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SciREXセミナー 開催50回記念コラム SciREXセミナーのこれまで、これから

~50回を超えた過去のテーマと登壇者、参加者を振り返る~

過去51回の登壇者を振り返る

8年間の登壇者は、モデレーターやファシリテーターも含めると、計131名に上ります。SciREX事業の研究者や行政官以外にも、それぞれの回の目的に応じて企業や地方自治体の方々を招くことで、「多角的な観点から政策課題を理解し、政策形成と政策研究の進化を促すこと」「関係者間のネットワーク形成の促進」というSciREXセミナーとしての目的の達成も目指してきました。

登壇者の属性と全体に占めるその割合

一方で、その目的に照らすと、企画段階での課題も伺えます。例えば、登壇者の内で男性の占める割合が80%にもなっていて、近年ではさらに増加傾向にあることなどです。第5次男女共同参画基本計画においては、「国際社会において、2030年までにジェンダー平等の達成を目指していることも踏まえ、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が 30%程度となるよう目指して取組を進める。」と明記されています。今後、ジェンダーバランスへの配慮や若手登用といった多様性の観点を一層大切にしていくことが必要と考えます。

SciREXセミナー登壇者の男女比の推移

過去51回の参加者を振り返る

冒頭でも述べた通り、SciREXセミナーのこれまでの参加者の数は2800名を超えます。参加者の属性を開催形態の違いで比較すると、オンライン開催になってからは大学・公的機関、民間企業・団体など、行政側の立場でない参加者の割合が増えていることがわかりました。

対面開催とオンライン開催における参加者属性の比較。なお、前者に関しては第29~31回、後者は第38回SciREXセミナーのデータを含まない数字です。

行政側の参加者は、割合としては下がっているものの1回あたりの参加者数でみると、例えば文部科学省だと8.4人(対面)から12.4人(オンライン)へと増加しています。海外を含めた遠隔地からもより多くの方にご参加いただけていることから、オンライン化によってより多様なステークホルダーを巻き込むことができているといえるでしょう。しかしながら、開催後のネットワーキングの時間を十分に確保できていないといった課題もあります。今後は、企画の目的に応じてオンライン形式を活用していく予定です。

SciREXセミナーのこれから

SciREXセミナーはこれまでに情報発信やネットワーキングの場として重要な役割を果たしてきました。SciREXセミナーや他の催しで行政官が話題提供をしたことがきっかけとなり、行政官と研究者の共同研究につながった事例もあります。セミナーや催しの一つ一つは小さなものかもしれませんが、これらを複数生み出す基盤整備が肝要です。

2011年に始まったSciREX事業も残すところあと3年となりました。2023年度は事業第3期の折り返し地点にもあたります。今後、政策形成と政策研究の共進化を一層促していくことはもちろん、これまでの成果をまとめ、事業終了後も見据えた活動に取り組んでいく上でも、ステークホルダーの交流の場であるSciREXセミナーをより良い形にしていくことはますます重要です。幅広いステークホルダーの皆様からご意見を頂きながら、当初の目的が今の状況に適ったものであるかどうかを一歩立ち止まって考えつつ、幅広い人材が連携する「開かれた場」の構築に引き続き取り組んでいければと考えています。

執筆:SciREXセンター 専門職 梶井宏樹、渡邉万記子

参考

SciREXセミナー(SciREXポータルサイト)
※これまで開催したセミナーは、SciREXポータルサイト上のSciREXセミナーのページよりご確認いただけます。

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