1つのプロジェクト内で複数の研究が遂行されているようなプロジェクトのスタイルが多くなっていますが、このようなプロジェクトでは複数研究統合のマネジメント力も問われます。
今回は、3つの方法論を有機的に組み合わせて「科学技術への社会的期待を可視化・定量化する手法」を提示しようとしている以下のプロジェクトを紹介していただき、3つの方法論がどのような相乗効果を生んでいくことが期待されるのかといった点について、政策立案者や種々のステークホルダーなどから広くご希望やご意見をいただく機会を設けたいと思います。このようなディスカッションは、複数研究の統合を目指す、他の研究プロジェクトの実施においても参考にもなると思われます。
どなたでも、ご興味のある皆様のご参加をお待ちしています。フランクな議論の場ですので、どうぞお気軽においでください。
【参考1:プログラム全体と本サロンの位置づけ】
JST社会技術研究開発センター「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」(https://www.jst.go.jp/ristex/stipolicy/index.html)では、客観的根拠(エビデンス)に基づく政策の企画立案や、その評価及び検証の結果を政策に反映することを目的として、平成23年度から11の研究開発プロジェクトがスタートしています。約2年が経過した6つの各プロジェクトについては途中成果を公開して、政策担当者や研究者と情報や問題意識を共有し、現実の政策形成に活用できるプログラムにするための議論を深めたいと考えています。
今回は、その第4回目のプログラムサロンとして、以下のプロジェクトを取り上げます。
【参考2:本プロジェクトの概要】
「科学技術への社会的期待の可視化・定量化手法の開発」
(研究代表者 慶應義塾大学総合政策学部 准教授 玉村雅敏)
多様な社会課題により深く直面していく日本においては、限られた社会的資源を効果的に投入し、高い社会生産性を実現し、様々な社会課題を解決していくことが求められ、そのためには「技術イノベーション」と「社会イノベーション」の両面の相乗効果が重要となる。本プロジェクトは、社会課題解決に関する国民の社会的期待を可視化する手法や、科学技術が社会にもたらす変化や受益者に対する便益を定量的に評価する手法といった、科学技術への「社会的期待」を可視化・定量化をする手法を開発に取り組み、手法を活用した結果として得られる情報を共通基盤とし、科学技術と社会の相乗効果を加速させることを促す。具体的には、社会科学領域で実践的に研究されてきた3つの概念や手法(政策マーケティング手法、討論型世論調査、SROI分析手法)を科学技術イノベーション分野への導入を検討することで、科学技術の開発やその実装による社会課題解決への貢献などを可視化・定量化する手法を開発し、客観的根拠に支えられる科学技術政策の展開可能性を高めることに取り組む。 |