欧州連合（EU）における「政策のための科学」に関する取組動向からの学び

野呂 高樹

2024年7月

行政管理研究センター

第70号

https://www.iam.or.jp/quarterly/ev070.html

評価クォータリー

科学は、政策立案者が政策や社会の複雑な課題を理解し、効果的に取り組むことを支援する上で、極めて重要な役割を果たしている。科学は、様々な政策の選択肢を評価し、エビデンスに基づいた解決策を考案する手助けをする。科学的根拠に基づく政策立案、あるいは政策のための科学とは、利用可能な最善の科学的根拠、知識、専門知識を政策立案に活用し、公共政策の質、有効性、効率性、影響力（impact）の向上を目指すものである。
2023年はEUにとって「政策のための科学」に関する取組が追い風を受けている状況であったと言える。そこで本稿では、EUにおける「政策のための科学」に関する諸取組や動向を概観し、それらからの学びとして我が国で確認・検討すべき事項や問いを述べたい。