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2019年09月19日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (9月12日~9月18日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:9月12日~9月18日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~ドイツ:IBMとフラウンホーファー協会が、量子コンピューティング分野での研究協力を発表~ IBM and Fraunhofer team up to promote quantum computing in Europe
IBMとフラウンホーファー協会が、量子コンピューティング分野における研究推進のために協力することに合意したと発表。この共同イニシアチブの下で、IBM のQ System One量子コンピューターがドイツに設置されることになり、この種の施設としては、欧州で最初となる。ドイツ連邦政府は、量子技術を進歩させるために、今後2年間で6億5,000万ユーロを投資する。
https://sciencebusiness.net/network-updates/ibm-and-fraunhofer-team-promote-quantum-computing-europe
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/12
~EU:EIFとEITが欧州の健康・ライフサイエンスセクターへの投資促進のために協力~EIF and EIT Health will collaborate to attract support for Europe's health and life science sector
欧州投資基金(EIF)と欧州イノベーション工科大学院-医療(EIT Health)が覚書を交わし、ベンチャーセンターオブエクセレンス(VCoE)の設立等を通じて、欧州の健康・ライフサイエンスセクターに追加資金を呼び込むために協力することになった。EIFはその広範なネットワークを通じて投資家を呼び込み、EIT Healthは最先端の研究機関や製薬企業等とのネットワークを通じて、投資先を紹介する。
https://sciencebusiness.net/network-updates/eif-and-eit-health-will-collaborate-attract-support-europes-health-and-life-science
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/16
~英国:クリス・スキッドモア氏が大学・科学担当の閣外大臣として復帰~Chris Skidmore back as UK universities and science minister
クリス・スキッドモア(Chris Skidmore)氏が大学・科学担当の閣外大臣として復帰する。これはジョー・ジョンソン(Jo Johnson)氏の辞職に伴うもので、スキッドモア氏は2カ月も経たないうちに元の大臣職に復帰することになった。同氏はEUにおける英国の地位の不確実性が継続するよりも、合意なき離脱の方が望ましいと示唆している。
https://sciencebusiness.net/news/chris-skidmore-back-uk-universities-and-science-minister
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/12
~クロアチア:東から西への頭脳流出問題について、EUは「より深刻に」考える必要がある~Croatia wants EU to take east to west brain drain 'more seriously'
クロアチアの科学・教育国務長官であるトメ・アンティチッチ(Tome Antičić)氏は、欧州理事会の議長職に就任するにあたり、中欧・東欧諸国から西欧諸国への頭脳流出がEUの大きな問題であるとして、中欧・東欧諸国により多くの科学者を惹きつける方法に焦点をあて、貧しい加盟国が未来の職務にどう適応できるかを明らかにしたいとしている。
https://sciencebusiness.net/framework-programmes/news/croatia-wants-eu-take-east-west-brain-drain-more-seriously
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/12
~EU:欧州の266地域のうち、27地域だけで欧州全体の研究開発支出の半分を占めている~A mere 27 of 266 regions account for half of Europe's R&D spending
欧州連合(EU)統計局のユーロスタット(Eurostat)の2019年度の地域年鑑によると、2016年は、欧州266の地域のうち、27地域だけで欧州全体の研究開発(R&D)支出の約半分を占めている。EUの平均のR&D強度(GDPに対するR&D比率)は2.06%で、欧州委員会(EC)の目標3.0%を大きく下回る。2017年のEUの研究開発費の合計は3,171億ユーロである。
https://sciencebusiness.net/news-byte/mere-27-266-regions-account-half-europes-rd-spending
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/17
~EU:研究団体がHorizon Europe予算の1,200億ユーロへの引き上げを要求~Research associations reinforce call for €120B Horizon Europe budget
欧州の研究・イノベーション団体がEUに対して、Horizon Europeの予算を2021-27年次で少なくとも1,200億ユーロに引き上げるように要求。また、その3分の2を世界的な課題と産業競争力の強化のために確保すべきと主張。予算の引き上げは、Horizon Europe以外の部分の予算、たとえば欧州研究会議(ERC)等の予算との競合や、英国の離脱の影響もあり、現時点で不透明。
https://sciencebusiness.net/framework-programmes/news/research-associations-reinforce-call-eu120b-horizon-europe-budget
(Science|Business記事) 元記事公開日:2019/9/17
~欧州の資金提供機関は、研究者の中国とのつながりに疑念を抱いていない~Chinese ties don't faze European funders
米国やオーストラリアでは、中国に対する懸念から、海外人材募集プログラム等を研究成果を盗むための中国の取り組みの一環と見なしたり、不適切な外国とのつながりを理由に研究者が大学を解雇されることがあるが、欧州と英国の政府資金提供機関は、中国との強いつながりを持つ被授与者(研究者)に対して、ほとんど疑念を抱いていない。
https://science.sciencemag.org/content/365/6458/1068
(Science記事) 元記事公開日:2019/9/13
~規模の小さな科学団体と独立出版社を支援する契約書テンプレートの発行~New deals could help scientific societies survive open access
規模の小さな科学団体は、その活動資金として、ジャーナルからの定期購読料収入に依存しており、科学文献のオープンアクセス化の進行により二次的な損害を被るのではないかと不安視している。Plan Sを支援するプロジェクトが、小規模の独立出版社のライブラリとの取引を支援するために、最終的に収入を確保しながら、購読の廃止を可能とする一連の契約書テンプレートと助言を発行した。
https://www.sciencemag.org/news/2019/09/new-deals-could-help-scientific-societies-survive-open-access
(Science記事) 元記事公開日:2019/9/16
~米国:上院法案で、国立衛生研究所 (NIH)の2020年度予算が30億ドル(7.7%)の増額~Senate bill would give NIH $3 billion in 2020, or 7.7% boost
上院の歳出委員会が、2020年の歳出法案を発表。法案には、国立衛生研究所(NIH)の30億ドルの増加が含まれており、NIH全体の予算は421億ドルとなる。下院委員会が承認した4月の法案よりも10億ドル多く、これによりNIHの予算は過去5年間で40%増額となる。この法案の措置には、アルツハイマー病研究のための3億5,000万ドルの増額が含まれる。
https://www.sciencemag.org/news/2019/09/senate-bill-would-give-nih-3-billion-2020-or-77-boost
(Science記事) 元記事公開日:2019/9/18
~人工知能(AI)はエルニーニョを最大18か月前に予測できる可能性がある~Artificial intelligence could predict El Niño up to 18 months in advance
気候科学者たちはエルニーニョ現象の予測に苦労してきたが、画像認識に優れた「畳み込みニューラルネットワーク」と呼ばれるタイプのAIを使用した新しい研究によると、人工知能(AI)は現在、18ヶ月前に予測できるとしている。より長い予測は、植えるべき作物の選択や、干ばつや洪水の備えに役立つため、大きな経済的利益をもたらす可能性がある。
https://www.sciencemag.org/news/2019/09/artificial-intelligence-could-predict-el-ni-o-18-months-advance
(Science記事) 元記事公開日:2019/9/18
~EU:各国の大臣たちが、研究開発支出目標(GDPの3%)の達成に向けて会合~Ministers set to renew efforts towards R&D spending target
EU理事会の各国政府を代表する研究・産業大臣たちが、9月26日と27日にブリュッセルで会合を持ち、持続可能な成長を達成するための長期戦略について話し合う。長期戦略は様々な政策上の優先事項を定めており、研究開発(R&D)支出をEUのGDPの3%に引き上げることも優先事項の一つである。この目標を達成するためには、R&D支出を年間8%増やす必要がある。
https://www.researchresearch.com/news/article/?articleId=1383298
(*Research記事) 元記事公開日:2019/9/17
~カナダ:資源に限りのある地球のエネルギー使用コストの調査~Computing a hard limit on growth
カナダの科学者、スミル・ヴァーツラフ(Vaclav Smi)氏の、資源に限りのある地球のエネルギー使用コストを調査した本が注目を集めている。人類は、7万年の間、地球の資源を支配し使用することで、狩猟採集民から77億の世界人口にまで成長した。しかし、急激な成長にはコストが伴う。汚染された土地、空気、水、荒野の消失、大気中の二酸化炭素濃度上昇などである。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02716-z
(Nature記事) 元記事公開日:2019/9/16
~アフリカ諸国の科学者たちが国連に対して干ばつに関する研究の支援を要請~African nations push UN to improve drought research
アフリカの70%以上の地域が干ばつの影響を受けており、最も深刻な問題となっている。アフリカ諸国の科学者たちは、干ばつをより適切に識別し、準備できるように、国連に対して研究とデータ収集の支援を求めている。国連の報告では、全世界の人口の40%が水不足の影響を受けており、2030年までに7億人もの人々が干ばつのために家を離れることを余儀なくされると推定している。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02760-9
(Nature記事) 元記事公開日:2019/9/13
~米国:ホワイトハウス科学顧問が、研究安全保障に関する国家政策強化の取り組みを開始~Trump's top scientist outlines plan to reduce foreign influence on US research
ホワイトハウス科学顧問のケルビン・ドログマイヤー氏が、研究安全保障に関する国家政策強化の取り組みを開始する。同氏は9月16日付けの全米の科学者に向けの公開書簡のなかで、国家科学技術会議(NSTC)が、研究者が政府助成金を受理するための情報開示要件の策定に取り組んでいることを明らかにした。今後数カ月で、科学者たちの声を直に聴くために、全米の学術機関を訪問予定。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02787-y
(Nature記事) 元記事公開日:2019/9/17
~英国:自動車の燃費向上にもかかわらず、温室効果ガス排出量は増加している~Road transport emissions up since 1990 despite efficiency drive
英国の国家統計局(ONS)の報告によると、自動車の燃費向上にもかかわらず、英国の温室効果ガス排出量は過去30年間で6%増加し、その原因は交通量が1990年の年間2550億マイルから2018年の3,280億マイルへと約30%増加したことによるとしている。環境活動家は車の交通量の劇的削減が必要と主張し、将来の電気自動車(EV)の普及に期待を寄せている。
https://www.theguardian.com/uk-news/2019/sep/16/uk-road-transport-emissions-up-since-1990-despite-efficiency-drive
(Guardian記事) 元記事公開日:2019/9/16
~米国:コミュニティの気候変動対応方法を紹介したAAASのレポート~'How We Respond' Shows What U.S. Communities Are Doing to Address Climate Change
米国科学振興協会(AAAS)が発表したレポート「How We Respond」によると、全米のコミュニティが科学者と協力し、科学情報を利用して気候変動に対応している。湿地を利用した洪水や排水の制限方法や、海面センサーを利用した洪水監視等がハイライトされており、気候変動に対するコミュニティの事情に即した対応方法が紹介されている。
https://www.aaas.org/news/how-we-respond-shows-what-us-communities-are-doing-address-climate-change
(AAAS Policy Alert記事) 元記事公開日:2019/9/16