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2019年07月25日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報 (7月18日~7月24日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:7月18日~7月24日
海外の「政策のための科学」関連のウェブサイト等から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を以下のとおりまとめました。(文責:CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニット)
~世界で初めてとなる「AIの倫理」に関する共同声明がG20において発表された~Step by step, world leaders strive to find consensus on AI development
「AIの倫理」に関する最初の国際的合意となる政府間声明が、G20の加盟国である20の先進国によって採択された。G20の声明は、人工知能がどのように機能するべきかについての最初の国際的合意を示している。しかし、今後の方向性については、米国、EU、日本、中国、カナダの間に大きな隔たりがある。
https://sciencebusiness.net/news/step-step-world-leaders-strive-find-consensus-ai-development
(Science|Business誌記事) 元記事公開日:2019/7/18
~英国:英国は先進治療の開発において、欧州をリードしている~UK leading Europe in development of advanced therapies
米国の再生医療アライアンス(ARM)と英国バイオインダストリー協会による最新の報告書によると、英国は、遺伝子治療、細胞治療、および組織工学製品を含む製品のイノベーションと開発の主要な供給源であるとし、基礎研究および臨床研究への投資や、製造およびサプライチェーンの発展が、英国を欧州の主導的地位に押し上げているとしている。https://sciencebusiness.net/news/uk-leading-europe-development-advanced-therapies
(Science|Business誌記事) 元記事公開日:2019/7/23
~カナダ:カナダの研究所が著名な中国人ウイルス学者を追放~Mystery surrounds ouster of Chinese researchers from Canadian laboratory
カナダの研究者たちは、カナダの国立微生物学研究所(NML)の著名な中国人ウイルス学者やその下で研究に従事する多数の学生たちが、「ポリシー違反」を理由に研究所から追い出され、研究施設のアクセス権を取り消されたとのニュースに困惑している。多くの関係者は、この事件が中国への知的財産の不適切な譲渡に関する懸念に関係していると推測している。https://www.sciencemag.org/news/2019/07/mystery-surrounds-ouster-chinese-researchers-canadian-laboratory
(Science誌記事) 元記事公開日:2019/7/19
~英国:英国の合意なき離脱への恐怖が、すでに研究界に影響を与え始めている~Threat of no deal is already affecting research, MPs warn
下院のEU離脱委員会は、合意なき離脱は、短期的にはショックをもたらし、長期的には英国の評判を落とすことになり、英国の高等教育機関はその回復に苦労することになると述べた。合意なき離脱の予想により、すでにEUからの研究者や技術者への応募や、UKを拠点とする研究のグラント申請数が減少して来ている。
https://www.researchresearch.com/news/article/?articleId=1382537
(*Research記事) 元記事公開日:2019/7/19
~EU:Horizon Europeの開放性が欧州の長期的利益を棄損している可能性がある~Fears over outside exploitation of Horizon Europe openness
欧州委員会(EC)は自身のシンクタンクである欧州政治戦略センター(EPSC)から、Horizon Europeの開放性(openness)を見直すように警告された。研究プログラムの国際的なプレーヤー(競争相手)へのオープンさが欧州の長期的な利益を棄損している可能性があり、その方法を特定するために精査が必要であるとしている。
https://www.researchresearch.com/news/article/?articleId=1382535
(*Research記事) 元記事公開日:2019/7/19
~途上国への国際研究助成金の交付には、現地の資金によるマッチングが必要~How to make development funds go further
アフリカ諸国のような緊急で基本的な必需品が不足している途上国では、研究の優先度は低く、政府の支援は殆ど期待できない。これらの国々への国際的な研究助成が必要だが、現地での研究の安定のためには、支援を受ける途上国のパートナーが研究機関にマッチングファンドを提供することが必要である。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02172-9
(Nature誌記事) 元記事公開日:2019/7/18
~EU:遺伝子組み換え作物に対する欧州司法裁判所の判決が、欧州全土の食品試験機関を困惑させている~CRISPR conundrum: Strict European court ruling leaves food-testing labs without a plan
欧州司法裁判所(ECJ)が、遺伝子組み換え作物を、他の遺伝子組み換え生物(GMO)と同じ厳格な規制の対象にするという画期的な判決は、欧州全土の食品試験機関に難しい問題を投げかけている。遺伝子組み換えの中には、自然界に存在する生物と区別がつかないほど小さいものがあり、検出は極めて難しいと述べている。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02162-x
(Nature誌記事) 元記事公開日:2019/7/23
~英国:新首相ジョンソン氏が科学に与える影響を科学者たちが危惧~What Boris Johnson's leadership could mean for science
英国の「合意なき離脱」を支持するボリス・ジョンソン(Boris Johnson)氏が英国の新しい首相に選出されたが、科学者たちは、物議を醸す性格のジョンソン氏のリーダーシップに疑問を持っており、英国がEUから合意なき離脱をすることで、英国の科学が失うことが沢山あるのではないかと恐れている。
https://www.nature.com/articles/d41586-019-02279-z
(Nature誌記事) 元記事公開日:2019/7/23
~米国:イーロン・マスク氏が、脳と機械を接続するブレーン・マシーン・インターフェイスを発表~Elon Musk wants to link brains directly to machines
世界的に有名な起業家であるイーロン・マスク氏は、人間の脳と機械を直接つなぎたいと考えており、7月16日に新しいタイプのブレーン・マシーン・インターフェイス(BMI)を発表した。人間の脳と機械の直接接続は、すでにいくつか開発されており、パーキンソン病を治療するために脳深部刺激療法などがある。
https://www.economist.com/science-and-technology/2019/07/18/elon-musk-wants-to-link-brains-directly-to-machines
(Economist記事) 元記事公開日:2019/7/18
~英国:研究よりもグラント獲得自体を目標とする研究機関を排除するように、資金提供者に呼びかけ~A call for funders to ban institutions that use grant capture targets
グラント獲得(Grant capture)、または研究のために資金を確保できる研究者の能力は、学術的評価の測定基準としてよく用いられてきたが、オックスフォード大学、実験心理学科教授のドロシー・ビショップ(Dorothy Bischop)氏はこの慣習は研究者や研究機関に不条理なインセンティブを与えるもので、資金提供者はそれを止めさせることに責任と関心を持つようにと主張している。
https://blogs.lse.ac.uk/impactofsocialsciences/2019/07/24/a-call-for-funders-to-ban-institutions-that-use-grant-capture-targets/
(London School of Economics Impact Blog記事) 元記事公開日:2019/7/24