成果・資料
[CSTIPS Discussion Paper Series 2020-WP01]戦略ポジションと資源ポートフォリオの同時変更 ―特許データによる M&A の効果分析―
CSTIPS Discussion Paper Series は、九州⼤学科学技術イノベーション政策教育研究センター(CSTIPS)における研究成果を広く公開することにより、科学技術イノベーション政策に関する研究者及び⾏政機関並びに同政策のステークホルダーである企業及び⼀般市⺠等からコメントをいただくことを⽬的に刊⾏するものです。論⽂等に述べられている意⾒は、執筆者個⼈として発表するものであり、九州⼤学及び CSTIPS の公式⾒解を⽰すものではありません。
タイトル | 戦略ポジションと資源ポートフォリオの同時変更―特許データによる M&A の効果分析― |
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英語タイトル | |
著者名 | 永田 晃也(九州大学大学院経済学研究院) |
キーワード | |
発行日 | 2020年3月 |
出版者 | 九州⼤学科学技術イノベーション政策教育研究センター |
シリーズ番号 | 2020-WP01 |
URL | https://www.sti.kyushu-u.ac.jp/wp-content/themes/sti/doc/2020-WP01.pdf |
シリーズ名 | CSTIPS Discussion Paper Series |
概要 | 競争戦略論の領域では、競争優位の要因を企業の外部環境に見出す「ポジショニング・アプローチ」と、組織内部に見出す「資源ベース・アプローチ」が、同時追求の困難なオルタナティブとして対峙している。しかし、企業間で行われる合併・買収(M&A)は、企業の内と外との境界を引き直す意味を持つため、当該企業の業界におけるポジションと経営資源を同時に変更する効果をもたらすことから、この点を考慮した戦略的な M&A は、ポジショニング・アプローチと資源ベース・アプローチの同時追求を成立させる可能性がある。本稿では、このような M&A の効果を技術的な側面に焦点を当てて検証した。我々は、EIZO 株式会社が 2007 年に実施した Siemens の医療市場向けモニター事業部の買収を事例として取り上げ、買収前後における特許出願状況と特許シェアの変化を分析した結果、技術的な業界ポジションと特許ポートフォリオにおける戦略的に重要な効果を検出した。 |