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2025年度 第5回SciREXオープンフォーラム「科学技術イノベーション政策における
『政策のための科学』」推進事業
(SciREX事業)の挑戦と成果

 2011年度から15年間、6大学および3つの関係機関によって進められてきた文部科学省のSciREX 事業。その集大成となるオープンフォーラムが、2025年11月21日、ベルサール虎ノ門を会場にハイブリット開催されました。会場には、74名が集い、130名がオンラインで視聴したこのフォーラムの開会はSciREXセンター長代理の林隆之政策研究大学院大学教授による挨拶で始まりました。 続いて文部科学省科学技術・学術政策局長の西條正明氏が、立ち上げに関わった頃に抱いた「科学技術の重要性についてエビデンスをもってパブリック(公衆)に示す」ことへの問題意識を振り返るとともに、EBPMの変化、政策形成にイノベーションが起こりつつあることへの実感を語り、挨拶とされました。

 その後、「SciREX事業の全体像 」と題して、SciREXセンター事務総括の下田隆二氏が事業全体を俯瞰しながら、その目的・目標、事業を構成する基盤的研究・人材育成拠点、データ・情報基盤、公募型研究開発の各プログラムの取り組みの概要、共進化実現プログラムに至る第1期から第3期までの研究の変遷、そしてコアコンテンツなどの成果やサマーキャンプ、SciREXセミナーの開催等のネットワーキング活動について報告しました。
 この報告を踏まえデータ・情報基盤に関する活動について、NISTEP第2研究グループ 客員総括主任研究官の富澤宏之氏が「EBPMを支えるデータ・情報基盤の構築:NISTEPの15年間の歩み 」と題して報告しました。ここでは、NISTEPデータ情報基盤の概要紹介、データの名寄せの歴史と意義、データの分析の重要性を説明し、今後の方向として、データ・情報のオープン化、共通基盤的なデータ・情報基盤の整備の有効性を示唆しました。また、公募型研究開発については、JST-RISTEX研究開発プログラム総括の山縣然太朗氏が「研究開発と政策実装-公募型研究開発プログラムにおける「政策のための科学」の実践- 」と題して報告しました。プログラムの概要と運営方法、活動実績を振り返り、53件の多様なプロジェクトが採択・実施されてきたことや、政策立案に大きな影響を与えた事例を紹介しました。また、15年間にわたるプログラムとしての知見の体系化に取り組み、政策過程における研究利用のTipsや政策実装への障壁を抽出したことを説明し、政策のための科学を実現するため、研究者と政策担当者のコミュニケーションを媒介する中間人材・中間組織の役割の重要性を強調しました。両名の報告に対して、文部科学省科学技術・学術政策局研究開発戦略課政策科学推進室長の根津純也氏がコメントしました。

 特別講演も設けられ、「計算社会科学を基盤とした政策科学の新展開 」と題して、東京大学教授兼総長特別参与の坂田一郎氏によるご発表が行われました。
(特別講演の様子はこちらの記事をご覧ください)

 3つ企画されたパネル討論のうち、人材育成拠点の活動に焦点をあてた「STI政策人材育成教育プログラムによる15か年の取組の成果とこれから 」が午前の部で行われ、全国5拠点6大学の人材育成拠点から、パネリストとして林隆之氏(政策研究大学院大学GIST教授)、柴山創太郎氏(東京大学STIG教授)、青島矢一氏(一橋大学IMPP教授)、平川秀幸氏(大阪大学STiPS教授)、川上浩司氏(京都大学STiPS教授)、小林俊哉氏(九州大学CSTIPS准教授)が登壇しました。モデレーターは、教育側として成城大学教授の伊地知寛博氏、修了生側として加納寛之氏が務めました。中盤では修了生の代表として、沼尻保奈美氏(政策研究大学院大学GIST修了生)、佐藤靖祥氏(東京大学STIG修了生)、米澤政洋氏(一橋大学IMPP修了生)、石尾麻由氏(大阪大学STiPS修了生)、杉谷和哉氏(京都大学STiPS修了生)、内田祐紀哉氏(九州大学CSTIPS修了生)の6名もオンライン参加し、その生の声を通じて、プログラムを通じて育まれたものや現在のキャリアを紹介。終盤には修了生を交えて全体討論し、その成果と課題、今後望まれるSTI政策人材育成教育の姿を共有する場となりました。
(同パネル討論の様子の詳細は、こちらの記事をご覧ください)

 午後の部では「政策現場と研究をつなぐ」と題して、政策研究と政策立案の共進化をテーマにしたパネル討論、総括となる「SciREXの経験と蓄積を未来にどう生かすか 」のパネル討論の2つが行われ、前者では、祐野恵氏(京都大学STiPS特定准教授)、斉藤卓也氏(大学共同利用機関法人情報・システム研究機構副機構長)、黒河昭雄氏(神奈川県立保健福祉大学講師)がパネリストとして登壇し、安藤二香氏(未来工学研究所主任研究員)がモデレーターを務めました。
(同パネル討論の様子の詳細は、こちらの記事をご覧ください)
 また、後者では林隆之氏(政策研究大学院大学教授)、赤池伸一氏(NISTEP総務研究官)、中澤恵太氏(文部科学省研究振興局基礎・基盤研究課長)、有信睦弘氏(叡啓大学学長)、安藤二香氏(未来工学研究所主任研究員)が登壇し、政策研究大学院大学客員教授の有本建男氏がモデレーターを務めました。
(同パネル討論の様子の詳細は、こちらの記事をご覧ください)

 最後に、閉会挨拶として登壇した文部科学省 科学技術・学術政策局研究開発戦略課長の石川貴史氏からは「現在、第7期科学技術・イノベーション基本計画の策定に向けた検討を進めているが、政策のための科学というアプローチが改めて重要だと、まさにOn the jobで体験した」とのコメントが寄せられました。6時間にわたって行われたオープンフォーラムは、政策と科学の共進化を試みに終わらせないという志を掲げる機会となりました。
(報告・講演資料はこちらのページでご覧いただけます。)

以 上

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パネル討論「STI政策人材育成教育プログラムによる15か年の取組の成果とこれから」
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