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  4. 修了生インタビュー(JSTCRDS 加納寛之氏)

修了生インタビュー 科学技術・イノベーション政策に携わる
「きっかけ」としての人材育成

俯瞰的に捉えるからこそ気が付くつなぎ方(加納寛之氏)

これからのSTI政策を支える人材とは?

──2年後の事業終了を見据え、人材育成の観点からはSciREX事業にどういったことを期待しますか?

加納: 「政策のための科学を担う人材とは?」という問いの整理が必要ではないでしょうか。想定される人材のポートフォリオを用意するなどです。STI政策に関わる人たちの裾野は以前よりも広がっています。それに対応するためにどのようなプログラムが必要かをバックキャスト的に考え、修了生がきちんと巣立てるよう、プログラムとして調整していくことが重要かと思います。その上で、事業全体として修了生や事業関係者のネットワークの整備も行っていただけると嬉しいですね。

また、かつてよりも大学院生や若手研究者に対する研究資金の援助が進んでいます。その一環として、少額でも良いので研究者のキャリアの初期段階にて、政策課題につながる研究を助成するような試みがあっても良いのではないでしょうか。SciREX事業の掲げる「共進化」の観点から政策科学に関わる若手研究者の裾野を広げ、人材の育成や活用を進めていく方向性もあるかと思います。

──事業発足から積み上げてきた知見やネットワークはもちろん、社会情勢の変化なども踏まえての多くの検討事項があるかと思います。最後にSTI政策全般について感じていることや、加納さんの今後の抱負などをお願いします。

加納: STIは特定の省庁に閉じないテーマです。オールジャパンでSTIを推進する際にあたっては、省庁間の連携はもちろん、STIに関わる新しいプレイヤーも巻き込んでいくことが必要です。私が受講生だった頃から、関係者はそうした問題意識を持ってSciREX事業に携わってこられたと思いますが、まだまだ取り払われていない壁も多いように感じます。

かくいう私自身、まだまだ道半ばで何かを偉そうに言える立場ではありませんが、行政をはじめ、関係するステークホルダーの(まだ気づいていない)課題やニーズを汲み取りながら、単に報告書や提言を書いて終わるのではなく、現場と並走して、最後まで物事を動かすようなことをやっていきたいと思っています。私のこれまでの活動を振り返る良い機会になりました。ありがとうございました。

──SciREX事業と関わりの深いキャリアを歩まれている加納さんならではのお話をありがとうございました。

取材の最後、職場のデスクにて。冊子は加納さんによる戦略プロポーザルと調査報告書

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