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2019年02月05日-

第73回STIG PoPセミナー/データ契約の将来と展望

RISTEX-社会技術研究開発センター, STIG-科学技術イノベーション政策の科学教育プログラム(東京大学)

概要

データ契約への関心が高まっている。日本では、経済活動の糧を「リアルデータ」に求める動きが急である。たとえば、2018年6月15日に閣議決定された「未来投資戦略2018-「Society 5.0」「データ駆動型社会」への変革-」では、サイバーセキュリティ対策に万全を期しながらそのデータ利活用基盤を世界に先駆けて整備することが高らかに謳われている
。端的に言えば、21 世紀のデータ駆動型社会では、経済活動の最も重要な「糧」は、良質、最新で豊富な「リアルデータ」で、データ自体が極めて重要な価値を有することとなり、データ領域を制することが事業の優劣を決するという。ものづくり、医療、輸送など、現場にあるリアルデータの豊富さは、日本の最大の強みであり、サイバーセキュリティ対策に万全を期しながらそのデータ利活用基盤を世界に先駆けて整備することにより、新デジタル革命時代のフロントランナーとなることを目指す、とされている。
 
「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」は、データ利活用基盤の中でも最も核心的なものの1つである。世界に先駆けて策定された詳細な同ガイドラインでは、民間事業者等が、データの利用等に関する契約やAI技術を利用するソフトウェアの開発・利用に関する契約を締結する際の参考として、契約上の主な課題や論点、契約条項例、条項作成時の考慮要素等が整理された。データ利用に関する契約について、これほど詳細なガイドラインは世界に例を見ない。
 
同ガイドラインは、国内の当事者同士だけでなくクロスボーダー取引についても想定しているものの、契約を取り巻く環境は急速に変わりつつある。たとえば、IoT、AI 等の情報技術が進展する第四次産業革命を背景に、ビッグデータ等の利活用推進を目的として、いわゆる「限定提供データ」の不正取得、開示等の行為が「不正競争」行為に位置付けられ、これに対する差止請求等の民事上の救済措置が平成30年の改正不正競争防止法により新設された。また、IoTやAI等の技術革新によってデータが爆発的な増加に伴い、事業者間の垣根を超えたデータ連携により、新たな付加価値の創出や社会課題の解決が期待されているのは、日本だけではない。海外でも、データ契約への関心は高まっている。欧州でも、簡易なガイドラインが公表され、欧米ではスマート・コントラクトに関する議論がすでにはじまっている。個人情報をはじめとする重要データのクロスボーダー移転についても、EUのGDPR、中国のサイバーセキュリティ法、米国カリフォルニア州の消費者プライバシー法など、近年より急速な変化が見られ、海外事業者とのデータ契約にあたってはこうした世界の法制度に関する理解も不可欠となる。 以上のような背景を受けて、今回のワークショップでは、データ契約の未来について、専門家とステイクホルダーの方々にお集まりいただき、あるべきデータエコノミー社会に向けて議論を深めたい。
 
講演者
パネリスト(50音順)
内田  誠 iCraft法律事務所(アイクラフト法律事務所)弁護士・弁理士
城山 英明 東京大学大学院法学政治学研究科 教授
羽深 宏樹 経済産業省 商務情報政策局情報経済課 課長補佐 弁護士
安平 武彦 経済産業省 商務情報政策局情報経済課 課長補佐 弁護士
 
モデレーター
佐藤 智晶 東京大学公共政策大学院特任准教授/青山学院大学法学部准教授
日時

2019年2月25日(月) 18:00~19:30

場所

リファレンス新有楽町ビルY203号室

言語

日本語

主催・共催
主催:東京大学 科学技術イノベーション政策の科学(STIG)教育・研究ユニット
共催:先端医療のレギュレーションのためのメタシステムアプローチ(JST-RISTEX 科学技術イノベーション政策のため科学 研究開発プログラム)

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