お知らせ
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2018年05月31日
【開催報告】第24回SciREXセミナー 『医療の質、横たわる地域格差をどう乗り越えるか』を開催しました。
RISTEX-社会技術研究開発センター, SciREX-科学技術イノベーション政策研究センター
日時 | 2018年4月20日 (金) 18:30-20:00
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場所 | 霞ヶ関ナレッジスクエア エキスパート倶楽部
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主催 | 政策研究大学院大学 科学技術イノベーション政策研究センター |
話題提供者 | 今中 雄一(京都大学大学院医学研究科 教授) |
モデレーター | 山縣 然太朗(山梨大学大学院総合研究部医学域 教授) |
参加者 | 35名(関係府省、研究機関、大学、民間企業、報道機関、学生等) |
概要 | 冒頭では医療の質を測る手段がこれまでどのように発展してきたのか、歴史的な経緯に加えて日本で行われてきた取り組みをご紹介しました。
例えば患者さんの移動状況を可視化し、拠点病院の配置や拠点同士の連携をどのように最適化していくのか、自治体と協力して検討する取り組みが行われています。
今回のセミナーでは、これらの情報を共有するうえで見えてきた「壁」を取り上げました。医師や地方自治体、首長などにアンケートを取ってみると、医療の質の可視化に諸手を上げて賛成するわけではないのが実態です。公表したデータがどのような意味を持つのか、補助的な情報発信の必要性や単純比較の危険性が指摘されています。加えて一般の方の意識調査をしてみても、欧州と比較すると地域の医療成績を公開するべきだとの回答が少ない、という実情が明らかになってきました。
人口減少社会の中、限りある医療資源で効率的な医療システムを構築することは、急を要する課題です。一方で、そのための根拠を提示するプロセスにも課題があることが改めて浮き彫りになった発表でした。
質疑応答では、医療現場で働く方から「様々な指標や情報が提供されているのだが、どのように実務へ生かしていいかわからないでいる」、「ステークホルダー間でコンセンサスを取ってからこの種の情報を公表するか判断するというプロセスをとったのはなぜか?」といった様々なコメントが寄せられました。
今回ご報告した研究は、JST社会技術研究開発センターの「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」で採択されたものです。2015年10月~2017年9月まで実施されました。(https://www.jst.go.jp/ristex/stipolicy/project/project19.htm)
(文責:SciREXセンター事務局)
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配布資料 |
当日の発表資料は以下よりご覧いただけます。
今中 雄一 教授(京都大学大学院医学研究科) 資料
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