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お知らせ

お知らせ

2018年03月16日

【開催報告】第23回SciREXセミナー 『いま、あらためて日本のレジリエンスを考える   ~もう想定外とは言わせない~』を開催しました。

RISTEX-社会技術研究開発センター, SciREX-科学技術イノベーション政策研究センター

東日本大震災後、個別の災害ごとに対策を講じるのでなく災害を包括的に捕らえ国家レベルで対応する「オールハザードアプローチ」の重要性が指摘されています。今回のセミナーで取り上げた古田教授のプロジェクトでは、さまざまな都市機能の相互依存性に着目し、災害が起こった際にインフラと市民生活の復旧過程をシミュレートできる「オールハザードアプローチ」に対応したツールを開発しました。エネルギー需要、交通物流、上下水道、情報通信ネットワーク等の重要インフラ相互の複合的な関係性に加え、経済活動などのサービスを含めモデル化しているのが特徴です。

セミナーではシミュレーションモデルのご紹介と、分析結果に基づきシミュレーションをどのように活用していくのか、今後の取組みも含めてお話いただきました。

日時

2018年3月12日 (月) 18:30-20:00

場所

霞ヶ関ナレッジスクエア エキスパート倶楽部

主催

政策研究大学院大学 科学技術イノベーション政策研究センター

話題提供者

古田 一雄(東京大学レジリエンス工学研究センター センター長)

モデレーター

森田 朗(津田塾大学 教授、政策研究大学院大学 客員教授)

参加者

43名(関係府省、研究機関、大学、民間企業、報道機関、学生等)

概要

古田教授は「これまで欧米で行われてきた取り組みは単なるライフライン同士の相互依存性解析にすぎません。産業や市民生活といったサービスも考慮したモデルに拡張することで、生活者の観点からレジリエンスを評価することが重要でしょう。」とツールの重要性を強調します。



一方で残されている課題についても「政策形成への実用性を高めるためには、交通・物流だけではなく、医療や金融といった具体的なサービスも念頭に入れることが必要です。モデルによりリアリティを持たせるためにはまだまだできることがあります。」と説明。実用化に向けどのように研究を進めていくか、制度や人材育成の面も合わせてご発表いただきました。

実際のインフラデータを入手するのが困難な点にも触れ、「オールハザードアプローチ」の導入にはファンドと人材、国全体としての取り組みが必要であると参加者に訴えました。

 

続くディスカッションでは、「東京都心を想定したシミュレーションであるが、地方での実用も念頭にいれているのか。社会実装し全国展開するには、それぞれの地方のインフラ環境なども考慮する必要があるのではないか。」とのコメントが挙がりました。また、シミュレーションツールについても、「オールハザードとはどれくらいの規模のものを想定しているのか。」「道路やインフラには高さや深さといった3次元の要素を入れた方がより現実的なモデルになるのでは?」といった具体的な質問が多く寄せられました。

 

今回ご報告いただいた内容は、JST-RISTEXが新しく立ち上げた成果発信ウェブサイト「POLICY DOOR ~研究と政策と社会をつなぐメディア~」 でも紹介しております。

ぜひご覧ください。(文責:SciREXセンター事務局)


配布資料

当日の発表資料は以下よりご覧いただけます。



古田 一雄 先生(東京大学レジリエンス工学研究センター センター長) 資料

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