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2019年10月03日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (9月26日~10月2日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:9月26日~10月2日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~EU:EIB総裁が、気候変動対策を支援するEU銀行の新しい目標を発表~ "An incubator for climate finance and expertise to support the global transition to a low carbon future": EIB President announces new ambition for the EU Bank
第74回国連総会で、欧州投資銀行(EIB)のウェルナー・ホイヤー総裁は、気候行動に対するEU銀行の目標の強化を明らかにし、3つの強化策(EU自己資金の増加、持続可能な資金の数兆ユーロ規模への拡大、2020年までに全ての融資活動をパリ協定の原則と目標に合わせる)を発表した。欧州議会(EC)はEIBに気候変動対策を支援する活動の強化を期待している。
https://sciencebusiness.net/network-updates/incubator-climate-finance-and-expertise-support-global-transition-low-carbon-future
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/26
~OGCIがメタン強度および炭素強度の目標達成に向けて活動を拡大~OGCI announces progress towards methane target and new CCUS initiative to scale up actions towards climate goals
石油・ガス気候変動イニシアチブ(OGCI)は、温室効果ガス排出量の削減を加速し、パリ協定の目標達成を支援するための新たな戦略を発表した。具体的には、二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)への大規模投資、OGCIメンバーによるメタン強度および炭素強度の目標達成の取り組み、および環境価値を炭素に帰属させる政策の支援である。
https://sciencebusiness.net/network-updates/ogci-announces-progress-towards-methane-target-and-new-ccus-initiative-scale
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/26
~アイルランド:AIイノベーション拠点であるCeADARが1200万ユーロの資金を確保~Artificial Intelligence Innovation Hub CeADAR Secures €12 million in Funding from Enterprise Ireland
アイルランド企業の発展と成長を支援する政府機関であるEnterprise Irelandは、欧州の30の人工知能(AI)イノベーション拠点の中で唯一のアイルランド拠点であるCeADARに対して、今後5年間に1,200万ユーロの助成を行うと発表した。CeADARは、業界と共同で、AI, データ分析、機械学習の開発と展開の加速化を推進する市場中心のテクノロジーセンター。
https://sciencebusiness.net/network-updates/artificial-intelligence-innovation-hub-ceadar-secures-eu12-million-funding
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/26
~EU:BBI JUが循環型経済を目指す欧州に多大な貢献~Achievements of a high-impact initiative for a circular Europe
2014年創立の欧州連合(EU)とバイオ産業コンソーシアム(BIC)間の官民パートナーシップであるバイオ産業共同事業(BBI JU)は、欧州に多大な社会経済的および環境的利益をもたらし、欧州のグリーンディールに積極的に貢献してきた。欧州のバイオ産業は7,000億ユーロの価値があり、320万人の従業員を直接雇用している。
https://sciencebusiness.net/achievements-high-impact-initiative-circular-europe
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/27
~EU:マリヤ・ガブリエル氏がEU諸国間の研究格差の是正に取り組むことを約束~Incoming EU research chief promises action to bridge Europe's science gap
マリヤ・ガブリエル氏は、欧州議会の公聴会において、欧州連合(EU)の富裕国と貧困国間の研究成果の格差を解消するための行動を約束し、中東欧諸国における頭脳流出、低賃金、低い現地投資の悪循環を止めるためにEUの措置を見直すと述べた。この東西間の問題は、欧州の政治的議題として急速に浮上しており、Horizon Europeの予算増に東欧諸国が反対する可能性がある。
https://sciencebusiness.net/framework-programmes/news/incoming-eu-research-chief-promises-action-bridge-europes-science-gap
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/30
~米国:監察総監室(OIG)がNIHの助成を受けた研究の3%が金銭的利益相反に関与と報告~Three percent of NIH grants involved a direct financial conflict of interest, watchdog report finds
米国保健福祉省(HHS)監察総監室(OIG)の報告書によると、2018年の国立衛生研究所(NIH)による助成金を受けた研究、5万5,600件のうち約3%(1,668件)が、少なくとも1人の研究者が金銭的利益相反に関与したと報告。しかし一部の専門家は、研究者の多くが報告ルールを理解していないとして、OIGの報告が全ての関連する利益相反を捕捉しているかについて疑問を呈している。
https://www.sciencemag.org/news/2019/09/three-percent-nih-grants-involved-direct-financial-conflict-interest-watchdog-report
(Science記事) 元記事公開日:2019/9/30
~米国:NIHが中国によるNIH助成研究の成果の盗難方法を解明~NIH reveals its formula for tracking foreign influences
国立衛生研究所(NIH)のディレクターであるマイケル・ラウアー氏は、NIHが助成した研究の成果を不適切に享受するために、中国のThousand Talents Programが追及したと思われる二面作戦について説明した。一つは中国の同僚と情報を共有するためにNIHの助成金申請システムを欺くこと、もう一つは中国国内にシャドーラボを構築し、NIHの研究を複製してしまうことである。
https://www.sciencemag.org/news/2019/09/nih-reveals-its-formula-tracking-foreign-influences
(Science記事) 元記事公開日:2019/9/27
~UN:地球温暖化が海洋と極を変えている~Warming transforms the oceans and poles
国連の気候変動に関する政府間パネルの新しい報告書によると、世界の海洋と氷冠は気候変動によって変化しており、科学者が認識していたよりも生命と人間社会に大きな脅威をもたらしている。南極の氷の融解は今世紀に入って大きな脅威となり、海洋はその構造と性質を変化させ、熱波が人々を襲っている。最悪の事態を防ぐには炭素排出量の削減が不可欠。
https://science.sciencemag.org/content/365/6460/1359
(Science記事) 元記事公開日:2019/9/27
~英国:新政権は研究、移民、助成金に関する大学側の見解を支持~Political action
ボリス・ジョンソン首相は、トップ研究者や学生の移民の問題に関する大学側の見解について、前任者よりも賛同していることを明らかにした。EU離脱のビジョンには、英国の大学で研究または学ぶために英国を訪れる人々を歓迎することが含まれている。英国は科学技術の競争で勝利する必要があり、それを支える教育の必要性を認識している。
https://www.researchresearch.com/news/article/?articleId=1383474
(*Research記事) 元記事公開日:2019/9/29
~フランス:2020年度の研究予算は前年と同額~French research budget disappoints
2020年度のフランス政府の予算案では、高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の予算は2%増えて253億5,000万ユーロに増額したものの、研究予算は69億4,000万ユーロと、昨年と同額となった。失望する結果となったが、政府は2021年に初めての国家研究戦略を策定することになっており、予算増が期待されることから、科学者たちは2021年に期待している。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02953-2
(Nature記事) 元記事公開日:2019/9/30
~研究者の3分の2が「引用圧力」を感じたと報告~Two-thirds of researchers report 'pressure to cite' in Nature poll
Nature誌が4,300人を超える読者に行ったアンケートの結果、「一見不要な研究を引用するように査読者から圧力を感じたことがあるか」の質問に対して66%が「はい」と答えている。ジャーナル編集者や査読者が、査読者自身の研究の引用数やジャーナルのインパクトファクターを高めるために、論文の著者に特定の研究を引用するように圧力をかけることは、「強制引用」とされている。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02922-9
(Nature記事) 元記事公開日:2019/10/1
~細菌が抗生物質を避けるために人体内でその形状を変えることを発見~Antibiotic resistance: researchers have directly proven that bacteria can change shape inside humans to avoid antibiotics
抗生物質耐性菌は年間推定70万人の死亡を引き起こしており、世界の健康に対する最大の脅威の一つである。細菌が抗生物質耐性を得る方法として、ゲノムの変化があるが、科学者たちは、細菌が抗生物質の標的となることを避けるために人体内で細菌の「形を変える」ことができることを証明した。細胞壁のない、いわゆる「L型」の細菌である。
https://theconversation.com/antibiotic-resistance-researchers-have-directly-proven-that-bacteria-can-change-shape-inside-humans-to-avoid-antibiotics-124296
(The Conversation記事) 元記事公開日:2019/9/30
~疾患の蔓延を防ぐために蚊の遺伝子を改変することは、未知のリスクが伴う~Genetically modifying mosquitoes to control the spread of disease carries unknown risks
世界保健機関(WHO)によると、毎年約100万人が蚊媒介性疾患で死亡している。研究者たちは、蚊の個体数を減らすために遺伝的戦略を開発し、その一つが致死遺伝子を発現する遺伝子組換え(GM)蚊の野生への放出である。これは、野生の蚊集団のDNAにほとんど影響を与えないと考えられていたが、非標的種へのGM遺伝子の導入は、人間と環境の両方に悪影響を及ぼす可能性があると懸念されている。
https://theconversation.com/genetically-modifying-mosquitoes-to-control-the-spread-of-disease-carries-unknown-risks-123862
(The Conversation記事) 元記事公開日:2019/10/1
~米国:研究者たちが海洋の炭素貯蔵におけるプランクトンの重要な役割を解明~Research provides new view of the critical role of plankton in marine carbon storage
フロリダ州立大学の研究チームは、海洋の炭素貯蔵における生物学的プレーヤーとその効率を制限する要因を研究しており、動物プランクトンが生物炭素ポンプに重要な役割を果たすことを発見した。これらの生物は炭素を豊富に含む糞便ペレットを作り出し、急速に海に沈むことで、生物炭素ポンプに貢献するが、一部の動物プランクトンはこれら食べてしまうため、その効率を低下させている。
https://www.nsf.gov/discoveries/disc_summ.jsp?cntn_id=299285&org=NSF&from=news
(NSF記事) 元記事公開日:2019/9/26
~英国:財務大臣がBrexit後の支援を約束~Chancellor announces support for post-Brexit future
次世代を支援し、経済成長を促進し、Brexit後に備えるための一連の措置が、英国のサジド・ジャビド(Sajid Javid)財務大臣によって発表された。大臣は、Brexit後にEUの特定のタイプの資金支援が終了した場合、国民の生活賃金の増加、インフラおよび若者のサービスへの資金の増加、および慈善団体、企業、大学などの英国組織への最大43億ポンドの支援を約束した。
https://www.gov.uk/government/news/chancellor-announces-support-for-post-brexit-future--2
(GOV.UK記事) 元記事公開日:2019/9/30
~英国:政府がバス利用促進のために最初の一歩を踏み出す~Government takes the first steps in a bus revolution
英国のグラント・シャップス運輸大臣が、バス利用を推進するための一連の新しい措置を発表した。措置には、新しい低料金、高頻度の「スーパーバス」ネットワーク、乗客への提供情報の高度化、全ての都市バスでの非接触型支払いなどが含まれる。初年度、2億2,000万ポンド相当の措置では、バス用の「エクスプレスレーン」の設置や農村部等に頻繁に公共交通手段を提供する方法等に投資する。
https://www.gov.uk/government/news/government-takes-the-first-steps-in-a-bus-revolution
(GOV.UK記事) 元記事公開日:2019/9/30