DX、AI、IoTなどの新興技術が新しい経済社会システムを形成しつつあります。新興技術は利用者に新たな可能性を与える一方で、セキュリティー、プライバシー、安全性といったリスクも兼ね備えています。このため、不確実性の高い新興技術の導入にはルール形成が欠かせません。特に、技術の進化、利用者への伝播、それによって形成されるプラットフォームが経済社会へ与えるインパクトがグローバルに加速化している今日、ルール形成の重要度は高まりつつあります。
今回のセミナーでは、Technovation誌に発表された’Regulation and innovation under the 4th industrial revolution: The case of a healthcare robot, HAL by Cyberdyne’の著者 池田陽子氏(共著:飯塚倫子)をお招きし、サイバーダイン社のヘルスケアロボットの事例をもとに、近年のルールメイキングの変化や政策のあり方を論じます。続いて、 OSINTech社の小田真人代表取締役お招きし、AIを活用したルールや規制の兆し情報を可視化するツールを「RuleWatcher」紹介します。世界の議会、政府に加え、国際機関などが発信する、ルールや規制の関連情報を随時自動収集、自動翻訳し、AIによって可視化することで、言語障壁を超えたルールに関するトレンドの定量的把握を可能にしています 。
発表の後、これからますます重要となるルールメイキング研究・政策の方向性と、トレンドを可視化するツールが研究にどのように活用できるのか、参加者も交えて活発な議論を行います。