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成果・資料

[CSTIPS Discussion Paper Series 2021-WP01]組織間ネットワークにおける境界固定化の罠

CSTIPS Discussion Paper Series は、九州⼤学科学技術イノベーション政策教育研究センター(CSTIPS)における研究成果を広く公開することにより、科学技術イノベーション政策に関する研究者及び⾏政機関並びに同政策のステークホルダーである企業及び⼀般市⺠等からコメントをいただくことを⽬的に刊⾏するものです。論⽂等に述べられている意⾒は、執筆者個⼈として発表するものであり、九州⼤学及び CSTIPS の公式⾒解を⽰すものではありません。

タイトル

組織間ネットワークにおける境界固定化の罠

英語タイトル
著者名

永田 晃也(九州大学大学院経済学研究院)

キーワード
発行日

2021年3月

出版者

九州⼤学科学技術イノベーション政策教育研究センター

シリーズ番号

2021-WP01

URL

https://www.sti.kyushu-u.ac.jp/upfiles/files/2021WP01.pdf

シリーズ名

CSTIPS Discussion Paper Series

概要

 本稿は、イノベーションの地域的なシステムを構成する組織間ネットワークにおける境界の固定化が、イノベーションに及ぼす影響を明らかにすることを目的に実施した分析の㏿報的な結果報告である。分析に使用するデータは、経済産業省「地域新生コンソーシアム研究開発事業」の終了プロジェクトを対象とする質問票調査により取得した。分析の結果、組織間ネットワークによって取組まれるプロジェクトの成果が実用化に成功する確率は、参加メンバーの固定率に対して U 字型の関係にあることが示された。この事実発見は、参加メンバーの固定性の高さが常にイノベーションに有利に作用するとは限らないことを示唆しているが、他方、メンバー構成には経路依存性が存在するため、境界が固定化する傾向は常に発生し得る。この点に注意を喚起するため、本稿では発見された現象を組織間ネットワークにおける「境界固定化の罠」と呼称した。

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