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2019年09月03日-

シンポジウム:第2回先端医療におけるイノベーションとレギュレーションの共進化

RISTEX-社会技術研究開発センター

 科学技術イノベーションの成果を先端医療に応用していくためには、それが安全で有効であることを担保する「レギュレーションのイノベーション」を同時に起こしていく必要があります。そのようなイノベーションとレギュレーションの相互作用を萌芽的技術発生の初期段階から進めていくための「社会システム: システム・オブ・システムズ(Society 5.0)」を考えるシンポジウムです。
 第2回となる今年は、まずセッション1にて、「エビデンス」と「プロセス」の関係、特にレギュレーションのための技術予測で観測されるエビデンスが規制整備のタイミングをどこまで示唆するか、またエビデンスありきでスタートする場合にルール整備の透明性を高めてかつ効率よくルールを策定していくためのプロセスはどうあるべきかに焦点を当て、RISTEXプロジェクトにおける研究成果(「ルール組成のためのルールの整備」=「プロセス定義」の必要性に関する論点整理)をベースに問題提起を行い、様々な立場・経験を経た専門家からご意見をお伺いします。
 特に、バイオマーカー、動物モデル、臨床効果の評価(Clinial outcome assesment)の3つの分野では、これらを用いた新しい評価技術を医薬品や医療機器の薬事申請データに使っていくための、新たな認証システムの構築が欧米で始まっており、Drug Development Tool Qualification Program(DDT), Medical Device Development Tool Qualification Program(MDDT)に対する申請が、米国ではバイオマーカーだけで80件程度も行われ、新たなバイオマーカーの評価手段としての認知が進められるなど、医療評価技術におけるルール・オブ・ルールのシステム設定と運用が進展してきており、同様の認証システムを持たない日本はどうするのかが問われております。特に人工知能やデータサイエンスを含む情報技術、材料技術、電子技術など先端医療に利用できる技術の保有者は多様化しており、新たな評価方法を開発したイノベーターがその評価手段をレギュレーションに使えるように、自らが動ける手段が用意されているのと、いないのでは評価技術の普及の程度は全く異なると考えられます。ルール・オブ・ルールの整備は、透明性と効率性を担保しながら、イノベーターとレギュレーターの関係を次の段階に引き上げる効果があり、ルール作成におけるイノベーターの積極的な関与が期待できるのです。

 セッション2では、そのプロセスを担う組織のあり方についてRISTEXプロジェクトでの成果をもとに、特に日本発の技術に対する日本発のルールを国際的に普及させていくための仕組みについて、技術標準と薬事規制の両面からその活動を支える組織や活動のあり方について、RISTEXプロジェクトで「境界組織」と呼んでいる媒介型の組織を実際に運営している方に、国内ルールと国際ルールの整備を連動させる部分にフォーカスをあててご議論頂きます。
 最後に、イノベーションとレギュレーションの相互作用のあり方について総合的なディスカッションを進めます。「レギュレーションを制する者はイノベーションを制する」の例えもあるように、イノベーションの議論は、レギュレーションの議論と表裏一体であり、効率的かつ透明性の高いレギュレーションを組成する社会システム構築のための論点整理を試みます。

概要

href="http://www.bioip-lab.org/sympo/index.html

講演者

パンフレットをご覧ください。

日時

2019年9月19日(木)13:00-17:30

場所

東京大学医科学研究所 講堂(1号館1階)

言語

日本語/英語(同時通訳有)

主催

東京大学大学院新領域創成科学研究科
神奈川県立保健福祉大学
イノベーション政策研究センター

後援

JST-RISTEX「科学技術イノベーション 政策のための科学 研究開発プログラム」
公益財団法人医療機器センター

共催

東京大学医科学研究所
国際共同利用・共同研究拠点事業
東京大学博士課程教育リーディングプログラム
「社会構想マネジメントを先導するグローバル リーダー養成プログラム」
( 第 117 回 GSDM プラットフォームセミナー )

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