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成果・資料

[SciREX-WP-2021-#05] テクノロジーからビジネスへ―デジタル時代のスタートアップ・エコシステム (フルバージョン)

タイトル

テクノロジーからビジネスへ―デジタル時代のスタートアップ・エコシステム
(フルバージョン)

英語タイトル

Startup Ecosystems as Engines of New Growth and Employment

著者名

ビクター・ミュラス, 飯塚倫子

キーワード

フィランソロピー, CSR, 包摂的イノベーション

発行日

2021年12月16日

出版者

政策研究大学院大学 SciREXセンター

シリーズ番号

SciREX-WP-2021-#05

URL

https://scirex.grips.ac.jp/resources/2021/a25503fe50ecaa01ca9b516b513f491b9dab7775.pdf

シリーズ名

SciREXワーキングペーパー

概要

大企業、研究機関、政府しか利用できなかったテクノロジーが個人で利用できるようになるに伴ってテック・スタートアップの設立も極めて容易になっています。こうしたテック・スタートアップは成長が速く、ローカルとグローバルの双方のレベルで新たな競争をもたらし、競争力と雇用の新たな源となり、次世代のグローバル企業にとって重要な最先端のイノベーションと新たなスキルを生み出します。そしてそれに伴って伝統的な企業と産業は破壊されます。
このようなスタートアップの発展には、速いペースで台頭し成長するための知識やアイデア、人材その他のリソースを組み合わせることを可能にする構成要素と支援環境から成るエコシステムが必要となります。都市で、技術的コストの削減と知識の集約が進むと「都市型テック・スタートアップ・エコシステム」構築されます。この点に関し、2015年の研究成果では、都市型スタートアップ・エコシステムと伝統的なイノベーション・エコシステムとの違いについて考察し、イノベーションおよびテクノロジー主導のエコシステムが成功するために必要な構成要素として人材、経済的資産、インフラ、実現を可能にする環境の4つを挙げています。
今回新たな研究の知見として、都市型テック・スタートアップ・エコシステムと以前のモデルとの大きな違いが社会資本という新たな要素への依存度の高さであることが明らかになりました。社会資本とは創業者同士の交流、専門知識・技術、メンターによる指導、暗黙知、市場へのアクセス、資金調達など、ベンチャーを創出して急成長させるために必要なすべての要素と創業者が相互作用することを可能にする、高度な社会的つながりを指します。都市型テック・スタートアップ・エコシステムの主要な機能は、社会資本とミートアップ、アクセラレーターなどを含む強力なスタートアップ・コミュニティを創出することです。このスタートアップ・コミュニティを「ネットワーキング資産」と呼ぶことにしました。
特定のエコシステムを支援するための政策措置を判断する際、ギャップ分析や市場の失敗を評価する必要があります。エコシステムの成熟度を①発生段階、②発展段階、③成熟段階の3段階に分類し、さらに、エコシステムを分析するために4つの要素、スキル(創業者の経験)、支援インフラ(サポートプログラムとリソースの量と質)、資金の投資(入手する資金と、その資金全般の利用可能性)、コミュニティ/社会資本(互いにサポートし合うステークホルダーのネットワーク)を指標として利用しました。この情報をもとに対象となるエコシステムの段階や特定したギャップに応じて、個別のニーズに合うように政策措置を調整することが可能となります。

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