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2018年11月03日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報(10月29日~11月2日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:10月29日~11月2日CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニットにおいて、海外の「政策のための科学」関連のインターネットサイトやツィッターでの関連タグ(「政策のための科学」関連のツィートの抽出ができる)* から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を選択し、以下のとおりまとめました。(文責:林)
主なトピック:【情報提供】
【情報提供】
~米国:多くの科学者が下院議会選挙に立候補している。中間選挙が近づく中、18名の候補が残っている~Dozens of scientists ran for Congress. On the eve of the general election, 18 are still standing
11月6日の中間選挙に向けて18名の科学者候補が残っている。一人の候補を除いて17名が民主党候補であり、下院主流派である共和党に挑む形となっている。
https://vis.sciencemag.org/midterm-science-candidates/?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5XYK0,R7OZG8,N9T4E,1 (Science誌記事)
~米国:科学技術政策フェローが司法機関に派遣される~S&T Policy Fellowships find a home in the judiciary
米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science; AAAS)は40年以上も科学技術政策フェローを議会等に送っているが、司法機関に派遣するのは4年前からと歴史が浅い。しかし司法と科学はより密接になる必要があるため、重要な取り組みである。
http://science.sciencemag.org/content/362/6413/412?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5XYK0,R7OZG8,N9T4J,1 (Science誌記事)
~米国:米国の科学の優位性を守る正しい方法~The Right Way to Protect America’s Innovation Advantage
米国と中国との間は、さながら科学技術の「冷戦」ともいうべき状態となっており、ペンス副大統領は最近の演説で、米国の優位性を保つために、中国の関連分野との関係を断つとしているが、記事では強調してこそ優位性が保たれるとしている。
https://www.foreignaffairs.com/articles/2018-10-23/right-way-protect-americas-innovation-advantage?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5XYK0,R7OZG8,N9T5I,1 (Foreign Affairs誌記事)
~米国:なぜ中国の技術移転が問題なのか~Why China Technology-Transfer Threats Matter
中国への技術移転が軍事力増強に活用されることについての、国務省の見解。
https://www.state.gov/t/isn/rls/rm/2018/286889.htm?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5XYK0,R7OZG8,N9T5G,1 (米国国務省ホームページ)
~米国:科学イノベーション政策の科学チャンネル(ユーチューブ)~SciSIP Channel (Youtube)
米国の科学イノベーション政策の科学 (Science of Science and Innovation Policy: SciSIP)がYoutubeにチャンネルを開設した。「政策の科学」の解説や様々なプロジェクトの内容を説明するのに活用するとのこと。
https://www.youtube.com/channel/UCwlmcRjqnvggtkkbsN6ZbIg/featured (Youtube SciSIP Channel)
~EU:EUがヨーロッパの大学ネットワークを作るために3千万ユーロのパイロットを開始~EU launches €30M pilot scheme to create networks of European Universities
昨年9月、フランスのマクロン大統領が20の国境を越えた大学のネットワークを2024年までに作ることを提唱したが、そのパイロットとして6つの国境を越えた大学ネットワークをEUは開始する。
https://sciencebusiness.net/news/eu-launches-eu30m-pilot-scheme-create-networks-european-universities (Science|Business誌記事)
~EU:「Horizon Europeが欧州の統合の為にならないように」と欧州委員会の前研究・科学・イノベーション担当委員が警告~'Don’t allow Horizon Europe to become Cohesion Europe’, warns former EU Research Commissioner
欧州委員会の前研究・科学・イノベーション担当委員だったMáire Geoghegan-Quinn 氏がHorizon Europeは研究の卓越さに資金を投ずるべきで、欧州を政治的にまとめるために使われるべきでないという見解を示した。
https://sciencebusiness.net/framework-programmes/news/dont-allow-horizon-europe-become-cohesion-europe-warns-former-eu-research (Science|Business誌記事)
~英国:欧州のノーベル賞受賞者がBrexitの科学に与える影響について警鐘を鳴らす~Europe’s Nobel laureates step up warnings about Brexit’s effect on science
欧州のノーベル賞受賞者たちが、英国と欧州連合の指導者に対し、Brexit交渉の停滞の中で研究に関する取り決めを明確にするよう求めている。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07146-x?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5XYK0,R7OZG8,N9T4N,1 (Nature誌記事)
~英国:英国の大学はBrexitが迫る中、欧州に前哨基地を設立~British universities set up European outposts as Brexit looms
英国の大学は、EU内にパートナー機関を設立することで、EUの資金に対しアクセスできるようになるかもしれないという記事。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07121-6?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5XYK0,R7OZG8,N9T4N,1 (Nature誌記事)
~UMETRICS:UMETRICSの取り組みが国勢調査庁のレポートに取り上げられる~IRIS featured in U.S. Census Bureau Report
大学のアドミニストレーションデータを結合し、研究資金の効果や人材の分析を行っているUMETRICSだが、商務省国勢調査局と連携が行われており、レポートに紹介されている。
https://iris.isr.umich.edu/2018/10/26/iris-featured-in-u-s-census-bureau-report/ (概要:Institute for research on Innovation and Science)
https://www.census.gov/ces/pdf/2017_CES_Research_Report.pdf#page=19 (該当部分:Chapter2 New Measurement of Innovation)
~キャリアとしての科学者:科学者としての満足感~Satisfaction in science
Nature誌が隔年で行う、職業としての科学者についてのアンケート調査。給料や職場環境、満足感などについて調査されている。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07111-8 (Nature誌記事)
~オープンアクセス:資金提供者が研究へのオープンアクセスを強制するとき、著者は?~Do authors comply when funders enforce open access to research?
初めての大がかりなオープンアクセス遵守の実態調査によると、約3割近い数の論文はオープンでないことがわかった。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07101-w?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5XYK0,R7OZG8,N9T4N,1 (Nature誌記事)
~科学と社会:人権として科学の発展を擁護する~Advocating for science progress as a human right
人権が守られることにより、我々は科学技術の進歩による利益を享受できる。これは第2次大戦後国連の人権宣言の27条で述べられている。これは科学者の権利だけではなく、基本的人権として、多くのことがなさればならないという主張。
http://www.pnas.org/content/115/43/10820?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5XYK0,R7OZG8,N9T4K,1 (Proceedings of National Academy of Sciences記事)
~National Public Radio:世界的に科学的助言は衰退しているのか?~Is Science Advice to Policy Declining Globally?
トランプ政権だけでなく、アントニオ・グテレス国連事務総長が科学諮問委員会の審理を却下したことから、世界的に科学的助言の扱いについて議論している。
http://www.capeandislands.org/post/science-advice-policy-declining-globally?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5XYK0,R7OZG8,N9T5K,1#stream/0 (概要:WCAI)
https://cpa.ds.npr.org/wcai/audio/2018/10/LL102218A.mp3 (音声)
~新刊:エビデンスに基づく科学政策を探して – 無限の領域からSciSIPへ~In Search of Evidence-based Science Policy: From the Endless Frontier to SciSIP
米国「科学イノベーション政策の科学(Science of Science Innovation Policy: SciSIP)」の重鎮であるGeorge Washington UniversityのAl Teich教授による米国の科学政策を振り返った著書が出版された。11月5日にレクチャーも予定されている。
https://www.nowpublishers.com/article/Details/ASTP-007 (書籍概要)
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(参考)
現在、定期的に情報収集しているサイトは以下の通り:
²
² Twitter ハッシュタグ#scisip、#scipolicy、 #scipol、#InnovationDeficit
アカウント@MIOIR、@sppgatech、@CSPO_ASU、@SPRU、@uclsteapp等。
² Institute for Research on Innovation & Science http://iris.isr.umich.edu/index.php/news/
² Research Infrastructure for Research and Innovation Policy Studies http://risis.eu/events/
² Center for Science of Science and Innovation Policy http://cssip.org/
² Fraunhofer Institute for Systems and Innovation Research ISI http://www.isi.fraunhofer.de/isi-en/index.php
² Institute For Research and Innovation in Society http://ifris.org/en/actualites/
² NESTA http://www.nesta.org.uk/
² Joint Research Centre (European Commission) https://ec.europa.eu/jrc/
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