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2019年12月12日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (12月5日~12月11日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:12月5日~12月11日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~EU:EIBがCOP25で気候変動に関する新しいポリシーと目標を提示~Scaling up ambition: EIB presents new policies and targets at #COP25
欧州投資銀行(EIB)は、COP 25国連気候変動会議において、EIBの新気候投資ロードマップと、化石燃料プロジェクトへの融資の段階的廃止の決定が、気候対策で国際的リーダーシップを目指す欧州連合(EU)をどのように支援できるかについて議論する。EIBのウェルナー・ホイヤー総裁は、「気候非常事態対応は我々の時代の政治的最重要課題であり、炭素中立な未来に向けて針路を変え、気候変動の影響による損害を制限する必要がある」と述べた。
https://sciencebusiness.net/network-updates/scaling-ambition-eib-presents-new-policies-and-targets-cop25
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/12/5
~EU:ECのフォンデアライエン委員長が大きなEU予算への支援を求める~Von der Leyen calls for bigger EU budget
欧州委員会(EC)のフォンデアライエン委員長は、欧州連合(EU)加盟国の首脳に対して、EUの野望に見合った大きなEU予算を支援するように求めている。同氏は、フィンランドのEU理事会議長が提案した、Horizon Europeの30億ユーロの予算削減を含む、EUの多年次財政枠組み(MFF)に対する予算削減提案を懸念している。EU首脳は12月12日にブリュッセルでこの削減提案について議論する。
https://sciencebusiness.net/framework-programmes/news/von-der-leyen-calls-bigger-eu-budget
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/12/5
~EU:EIT規制の改正により、イノベーション資金の地理的バランスを確保~Amendments to EIT regulation pave way for geographical balance of innovation funding
欧州議会議員たちは、欧州イノベーション工科大学院(EIT)が貧しい地域の新しいパートナーに対して、より開放されるべきであり、評価基準の卓越性に関する過度の集中を避けるべきと主張している。EU加盟国は、地域のイノベーションスキームを活用して、業績が低い国のイノベーション能力を高め、EITの官民コンソーシアムである知識・イノベーションコミュニティ(KIC)に新しいパートナーを選出することに同意した。EIT法案は2020年に欧州議会で成立の見込み。
https://sciencebusiness.net/framework-programmes/news/amendments-eit-regulation-pave-way-geographical-balance-innovation
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/12/5
~英国:ラボの炭素排出量削減のための取り組み~Help for Imperial labs to address their carbon footprint
2019年の初めに、4つのインペリアル・ラボ(インペリアル・カレッジ・ロンドンのラボ)が「ラボ効率評価フレームワーク」(LEAF)のパイロット・プログラムに参加し、大きな成功を収めた。LEAFは、ラボの使用者に廃棄物、エネルギー、プラスチック、水を削減するための行動を推奨することにより、ラボの持続可能性基準を提供する。この基準により、ラボは炭素排出削減を量と金額で定量化できる。パイロットの第2フェーズは2020年初頭に開始予定。
https://sciencebusiness.net/network-updates/help-imperial-labs-address-their-carbon-footprint
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/12/5
~スイス:EPFLスピンオフのClearSpace社が宇宙を掃除するミッションを主導~EPFL startup heads a mission to clean up space
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)宇宙センター(eSpace)のスピンオフである、ClearaSpace社が、総額1億ユーロを超える欧州宇宙機関(ESA)の主要なプロジェクトである、宇宙デブリを捕捉し軌道から離脱させて大気圏で燃やす(デオービット)プロジェクトを主導するために選出された。プロジェクトは2020年に開始予定で、同社は関連技術を開発する。2025年にVESTAアダプターの捕捉・デオービットが予定されている。
https://sciencebusiness.net/network-updates/epfl-startup-heads-mission-clean-space
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/12/10
~EU:欧州委員会が32億ユーロのバッテリー研究パートナーシップを承認~EU Commission approves €3.2B partnership for batteries research
欧州委員会(EC)は、7つの加盟国政府による、32億ユーロの資金を投入して欧州で独立したバッテリー産業を構築する計画を承認した。ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、およびスウェーデンが研究開発パートナーシップを形成し、単独での製造能力や新バッテリー技術の開発能力を強化する。2031年までに、バッテリー生産の4つの段階での欧州の能力開発を目指している。
https://sciencebusiness.net/news/eu-commission-approves-eu32b-partnership-batteries-research
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/12/10
~EU:宇宙予算の増額により、欧州は宇宙から二酸化炭素発生源を監視できる~Space budget boost puts Europe in lead to monitor carbon from space
欧州宇宙機関(ESA)の予算が125億ユーロ(3年間)に増額された。海面の輪郭や植生の変化など、地球の大気と表面の状況を継続的に追跡する衛星群をサポートするプログラムである、欧州地球観測計画「コペルニクス」の予算も29%増の18億ユーロに増額され、この資金により、欧州は衛星群を拡大し、二酸化炭素の発生源を毎日モニターすることが可能となる。ESAはパリ協定の温室効果ガス削減誓約を監視できる唯一の宇宙機関となる。
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/space-budget-boost-puts-europe-lead-monitor-carbon-space
(Science記事) 元記事公開日:2019/12/5
~イタリア:最初の国家科学助成機関を設立(年間予算3億ユーロ)~Italy set to create €300 million research funding agency
イタリアは、長い間待ち望まれていた最初の国家科学助成機関を設立し、その年間予算を3億ユーロに引き上げる。科学者たちは、基本的な研究予算の押し上げと、資金を透過的に割り当てる独立した機関の設立を歓迎しているが、一部の科学者たちは、予算が少ないことと、新しい国立研究機関(ANR)が政治的干渉に対して脆弱であることを心配している。ANRは数カ月以内に稼働を開始する見込み。
https://science.sciencemag.org/content/366/6470/1178
(Science記事) 元記事公開日:2019/12/6
~オランダ:窒素汚染が環境と経済を脅かしている~Nitrogen crisis threatens Dutch environment--and economy
オランダは窒素汚染で危機に瀕している。オランダの高等裁判所は、窒素化合物で大気を汚染し、自然保護区に害を与える建設プロジェクトの許可を停止。また家畜廃棄物からアンモニアの形で、窒素の主要な排出源となっている酪農場、養豚場、養鶏場の拡大を停止した。政府は短期的な措置を準備しているが、多くの専門家は、世界で最も密度の高いオランダの家畜部門が、より多くの窒素を削減しリサイクルする必要があると述べている。
https://science.sciencemag.org/content/366/6470/1180
(Science記事) 元記事公開日:2019/12/6
~米国:議会が米国の研究を外国の不当な搾取から防衛するために2つの新しい機関を設立~ Congress creates two new bodies to tackle foreign influence on U.S. research
米国議会は、外国政府が米国研究企業から不当に搾取することを防ぐことを目的とした、2つの新しいハイレベル機関を設立する防衛法案を承認する。機関の一つは、ホワイトハウス内に本拠を置き、12を超える政府機関と協力して、研究プロジェクトをサイバー攻撃、盗難、およびその他の外国の脅威から保護する。もう1つは、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)が運営する円卓会議で、国際協力を損なうことなく国家安全保障を達成する方法について政府に助言する。
https://www.sciencemag.org/news/2019/12/congress-creates-two-new-bodies-tackle-foreign-influence-us-research
(Science記事) 元記事公開日:2019/12/10
~中国が外国製の全てのコンピューター機器を政府機関から排除するように指示~China tells government offices to remove all foreign computer equipment
中国政府は、3年以内に、すべての外国製のコンピューター機器およびソフトウェアを、官公庁および公的機関から排除するように命じた。この指令は、HP、Dell、Microsoftなどの米国の多国籍企業に打撃を与える可能性が高い。米中間の貿易戦争がハイテク冷戦に変わる中、米国での中国技術の使用を制限する措置に対抗するものであるが、中国国内技術への依存度を高めるための広範な動きの一部でもある。
https://www.theguardian.com/world/2019/dec/09/china-tells-government-offices-to-remove-all-foreign-computer-equipment
(Guardian記事) 元記事公開日:2019/12/9
~EU:ESAが2025年にスペース・デブリ・コレクターを打ち上げ~European Space Agency to launch space debris collector in 2025
欧州宇宙機関(ESA)が、2025年に宇宙デブリの回収を目的とする、スペース・デブリ・コレクターを打ち上げる。コレクターは4つの腕を持ち、地球軌道からデブリを回収する。ミッションには1億2,000万ユーロの費用がかかる。ESAのヴァーナー長官は、衛星打ち上げ者に対して、運用終了後に軌道からそれを除去する責任を課する新しい規則の策定を求めている。
https://www.theguardian.com/science/2019/dec/09/european-space-agency-to-launch-clearspace-1-space-debris-collector-in-2025
(Guardian記事) 元記事公開日:2019/12/9
~陸上植物の約40%は希少種で、気候変動に対して脆弱である~Nearly 40% of plant species are very rare, and vulnerable to climate change
最新の研究によれば、地球上には約43万5,000種の固有種があり、そのうちの36.5%は希少種である。これらの希少種は、南米の北アンデスのような限られたホットスポットに分布しているが、気候変動により、それらのホットスポットが高い確率で気候変動や人間による破壊の影響を受けると予想されている。科学者たちは、気候変動対応を含む保全活動を喚起することにより、研究が生物多様性の保全に役立つことを期待している。
https://www.nsf.gov/discoveries/disc_summ.jsp?cntn_id=299688&org=NSF&from=news
(NSF記事) 元記事公開日:2019/12/6
~海底の光通信ケーブルが優れた地震計ネットワークを実現する~Underwater telecom cables make superb seismic network
研究者たちは、カリフォルニア州モントレー湾で、海底の20キロメートルの光ファイバーケーブルを使って実験を行い、海底の断層帯からのマグニチュード3.5の地震と地震波散乱を記録した。このことは、このケーブルが海底に沿って敷設された1万個の地震観測点に相当することを意味する。科学者たちは、世界中の1,000万キロメートル以上の光ファイバー網を使用して、地球の動きを観測することを目指している。
https://www.nsf.gov/discoveries/disc_summ.jsp?cntn_id=299696&org=NSF&from=news
(NSF記事) 元記事公開日:2019/12/9
~米国:EPAがエチレン・オキシドの排出基準の改定に関して助言や提言を求めている~EPA Seeks Input on National Emission Standards for Hazardous Air Pollutants: Ethylene Oxide Commercial Sterilization and Fumigation Operations
米国環境保護庁(EPA)が、商業的消毒や薫蒸消毒作業で発生するエチレン・オキシド(EtO)の排出に関する有害大気汚染物質国家排出基準(NESHAP)の改定を検討している。これに関して、EPAは、小規模事業者、政府機関、および非営利組織に対して、小規模団体代表(SER)として小規模事業者擁護レビューパネル(SBAR)に参加して、助言や提案を行うように求めている。
https://www.epa.gov/newsreleases/epa-seeks-input-national-emission-standards-hazardous-air-pollutants-ethylene-oxide
(EPA記事) 元記事公開日:2019/12/5
~米国:エネルギー省が新高温ガス冷却原子炉の設計に約350万ドルを投資~U.S. Department of Energy Awards $3.5 Million to New Gas Reactor Design
エネルギー省(DOE)が、先進的原子炉開発を推進するために、ペブルベッド型高温ガス冷却炉を開発しているX-energy社に約350万ドルを投資する。プロジェクトは、建設や保守コストの削減方法を研究するもので、特に地下での建設や簡素化されたパッシブ安全システム等によるコスト削減に焦点を当てる。現在、50社以上の米国企業がこの先進原子炉の技術開発に参加している。
https://www.energy.gov/ne/articles/us-department-energy-awards-35-million-new-gas-reactor-design
(DOE記事) 元記事公開日:2019/12/5
~オーストラリア:不正行為サービス提供者には罰金または懲役刑が課される~Operators of cheating services face jail under new law
12月に議会に提出された新しい法律では、オーストラリアの大学生に不正行為サービスを提供した者は、最大10万豪ドルの罰金または2年間の懲役刑が課される。法案は、商業的に不正行為サービスを提供するプロバイダーを対象としているが、サービスを利用した学生は所属する教育機関において規則や制裁の対象となる。国家規制当局には、不正行為サービスプロバイダーを調査し、訴追勧告する新しい権限が与えられる。
https://www.universityworldnews.com/post.php?story=20191205070555913
(University World News記事) 元記事公開日:2019/12/5
~米国:DODが5G技術開発に関する業界からの意見を求める第2特別通知を発行~DOD Issues Second Special Notice Seeking Input From Industry on 5G Technology Development
国防総省(DOD)が2回目の特別通知を発行し、5G技術開発に関する業界からの追加情報を求めた。これらの情報を受けた後に、正式な「プロトタイプ提案要請」(RPP)が発行される。RPPの対象となるプロジェクトは、トレーニングやミッション計画のための5G対応拡張現実(AR)/仮想現実(VR)および海軍スマートウェアハウスである。有効な国家安全保障会議(NSC)のメンバーだけがRPPに応募できる。
https://www.defense.gov/Newsroom/Releases/Release/Article/2035471/dod-issues-second-special-notice-seeking-input-from-industry-on-5g-technology-d/
(DOD記事) 元記事公開日:2019/12/9