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成果・資料

[SciREX-WP-2021-#03] <善いビジネス>が成功をもたらす―CSR2.0と包摂的イノベーション (フルバージョン)

タイトル

<善いビジネス>が成功をもたらす―CSR2.0と包摂的イノベーション
(フルバージョン)

英語タイトル

Dismantling Inequality through ASSURED Innovation

著者名

R.A.マシェルカー, 飯塚倫子

キーワード

フィランソロピー, CSR, 包摂的イノベーション

発行日

2021年12月16日

出版者

政策研究大学院大学 SciREXセンター

シリーズ番号

SciREX-WP-2021-#03

URL

https://scirex.grips.ac.jp/resources/2021/1083b824030660fe4ba5ed2bee620be3db4719a0.pdf

シリーズ名

SciREXワーキングペーパー

概要

破壊的・包摂的イノベーション(DII)を活用して持続可能な開発目標を推進するために「企業の社会的責任(CSR)」の新たなモデルをインドにおけるケーススタディを元に提案している。インド政府は、2015年から企業の純利益の2%をCSRに使うことを義務付けている。これを「CSR 1.0」とし、「善いことをして成功する」、つまり、財産を増やす機会を平等に生み出すモデルを「CSR 2.0」として提案している。
CSR 2.0は包摂的イノベーションと強く結びついている。包摂的イノベーションとは、「低所得者層もしくはベース・オブ・ピラミッド層(BoP)のニーズを満たすことを直接の目標とした、知識の創造・獲得・吸収・分配の取り組み」のことである。包摂的イノベーションの重点は、「そのニーズにあまり注意を向けられない人々に対して、高性能なプロダクトやサービス、エクスペリエンスを、超低コストで提供すること」にある。そして、CSR 2.0を達成するためには、「ASSURED」なイノベーション(A(アフォーダブル(Affordable:購入しやすい))、S(スケーラブル(Scalable:規模を拡大しやすい))、S(サステイナブル(Sustainable:持続可能な))U(ユニバーサル(Universal:普遍的な))、R(ラピッド(Rapid:迅速な))、E(エクセレント(Excellent:卓越した))、D(ディスティンクティブ(Distinctive:独自の)))が必要だと提唱している。
ASSUREDイノベーションで重要なことは「テクノロジープッシュ・プロダクトアウト」アプローチではなく、「顧客中心のマーケットベース」アプローチに移行し、新興市場のニーズに根付いた世界的に成長するプラットフォームを新たに作り出し、経済ピラミッド全体をまたいだ事業展開を行うことである。これを実現させるには、一定のシェアを奪い合う、という考え方から、大きなシェアをとることに役立つ新市場型・新資金拠出への考え方に移行する必要がある。ここで根本的に重要ことは、幸福、健康、繁栄、平和を享受することは、基本的人権であると認識することである。
また、ASSUREDイノベーションでは政府が3つの大きな役割を果たす。第1に、政府の持つ大きな調達予算によって、最も影響力があり、厳しい要求をする顧客としてイノベーションを促進すること(公共調達)。第2に、規制を設けて間接的に、または、特定のプロダクトやサービスへの需要を変化させて直接的に、イノベーションを促進すること。第3に、標準を定めることで、イノベーションへの需要が作り出し、市場支配力を創出することである。
さらに、ASSUREDイノベーションは次の3点から、どの国でも有用であろう。第1に、アクセスの平等を作り出すことで社会調和をもたらすこと。第2に、手頃な価格でスケールの拡大につながり、人々に平等をもたらすこと。第3に、一流であることで民衆の高品質なプロダクトやサービスに対する願望の高まりに対応し、また、世界市場への輸出競争力強化のチャンスを開くことができるからである。

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