現するための重要な手段である。EUの資金は、欧州横断インフラのための欧州支援プログラムである「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティー（CEF）」から提供される。2020年度のCEFエネルギー公募は2020年5月27日締切。申請にはプロジェクトがEU の「共通利益プロジェクト（PCI）に指定される必要がある。
https://ec.europa.eu/info/news/energy-union-eu980-million-eu-funding-available-clean-energy-infrastructure-2020-mar-13_en
(欧州議会記事）　元記事公開日：2020/3/13

～米国：新型コロナウイルス・ワクチンのフェーズ1臨床試験を開始～NIH clinical trial of investigational vaccine for COVID-19 begins
新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の治験ワクチンを評価するフェーズ1の臨床試験が、シアトルのカイザー・パーマネンテ・ワシントン医療研究所（KPWHRI）で開始された。このワクチンはmRNA-1273と呼ばれ、国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の科学者と米国バイオテクノロジー企業のモデルナ社（Moderna）の共同研究者によって開発された。「感染症流行対策イノベーション連合」（CEPI）がその製造をサポートしている。試験では、18歳から55歳までの45人の健康な成人ボランティアが、約28日の間隔で2回の接種を受ける。
https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-clinical-trial-investigational-vaccine-covid-19-begins
(NIH記事）　元記事公開日：2020/3/16