科学技術イノベーション政策プログラム(Gist)
開講から9年目。
人材育成の総合拠点としての
次なる展開
政策と研究の「緊張感ある協働」と、人的ネットワークの拡大を目指して
これまで日本の科学技術イノベーション政策では、政策の現場と研究の現場が切り離されていました。この構造自体を変えていくべく、GiSTでは今後も、行政と研究が協調関係を有する形を目指していきます。『政策のための科学』事業開始当初は行政官が利用しやすいエビデンスを作るという枠組みが中心的な感じがありましたが、最近では教員と行政官とがともに課題設定をして分析していったり、それを政策に生かしたり、両者が協働していく状況が変わりつつあり、学生にも是非そこに参加して欲しいと思います。
一方で大事な姿勢として、行政のために研究する訳でもないし、行政も研究のために情報提供する訳ではなく、両者がある程度の緊張関係を持ちながらも協調していく形をつくっていくべきだと考えています。
2020年度から新しいプログラムが始まりましたが、より多くの関係者が科学技術イノベーション政策について体系的な知識を学べるように、さまざまな機会を提供していくということが総合拠点としての今後の方向性の大きなところです。事業が始まってから10周年をむかえて授業内容は充実し、深化してきました。今後はさらに多くの人材を育成して、国内外含めてネットワークの拡大を目指していきます。
語り手
林 隆之
政策研究大学院大学 教授
研究活動および科学技術政策の評価システム・手法・指標を研究対象としており、文部科学省、内閣府、国立大学協会などの審議会や評価関係の委員会の委員を複数務める。2018年より現職。GiSTの教育プログラム改変に携わる。