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2021年01月22日-

【開催: 2021年2月5日(金)】第3回SciREXオープンフォーラム「科学技術イノベーション政策の新展開」シリーズ第六回『変わりゆく科学技術イノベーション政策の エコシステムと人材育成』

STiPS-公共圏における科学技術・教育研究拠点(大阪大学/京都大学), SciREX-科学技術イノベーション政策研究センター, 文部科学省

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[開催報告] 

スタートから10周年を迎える「科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業(SciREX事業)」。SciREX事業では、科学技術政策とそれに繋がる研究の推進を行うと同時に、全国の6つの大学で教育プログラムを開講し、さらに行政官のための研修も行っています。SciREXの研究や教育プログラムに関わった方々にフォローアップ調査の結果、「政策のための科学」に必要な人材像が明らかになってきました。202125日に開催したシリーズ第6回セッションでは、このSciREX事業10年間の活動からの成果を踏まえ、これからの5年間に向けて「求められる人材・能力」について海外からの事例をもとに議論しました。

この『変わりゆく科学技術イノベーション政策のエコシステムと人材育成』と題して開催された第6回セッションでは、政策研究大学院大学の飯塚倫子教授の司会で、デンマーク、コペンハーゲン・ビジネススクールSusana Borras教授と世界銀行東京開発ラーニングセンター(TDLC)のVictor Mulas氏をお招きし、これから社会課題に取り組むために「変わりゆく(トランスフォーメーション下における)科学技術イノベーション政策」に必要となる人的資本、能力に議論の焦点を当てました。

モデレータの飯塚教授からは、SciREXの人材育成プログラムのフォローアップ調査の結果において、STI人材に求められる能力として、「研究と実践をつなげる力」、「基礎能力と政策のための知識」、「さまざまな分野にわたる知識」、「さまざまなステークホルダーを巻き込む力」、「積極的に動く力」が挙げられたことが報告されました。

続いて、Borras教授はパブリックアクターに「求められる人材・能力」をGreen Transformation の事例から「組織に関わる力(組織力)」、「様々なレベルでの調整能力」、「実装能力」、「(安全基準を設ける等」規制サイドの能力)の4つの能力に概念整理されました。

Mulas氏は、発展途上国のパブリックアクター能力向上のために行っている、TDLCの活動経験から、必要な能力として、「知見を集めるの能力」、「分析や調整の能力」、「実務の能力」、「(コミュニケーションなどの)特定の能力」を挙げました。世界銀行では、融資を行う際、パブリックアクターの欠如している能力を補うために、TDLCを活用しているのです。裏返せば、これら能力の向上は、さまざまな自治体、都市が直面している課題を克服するために求められているものの、きちんと対応し切れていない部分とも言えます。

セッション後半の議論では、登壇者それぞれの示した点の、類似性について話し合われました。その中で、主体的に行動できる能力、多分野におけるステークホルダーを調整する能力は、分野横断的に新しい技術を社会で活用するにあたって非常に重要度を増していく点、また、現状を正しく分析し、研究成果をきちんと実務につなげる能力は、獲得するには難しい点ではあるものの、不可欠であるという指摘がなされ、議論が終了しました。

本セッションの公開資料はこちらをご覧ください。

飯塚先生発表資料: PPTizuka PPT.pdf

Borras教授発表資料:Borras presentation Capacity SCIREX Japan.pdf
※12、13ページはビデオが添付されておりましたが、システムの関係上閲覧できないことをご了承ください

Mulas氏発表資料:PPTMulas GRIPs.pdf


概要

今回のセッションでは、これから社会課題に取り組むために「変わりゆく(トランスフォーメーション下における)科学技術イノベーション政策」に必要となる人的資本、能力に議論の焦点を当てます。登壇者のデンマーク、コペンハーゲン・ビジネススクールSusana Borras教授からは「求められる人材・能力」の概念をGreen Transformation の事例を参照にご説明していただいたのち、世界銀行東京開発ラーニングセンターのVictor Mulas氏にはSmart City Initiativesなど日本国内外の事例を通じての知見を共有いただき、GiSTの飯塚倫子教授の司会のもと、これから日本におけるSTI人材に求められる能力についての議論を行う予定です。このセッションを通じて、これからの日本で行うべくSTI人材育成、必要な能力などの理解と議論を深めることを目的とします。

本セッションのチラシはこちらからご覧ください。

講演者情報

パネリスト:
Susana Borrás, Professor of innovation and governance at Copenhagen Business School, Denmark.
Victor Mulas, Team lead of Tokyo Development Learning Center (TDLC), The World Bank

モデレータ:
飯塚 倫子 政策研究大学院大学 教授


日時

2021年2月5日(金)18:00~19:30
参加費無料(事前登録制)

場所

Zoomにて開催

言語

日英同時通訳

主催

政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策研究センター(SciREXセンター)

共催、協力

文部科学省、SciREX拠点大学・関連機関

参加申し込み、お問合せ

【申込】https://www.scirex-openforum.info/
【お問い合わせ】オープンフォーラム運営事務局:scirex-openforum@nagoya-nsc.co.jp

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