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成果・資料

[CSTIPS Discussion Paper Series 2023-WP01]日本におけるスタートアップ・ベンチャー企業支援政策の課題

CSTIPS Discussion Paper Series は、九州⼤学科学技術イノベーション政策教育研究センター(CSTIPS)における研究成果を広く公開することにより、科学技術イノベーション政策に関する研究者及び⾏政機関並びに同政策のステークホルダーである企業及び⼀般市⺠等からコメントをいただくことを⽬的に刊⾏するものです。論⽂等に述べられている意⾒は、執筆者個⼈として発表するものであり、九州⼤学及び CSTIPS の公式⾒解を⽰すものではありません。

タイトル

日本におけるスタートアップ・ベンチャー企業支援政策の課題

英語タイトル
著者名

永田 晃也(九州大学大学院経済学研究院)
小林稔(北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程)

キーワード
発行日

2024年2月

出版者

九州⼤学科学技術イノベーション政策教育研究センター

シリーズ番号

2023-WP01

URL

https://www.sti.kyushu-u.ac.jp/upfiles/files/CSTIPS%20WP2023-01.pdf

シリーズ名

CSTIPS Discussion Paper Series

概要

 ⽇本政府は、2022年に「第⼆の創業ブーム」を実現することを⽬的として「スタートアップ育成5か年計画」を策定し、スタートアップを10万社創出するという野⼼的な⽬標数値を掲げて⽀援政策を推進している。しかし、そうした⽀援政策の⽴案プロセスは、スタートアップ側の政策ニーズに関する情報・データをエビデンスとした議論が乏しく、わが国ではこの点に関する先⾏研究も限られている。そこで本研究では、全国のビジネス・インキュベーション施設に⼊居しているスタートアップ・ベンチャー企業を対象として、その実態と政策ニーズを把握するための質問票調査を実施した。
 84社から得られた回答データを分析した結果、⼤多数の企業は、創業後の事業初期段階において新たな資⾦調達を課題としていることに加え、販路・顧客拡大、人材の確保・育成、研究開発など多様な経営課題にも直面しており、これに対応するために他社との連携・共同の機会を探索していることが明らかになった。また、半数以上の企業は、資金支援政策の現状を不十分と認識し、申込要件や担保等に関する改善を求めていることが分かった。担保の制約を緩和する新制度として導入に向けた法制化が進められている事業成長担保権については、スタートアップ・ベンチャー企業の間に正確な認知が浸透していないことから、スタートアップ・ベンチャー企業と政策担当者の間に、より緊密なコミュニケーションを構築し、インタラクティブな政策過程を実現することを今後の課題として導出した。

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