新型コロナウイルス感染症による暮らしへの影響分析-オントロジー工学による接近
実施体制
研究実施者
氏名 | 所属・役職 |
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諸賀 加奈 | 九州大学 客員助教 |
古川 柳蔵 | 東京都市大学 教授 |
永田 晃也 | 九州大学 教授 |
小林 俊哉 | 九州大学 准教授 |
栗山 康孝 | 九州大学 学術研究員 |
行政担当部署
部署 |
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文部科学省高等教育局高等教育企画課ほか文部科学省関係部局 |
プロジェクト概要
本研究では新型コロナウイルス感染症に係る社会的変化、地域差や関係機関の方針の違い等により、人々の価値観や行動にどのような影響を与えてきたのかオントロジー工学及び経済学的視点を用いて分析する。
政策課題
新型コロナウイルス感染症拡大により、それまでのありふれた日常は一変し、人々の生活や価値観に大きな変容をもたらし、また本来なら経験できた様々な経験や機会を逃してきたと考えられる。コロナ禍での社会的課題の1つとして学生生活への影響が緊急を要しており、本プロジェクトではオントロジー工学を用いた大学生活への影響に焦点を当て、分析を行う。本プロジェクトでは学生の生活実態を把握し、現状をより改善する方策を考察することで、次なる感染症拡大等の国家的な危機に直面した場合やポストコロナへの適切な対応を検討する。
具体的な研究計画
令和3年度(1年目)は、緊急事態宣言等が暮らしにどのような効果・影響を与えたのかを考察し、さらに、これまで緊急事態宣言などの政府において実施された感染症対策への国民の受け止めを分析することで、次なる感染症拡大等の緊急事態が生じた際の対応における示唆を得ることを目標に実施してきた。2年目は、大学教育に焦点を当て、コロナ禍の大学生活への影響や学生の受け止めを分析することにより、次なる感染症拡大等の緊急事態が生じた際の大学及び行政の適切な対応についての示唆を得ることを目的として実施する。本研究では学生を取り巻く多様な主体の影響や教育のデジタル化、大学の方針の違いなど、コロナ禍での影響についてオントロジー工学的行為モデルに基づき、学生の属性やコロナ禍前との大学生活の比較、緊急事態宣言対象地域と対象外地域に居住する学生による捉え方やその背景にある価値観の概念体系を明らかにする。
- ①新型コロナウイルス感染拡大の大学生活への影響についての実証分析 ヒアリング調査を実施し、それに基づいてプレアンケートを行う。このプレアンケートは、オントロジー工学の考え方に基づき、学生の行動をゴール、行為、方式、不具合等の要素で記述可能となるように質問項目を設計する。プレアンケートで構築した仮説により、本アンケートを実施し、実証分析を行う。
- ②次なる感染症拡大等の緊急事態の際やポストコロナへの対応に関する知見の取りまとめ 同様の感染症拡大等の緊急事態が生じた際の対応への示唆を含め、今後どうすべきかを推論するための知見の蓄積、本プロジェクトでの知見を今後の政策提言として活かすことを想定する。