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2016年08月19日

SPIAS [SciREX政策形成インテリジェント支援システム] アルファ版を現在開発中です (SciREXセンター/NISTEP/JST-CRDS/株式会社バイオインパクト 共同開発)

CRDS-研究開発戦略センター, NISTEP-科学技術・学術政策研究所, SciREX-科学技術イノベーション政策研究センター

政策研究大学院大学 科学技術イノベーション政策研究センター (SciREX センター) 「経済社会的効果測定手法の開発」プロジェクトでは現在、SPIAS 「SciREX 政策形成インテリジェント支援システム(SciREX Policymaking Intelligent Assistance System)」アルファ版を開発しています。

詳細

図1. SPIAS の画面例

エビデンスに基づく科学技術イノベーション政策の形成を実現するためには、科学技術に係る各種データを相互に接続し、得られた知見を可視化することで、政策立案者や研究者がオープンに利活用できるプラットフォームを提供することが必要不可欠です。

しかしながら、現状は研究者あるいは政策立案者が利用できるデータソースに制限があること、ユニークな管理番号に基づくデータベースの相互接続性に課題があるため、科学的発見からイノベーション、製品化に至るプロセスを一気通貫に確認できるシステムを構築することはこれまで困難でした。

本プロジェクトではこうした課題に対処するため、政策研究大学院大学 科学技術イノベーション政策研究センター (SciREXセンター)、 科学技術・学術政策研究所 (NISTEP) 、JST/CRDS 研究開発戦略センターおよび株式会社バイオインパクト社が共同で 「SPIAS: SciREX 政策形成インテリジェント支援システム」を開発しています。

SPIAS では、自然言語処理を用いキーワードを抽出することで、科学技術研究費、JST、NEDOなどの競争的資金に係るファンディング情報、特許情報、学術論文情報、プレスリリース情報などを相互に結びつけ、研究者が獲得した競争的資金が大学間、研究領域間でどのように配分されているのか、また、代表的な研究者がどのように研究資金を獲得しているのか、視覚的に表示することを可能にします。これにより、政策立案者や研究者が、科学技術の動向を把握し、それぞれの目的に応じてリアルタイムに活用することを目指すことがSPIAS の主な目的です。

SPIAS の開発にあたっては、NISTEP での研究開発成果によるシステムをベースとして、SciREX センター, NISTEP, JST/CRDS および株式会社バイオインパクトが有する知見やデータが活用されています。

SPIASでは、科学技術領域ごとに、

  • ・関連する競争的資金の研究課題
  • ・関連研究者
  • ・事業区分別研究費
  • ・事業区分別研究課題数
  • ・研究機関別研究費
  • ・研究機関別研究課題数
などの情報を取得することができます。

JST/CRDS が提供する科学技術俯瞰領域に記載された用語・キーワードに基づき、関連する用語が多数含まれる研究開発領域の内容を取得します。これらを実現するために、本システムではオープンソースの技術および、バイオインパクト社が有する語句変換およびマッチング技術が広く活用されています。以下の例では、がん免疫治療に関連する研究課題のうち、類似度が高いものを語句の類似度を分析することで抽出しています。対象とする競争的資金の分野としては、(1) 科研費(学術研究助成基金助成金, 科学研究費補助金), (2) 科学技術振興機構(JST), (3.) 厚生科研費, (4.) 日本医療研究開発機構 (AMED) などであり、公的な機関による競争的な支援ファンドをほぼ網羅しています。こうした公開情報の集約にあたっては、バイオインパクト社によるWeb スクレイピング技術が活用されています(※. そのため, 現段階のシステムでは公式の競争的資金区分と一部異なる可能性があります)。


図2. がん免疫領域における主な研究者

また、特定の技術分野において各大学がどの程度の競争的資金を獲得しているのかも確認することができます。
例えば図3 では、がん免疫チェックポイント薬であるオプジーボの共同研究に主体的な役割を果たし、PD-1 (Programmed Death-1) の発見を行った本庶佑教授が在籍した京都大学が、多くの資金を獲得していることを確認できます。



図3. がん免疫領域における競争資金を獲得した主な大学・研究機関

今後の機能拡充予定として、(1) 特許・論文データの拡充, (2) プレスリリースデータとのマッチングによる、イノベーション動態の解析, (3) 当該研究領域に関連する研究者を自動的に表示させるコンシェルジュ機能などの追加を予定しています。また各種統計データベース上の一意なID情報同士を紐付ける、より目の細かな分析手法と補完的に組み合わせることで、科学技術イノベーションの動態を解析することに寄与すると考えられます。データの可視化に秀でた SPIAS の特徴を活かすことで、共同研究機関同士の連携のもと、今回の試行的な開発をさらに発展していくことを目指します。

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