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成果・資料

【SciREX-WP】 マイナンバー制度に対する市民の認識

SciREX ワーキングペーパー 「マイナンバー制度に対する市民の認識」を公開しました。
タイトル

マイナンバー制度に対する市民の認識

英語タイトル

Public Perceptions on National ID System in Japan

著者名

森川想

キーワード

国民番号制度, 世論, 個人情報

発行日

2016/3/22

出版者

政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策研究センター

シリーズ番号

#02

URL

https://grips.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1578&item_no=1&page_id=13&block_id=24

シリーズ名

SciREX ワーキングペーパー

概要

「根拠に基づく政策形成」のためには、政策内容に関する科学的知見のみならず、政策実 施に関わるアクターの行動に関する知見の蓄積が不可欠である。本稿では、このうち市民の 政策に対する反応に焦点を当て、マイナンバー制度を対象として実施したオンライン意識 調査の結果を報告する。 回答者は、マイナンバー制度への賛否に関する強い態度を持っていない一方で、制度導入 に伴うメリットとリスクの認識のうち、マイナンバー制度の導入に伴う犯罪への懸念や、個 人情報に関する懸念はマイナンバー制度の賛否を分かつような項目ではなく、むしろ、「行 政手続きの簡略化に対する期待感」と「政府に監視されていることに対する抵抗感」がそう した項目に該当することが明らかとなった。また、回答者は、制度の納税面における影響に ついて一定程度の理解を持っているにもかかわらず、マイナンバー制度の導入による財政 上のメリットは制度への賛否と関連を持っておらず、制度は個人情報の社会的な活用に理 解を示す回答者に主に受け入れられ、情報の個人的な利用に理解を示す回答者から受け入 れられているわけではないことが分かった。 行政サービスは一般に公共性を持ったものである以上、マイナンバー制度の個人的な利 益を強調する戦略には限界がある。本分析の結果から、制度の広報戦略に対する含意として、 社会的な利益が最終的に個人の実生活に還元されることを強調する必要性が示唆される。

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