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口頭発表

遊戯用機械器具分野における異分野技術の融合による新製品開発

タイトル

遊戯用機械器具分野における異分野技術の融合による新製品開発

英語タイトル
著者名

廣瀬正幸

キーワード
発行日

2017年10月28日

出版者

研究・イノベーション学会

シリーズ番号

32

URL

http://hdl.handle.net/10119/14850

シリーズ名

年次学術大会講演要旨集

概要
研究・製品開発の初期の段階において、技術的に親近性のある隣接分野の技術を参照することはよく行われる手法である。そのような隣接分野や他分野の技術の蓄積と発展の過程をレビューすることは、限られた研究資金で知識を効果的に入手する上で有益であり、何よりも、資源の有効活用に繋がる。このようなアナロジカルな発想を研究・開発に導入する試みは既に多くの提案がなされているが(注1~2)、汎用的かつ実用的に利用可能な手法は限られている。当業者においても意外と知られていない隣接分野をもっと効果的かつ横断的に探索する方法はないのか?これが本稿の問題意識である。ここでは、日本を代表する産業の一つになり、世界でも知られるようになった弾球遊技機に着目する。弾球遊技機は今から 100 年以上前、欧州に起源を有すると言われているが、大正時代に日本製の遊技機が誕生した以降、数々の規制とそれを凌ぐ技術開発により独自の発展を遂げ(一時は 34 兆円産業に成長)、現在に至っている。
 
私はまだ弾球遊技ホールに足を踏み入れたことがないが、年間約8千件もの特許出願を生み出すその原動力に以前より関心があった。どれほど他分野との技術融合が行われているかという点での関心である。通常、この種の関心は国際特許分類(“IPC”)の発明情報及び付加情報を見れば、ある程度わかる分野もあるが、弾球遊技機の IPC_A63F7/02 を筆頭分類に持つ特許出願の約 99%が他のIPCセクションへの参照がなく(注3)、あたかも独自の発展を遂げているようにも見える。
 
しかし、発光装飾や演出表示に工夫を凝らす昨今の弾球遊技機は他分野の種々の技術と接近しているように思えてならない。その一つが、自動車の技術分野である。一見すると、弾球遊技機と自動車は全く異なる技術分野のようであるが、個々の要素で見ると課題と技術が共通するものが少なくない。