1. HOME
  2. 研究成果・資料
  3. 成果・資料

成果・資料

科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業を分析するためのエビデンスに関する調査 報告書

文部科学省が毎年行っている、SciREX事業の推進に資する委託調査の令和6年度報告書です。

タイトル

科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業を分析するためのエビデンスに関する調査 報告書

英語タイトル
著者名

公益財団法人未来工学研究所

キーワード
発行日

2025年3月

出版者

文部科学省

シリーズ番号
URL

https://www.mext.go.jp/content/20250526-mxt_chousei02-000006169-01.pdf

シリーズ名

科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業(SciREX事業) 委託調査

概要

 経済や社会が大きく急速に変化していく現代において、複雑化する国内外の諸課題を解決するための科学技術・イノベーション政策(以下、「STI 政策」という。)を実行する際、エビデンスに基づいて合理的な政策形成をする重要性が高まってきている。こうした状況に対応するため、文部科学省では平成 23 年度より科学技術イノベーショ
ン政策における「政策のための科学」推進事業(以下、「本事業」という。)を実施し、STI政策を推進するための基盤的な活動を総合的に支援している。
 一方、本事業を推進し始めて 14 年目に突入したところ、本事業を構想し開始した当初と現在とでは、STI 政策を取り巻く環境や経済、社会そのものが異なっており、それによって事業自体の位置づけや役割が刻々と変容してきたと考えられる。例えば、平成 23 年度には東日本大震災の発生を踏まえ、科学技術イノベーションがいかに社会へと貢献できるのかという問いが本事業の根幹となっていたところ、現在では、年月をかけて構築されてきた基盤的機能をいかに政策へと反映させられるかという問いへと本事業の焦点はシフトしてきたと言える。もちろん一概に焦点を定められるものではないものの、このように時勢や政治体制によって本事業の位置づけや役割は一つに定まらず、変容し続けていると言える。
 加えて、他国における「政策のための科学」をめぐる潮流も混迷を極めている。例えば、本事業は米国における SciSIP を参考にして開始されたと謳われているが、こうした科学への信頼性に関する議論、欧米諸国をはじめ現在でも世界各地で盛んに行われており、実際にこれまで様々な構想や取組が試行されている。最近では令和 6 年 4 月に、OECD が STI政策をめぐるアジェンダとして「OECD Agenda for Transformative Science, Technology and Innovation Policies」を発表したことは目に新しく、特に、AI やシミュレーションを活用したデジタルツイン技術の進展をはじめとして、科学技術・イノベーションや STI 政策そのものの形成に寄与する科学技術・イノベーションの誕生が、よりその分析のあり方を複雑化させている。
 本調査研究は、以上を踏まえ、STI 政策における「政策のための科学」を取り巻く環境がどのように変化してきたのかを調査することで、SciREX 事業による 15 年間の総合的な支援が終了した後にもどういった機能を維持・保存・構築することが望ましいかを明らかにし、継続的な STI 政策を遂行するための「政策のための科学」を今日的に推進していくことができるか、検討するための調査を行うものである。同時に、本事業を外部から俯瞰的に評価する際の参考資料とすべく、その動向をまとめることが、本調査研究の趣旨となる。

アーカイブ