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SciREXサマーキャンプ2024政策提案プロセスを体験。
参加者たちが議論を深め合った3日間

初対面とは思えない活気。
多様なバックグラウンドを持つメンバーが融合した1日目

SciREX Summer Camp 2024

2024年9月13日〜15日の3日間、科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業(SciREX 事業)の一環として、SciREX サマーキャンプが東京・六本木の政策研究大学院大学(GRIPS)で開催されました。
13回目となる今年は、SciREX事業の人材育成拠点がある6大学(GRIPS、東京大学、一橋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)および名古屋大学から、約50 人の学生が参加。多様なバックグラウンドをもつ参加者たちが知見を出し合って議論を進め、具体的な社会課題を想定した政策提案プロセスを体験する貴重な機会となりました。充実した3日間の様子をレポートします。

参加者が一堂に会したオリエンテーション

2012年から毎年開催されている『SciREX サマーキャンプ』。SciREX事業の人材育成拠点がある全国6つの大学から、年に一度学生が集まる貴重な機会です。コロナ禍においてもオンライン開催で志をつなぎ、今年は対面形式に戻って3回目の開催となりました。
快晴に恵まれ初秋とはいえ汗ばむような陽気となった初日は、オリエンテーションとグループワークが行われました。正午を過ぎると全国から集まった参加者が次々に受付を済ませ会場へ。webで事前学習会を行っていたこともあり、グループのメンバー同士、初日から打ち解けた印象がありました。

オリエンテーションではまず初めに主催者挨拶として、文部科学省科学技術・学術政策局研究開発戦略課、根津純也 政策科学推進室長が登壇。
「このサマーキャンプは政策のための科学を広げていく非常に重要な取り組みです。最終日の政策発表に至るまでの過程で、普段会うことのできない多様な人たちと出会い、議論することを通して少しでも多くのことを吸収し、またネットワークを広げ今後の活動に活かしていただきたいと思っています」と挨拶しました。

主催者挨拶を⾏った根津純也政策科学推進室⻑

続いて、GRIPS教授・副学長で、SciREXセンター長の黒澤昌子氏が「国際秩序や地球環境の変化、そして科学技術の著しい発展に伴って政策が対象とする分野は非常に広く、また複雑化してきています。特に地球環境や人口減少の問題などの社会課題においては、企業も課題解決を担う役割を果たすようになりました。今後、社会課題を解決する産官学の共同プロジェクトをますます進めていく必要があります」と述べました。

また黒澤氏は今年のサマーキャンプのテーマ「How do we live towards a creative future?」にも触れ、このような時代において未来を切り開いていくために必要なアントレプレナー的思考を身につけてほしい、と参加者に語りかけました。

SciREXセンター⻑の⿊澤昌⼦⽒

今年のテーマ「科学技術イノベーション×政策×アントレプレナーシップ」とは

続いて、その言葉を受けるように実行委員のリーダー役の一人、吉村拓也氏が今年の開催主旨について改めて説明します。
「SciREXの中核的なテーマである科学技術イノベーションや政策といった要素に加えて、今年度はアントレプレナーシップを加えることで、これからどう生きるか判断が難しい時代に創造的に人生を切り開き、政策立案をしていただくことを目的としてこのテーマを設定いたしました」。

開催主旨を説明する実⾏委員の吉村拓也⽒

日本語で起業家精神と訳される「アントレプレナーシップ」は、一見ビジネス用語のようでいて、これからの時代を生きる皆にとって必要な考え方であることです。なぜなら技術進歩の速い時代において人生もいわば起業の連続であると言えること。このサマーキャンプを通して、変化の激しい時代に必要な考え方を養ってほしい、という言葉に参加者は興味深く聞き入っていました。

アイスブレイクで参加者が自己紹介

三氏の挨拶に続いて、今年の試みとしてアイスブレイクが実施されました。参加者全員がマイクをつなぎ、一人30秒の持ち時間で自己紹介を行います。所属大学や企業、普段の研究内容に加え、グループワークで何と呼んでほしいかというニックネームを自ら発表。一人が話し終えるたびに会場からは温かい拍手が送られていました。

初⽇に開催されたオリエンテーション

今回参加した約50名のメンバーの顔ぶれは、10代の学部生から、修士課程の20代、企業や官庁に籍を置きながら大学院で学ぶ30-40代の層、さらにはメーカー勤続数十年というベテラン勢まで、所属も年齢も本当にさまざま。オリエンテーション終了後に早速行われるグループワークに向けて、互いを知り緊張をほぐすことができたようです。

オリエンテーションとアイスブレイクを終えた参加者からは「このようなイベントに参加するのは初めてで不安もありましたが、少し気が楽になりました」、「普段会えないような多彩なバックボーンを持つ方々が参加していることが分かったので、ぜひ交流の輪を広げたいです」、「3日間で議論を尽くしてグループの皆としっかり政策提言をまとめたいです」などの声があがっていました。

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オリエンテーションに続いてグループワーク開始
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