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2018年07月21日
【海外動向】科学技術イノベーション政策の科学 海外情報(7月16日~7月20日)
CRDS-研究開発戦略センター
「政策の科学」関連 海外情報 期間:7月16日~7月20日CRDS科学技術イノベ-ション政策ユニットにおいて、海外の「政策のための科学」関連のインターネットサイトやツィッターでの関連タグ(「政策のための科学」関連のツィートの抽出ができる)* から、日本の「科学技術イノベーション政策の科学」関係者にとって関係が深いと思われる記事や情報を選択し、以下のとおりまとめました。(文責:林)
主なトピック:【情報提供】
【情報提供】
~EU:オープンアクセスへの移行を加速する研究資金提供者~Funders joining up to speed move to open access
フランスのトゥールーズで先週開催されていたEuroScience Open Forumで、欧州の研究者による論文の20%がオープンアクセス雑誌に掲載されている点を受けて、さらにオープンアクセスの加速を図るための議論がなされた。
https://www.researchresearch.com/news/article/?articleId=1376223&utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFLLT,1 (*Research誌記事)
~EU:2020年までに研究論文への自由なアクセスは可能か? 「思い切った措置なしには不可能」と関係者~
Free access to research papers by 2020? ‘Impossible without radical steps’, says EU official
EUのオープンサイエンス特使のRobert-Jan Smits氏は思い切った措置が必要と語っている。
https://sciencebusiness.net/framework-programmes/news/free-access-research-papers-2020-impossible-without-radical-steps-says-eu?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFLKK,1
(Science|Business誌記事)
~米国:上院歳出委員会案で研究予算が増加~In Senate, Research Spending Lined Up for New High
米国科学振興協会によると、大統領府予算案、下院予算案に比べて、上院歳出委員会の予算案では2019年の研究開発費が増加することがわかった。
https://www.aaas.org/news/senate-research-spending-lined-new-high?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFLBW,1 (AAASホームページ)
~米国:NSFはどんな研究に投資すべきかの意見を求めている~NSF wants to know what you think it should fund
米国科学財団(NSF)は重要な分野が見逃されてはいないかどうか、研究費が必要な研究分野についての意見を求めている、という記事。
http://www.sciencemag.org/news/2018/07/nsf-wants-know-what-you-think-it-should-fund?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFLL0,1 (Science誌記事)
~米国:NSF社会・行動・経済科学局長にArthur Lupia氏が任命される~NSF selects Arthur Lupia to head Social, Behavioral, and Economic Sciences Directorate
米国科学財団(NSF)社会・行動・経済科学局の局長にミシガン大学のArthur Lupia教授が任命された。氏の専門は政治社会学で全米科学アカデミーの役職などにも就いている。
https://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=295995&utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFL94,1 (NSFホームページ)
~英国:Gyimah科学相は経済的課題について言及~Gyimah pushes research up the economic agenda
英国のGyimah科学相はイノベーションについて議論する際、経済的課題について金融サービスから切り離して議論すべきと主張した。
https://www.researchresearch.com/news/article/?articleId=1376167&utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFLLT,1 (*Research誌記事)
~中国:イノベーションは中国に新たな飛躍をもたらすか?~Is Innovation China’s Next Great Leap Forward?
中国の大きな研究開発資金の投入と重点的な分野への投資により、米国は世界の科学技術分野でのリーダー的地位も危うくなってきている。記事では、中国の台頭と米国の科学技術政策の対応について論じている。
http://issues.org/34-4/is-innovation-chinas-next-great-leap-forward/?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFLL3,1 (Issues in Science and Technology誌記事)
~中国:中国の研究者は研究費について大きな自立性を得ている~Chinese researchers to get more autonomy over lab spending
新しい法律の改正により、研究者の研究支出に対する自主権が拡大し、研究しやすい体制になったという記事。
https://www.nature.com/articles/d41586-018-05688-8?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFL9D,1 (Nature誌記事)
~研究費の社会的影響:研究費の地域財政への波及効果 – 米国復興再投資法からのエビデンス~Local Fiscal Multiplier on R&D and Science Spending: Evidence from the American Recovery and Reinvestment Act
Social Science Research Network(SSRN)に掲載された論文。2009年の米国復興再投資法のデータから、研究開発費の波及効果を計測した論文。5年の実施期間の内、研究費100万ドルあたり27の新しい仕事が創出され、それぞれの仕事あたりの年間費用は15000ドルであった。
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3201136&utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFLKU,1 (概要:SSRNホームページ)*無料でダウンロードできます
~特許:特許を超えて~Beyond Patents
イノベーション研究において、革新性と科学の価値の指標として特許が用いられるが、それだけでは不十分という記事。特許分析が幅を効かせすぎているため、社会科学者や政策立案者が実際の問題やイノベーションのプロセスを理解することを妨げていると主張している。
http://issues.org/34-4/beyond-patents/?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFLL3,1 (Issues in Science and Technology誌記事)
~科学者と社会:科学者と公開討論~Scientists and Public Forums
トランプ政権下で科学の信頼維持のためには、科学者が社会との繋がりを強化しなくてはならないという趣旨の米国物理学会ホームページに掲載された主張。科学者は公共の議論にエビデンスや知見を提供する必要性があると述べている。
https://www.aps.org/units/fps/newsletters/201807/scientists.cfm?utm_medium=email&utm_source=FYI&dm_i=1ZJN,5R6P3,R7OZG8,MFL9N,1 (米国物理学協会ホームページ)
~SDGs:2018年SDGインデックス&ダッシュボード~2018 SDG Index and Dashboards
Jeffrey Sachsコロンビア大学教授を中心にまとめられた、SDGについての指標レポートが公開された。193の国連加盟国についてのデータが収録されている。
http://www.sdgindex.org/reports/2018/ (概要:SDG Index & Dashboardsホームページ)
http://www.sdgindex.org/assets/files/2018/01%20SDGS%20GLOBAL%20EDITION%20WEB%20V9%20180718.pdf (レポート全文)
~論文:キャリアの浅い研究者が政策に影響を与えるための入門編~An introduction to achieving policy impact for early career researchers
Nature誌のオープンアクセス学術誌であるPalgrave Communicationsに掲載された論文。キャリアの浅い研究者が、研究と政策の関連性を特定し強化し、政策の世界を理解した上で、影響を達成するための経路を特定するのに役立つ実用的なステップとツールを示した。
https://www.nature.com/articles/s41599-018-0144-2 (Palgrave Communications誌記事)
~Wall Street Journal:イノベーションにおける問題点 – 大企業が利益を独占~The Problem With Innovation: The Biggest Companies Are Hogging All the Gains
先進国の生産性トレンドは減少傾向にあるが、最近の研究では、一部の大企業の生産性が増加する一方、他の企業の生産性は向上せず、生産性のギャップが拡大しているためと分析されている。産業革命以降見られたイノベーションの波及効果が近年では失われたとする記事。
https://www.wsj.com/articles/the-problem-with-innovation-the-biggest-companies-are-hogging-all-the-gains-1531680310 (Wall Street Journal紙記事)
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(参考)
現在、定期的に情報収集しているサイトは以下の通り:
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SOSP掲示板http://www.scienceofsciencepolicy.net/listserv(現在アクセス不可) - Twitter ハッシュタグ#scisip、#scipolicy、 #scipol、#InnovationDeficit
- Institute for Research on Innovation & Science http://iris.isr.umich.edu/index.php/news/
- Research Infrastructure for Research and Innovation Policy Studies http://risis.eu/events/
- Center for Science of Science and Innovation Policy http://cssip.org/
- Fraunhofer Institute for Systems and Innovation Research ISI http://www.isi.fraunhofer.de/isi-en/index.php
- Institute For Research and Innovation in Society http://ifris.org/en/actualites/
- NESTA http://www.nesta.org.uk/
- Joint Research Centre (European Commission) https://ec.europa.eu/jrc/