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成果・資料

【SciREX-WP】 科学技術イノベーション政策における政策オプションの作成 -政策シミュレーターの構築- (モデル構築編)

SciREX ワーキングペーパー 「科学技術イノベーション政策における政策オプションの作成 -政策シミュレーターの構築- (モデル構築編)」を公開しました。
IoT の経済効果を応用一般均衡モデルを用いて解析するための、理論モデルの構築が本論の主な目的です。
タイトル

科学技術イノベーション政策における政策オプションの作成 -政策シミュレーターの構築- (モデル構築編)

英語タイトル

Policy Option Simulator for Science, Technology and Innovation Policy (1. Theoretical Framework and Model Formulation) 

著者名

黒田昌裕 池内健太 原泰史

キーワード

IoT, General Equilibrium, Input-Output Table, R&D, Innovation Policy

発行日

2016/3/22

出版者

政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策研究センター

シリーズ番号

#01

URL

https://grips.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1575&item_no=1&page_id=13&block_id=24

シリーズ名

SciREX ワーキングペーパー

概要

本研究は、科学技術イノベーション政策の社会的・経済的な効果・影響を定量的に評価するた めに、モデルを開発することによって、所定の政策目標の達成のために、とりうる複数の選択可 能な政策手段の経済社会的な効果・影響を比較検討できるかたちで提示することを目的とする。 本研究ではそれを、政策オプション(Alternative Policy Options)の作成と定義する。 具体的には、科学技術の特性とその経済社会的な影響を産業部門別にとらえる分析ツールとし て、経済の一般的相互依存関係踏まえた政策影響評価モデルを作成し、それによって定量的に政 策の影響評価を行う。それを「政策シミュレーター」と呼ぶ。産業の技術特性を投入・産出の構 造として捉え、その技術特性が有形固定資産投資や無形固定資産としての知識資本投資の拡大に よって変化し、経済の一般的相互依存の関係 (General Interdependency of Economy) を通じて、 経済・社会に与える影響をフローおよびストックの構造の両面から陽表的にとらえる多部門経済 一般的相互依存モデルを構築する。外生的に与えられる技術シナリオ(科学技術および社会技術) に関して、その影響を特段何らかの政策的処置をしなかった場合(BAU: Business as Usual)の 経済社会の姿を基準ケースとして、各種の指標で比較検討することによって、経済社会の変化方 向を描く。その BAU ケースならびに他の政策オプションとの比較によって、技術発展の経済的 社会的影響の功罪を評価した上で、その影響の良い部分を伸ばし、悪い部分を是正する可能性を、 追加的に与える幾つかの政策手段の組み合わせによって探る。 本シミュレーターを通じて、複数の政策手段に対応した経済社会的影響が比較可能なかたち(政 策オプション)で、選択のための議論の材料として提供される。したがって、ここで作成するシ ミュレーターは、複雑な現実の経済社会の構造を模した政策評価のための実験ツールである。こ うした実験ツールは現実の経済社会の構造を可能なかぎり反映していることが望ましいし、その 意味で現実の経済社会の観測に基づいてシミュレーターの構造が描かれることが必要である。特 に、近年の情報科学の進歩が、従来の経済社会の観測の精度をはるかに凌駕する観測結果を入手 することを可能としている。いわゆる、公式統計の個票情報、パネルデータやビッグデータと呼 ばれる観測値である。そこから得られる観測情報が、シミュレーターの精度を向上させることは 疑いない。シミュレーターの精度の向上は、作成される政策オプションとしての価値を高めるこ ととなり、政策オプション作成の好循環が、エビデンス・ベースの政策を推進するための「政策 の科学」の確立に結びつくであろう。ここでは、分析対象として、これまでの政策評価モデルの 検討成果iを踏まえ、情報科学技術(Information Communication Technology; ICT)に係わる政 策の影響評価を取り上げる。 

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