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  4. 座談会「共進化実現プログラム(第IIIフェーズ)開始にあたって」(小林信一×小野山吾郎×安藤二香 )

座談会 小林信一×小野山吾郎×安藤二香
共進化実現プログラム(第IIIフェーズ)
開始にあたって

プログラム運営・評価側は
SciREX事業最後の研究プログラムをどう捉えるか

第IIIフェーズではプログラムや事業終了後を見据えた取り組みを

安藤:ここからは、プログラム全体に関する話やSciREX事業の終了後を見据えた話など、より大きなテーマに移ろうと思います。こういうことをやりたい、こういうことに取り組んだ方が良いといったお考えをお願いします。

小野山:各プロジェクトの取り組みをポートフォリオのような形で全体として整理する中で、プログラム全体として達成すべきものを揃えていくという考え方が重要ではないでしょうか。良い提案や課題は、得てして行政の面でも研究の面でもとても難しいものです。各プロジェクトには思い切りチャレンジしていただければと思っています。私たち政策科学推進室はプログラムの事務局として、SciREXセンターとともに、全体を俯瞰しながら個々のプロジェクトもしっかりとサポートしていく所存です。

小林:やはり、残り2年半となったSciREX事業の終わり方の問題が気になっています。事業が終わって「さようなら」と、活動自体が立ち消えになるというのは、最近よくあるパターンです。事業の活動や人脈といった成果が、国からの支援が終わった後もきちんと定着している形になるようにしないといけない。今をただやるだけではなく、終わった後のことまで考えてやって欲しいと思います。この意味で、第IIIフェーズをやるというのは、ただ共進化実現プログラムの3期目をやるということではありません。「SciREX事業の支援がなくなった後にどうするのか」ということまでちゃんと言えるようにしてほしい。そういう気持ちが強いですね。

安藤:事業全体を振り返った上で第IIIフェーズをどういう位置づけで捉えるのかという点は、やはり改めて考えておく必要があると感じました。小野山さんのコメントの通り、採択した各プロジェクトがプログラム全体としてどういう位置づけにあるのかを俯瞰的に考えていくことも大切ですね。また、SciREXではEBPMの貢献を掲げていますが、プログラムレベルで政策介入効果をみていくことが大事かと思います。それぞれのプロジェクトの短期的な成果のみならず、プログラムレベルでの問いや教訓を得て、今後のあるべき方向性の検討につなげていくことがプログラムとして、事業として大事だと思いました。

それでは、最後に一言ずつお願いします。

小野山:第IIIフェーズは、その実施期間がSciREX事業の残り2年半という期間と重なりますので、事業終了後に向けた試金石ともいえます。今後、このような取り組みの知見やノウハウ、方法論が、STI政策や我が国全体の行く末においてどのような役割を果たし、展開していけるのか、足元の課題もまだまだありますが、そういった将来的なことも含めて成果を期待したいと考えています。

小林:SciREX事業は15年間で一体何をできたのか、ちゃんとアピールしなくてはいけないですし、世間からも評価していただかないといけません。繰り返しますが、今はあまりにも訳のわからないことばかりが起こるような時代です。科学技術政策にしても他のいろいろな政策にしても、本当に数年先を見通すことすらできません。そういう時に、SciREX事業のような議論の場があるということはとても重要です。そうした評価がきちんとなされて事業終了後も残る、あるいは生まれ変わってくれると良いのではないかと思っています。期待しています。

安藤:行政官と研究者はもちろん、政策科学推進室もSciREXセンターもみんなで共進化をしていくということで、ぜひ今後も前向きに取り組んでいきたいと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました。

プロフィール

小林 信一

広島大学副学長/大学院人間社会科学研究科長/高等教育研究開発センター長/特任教授
科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業 アドバイザリー委員会 委員

専門は科学技術政策、高等教育政策、科学技術論など。東工大、電通大、NISTEP、筑波大、JST、産総研、国会図書館等を経て2018年より広島大・高等教育研究開発センター長、2020年度から人間社会科学研究科長・副学長を兼ねる。2020年度科学技術分野の文部科学大臣表彰・科学技術賞(科学技術振興部門)受賞。SciREX事業には2018年よりアドバイザリー委員会委員の形で携わり、共進化第IIIフェーズにおいてはプロジェクトの選考プロセス審査委員長を務めた。

小野山 吾郎

文部科学省科学技術・学術戦略局研究開発戦略課政策科学推進室 室長

文部科学省に入省後、宇宙、健康・医療等の研究開発戦略の企画・立案及び推進の業務に従事。日本医療研究開発機構出向時は、再生医療の研究開発プログラムを担当。科学技術政策に関しては、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)企画課、企画評価課(現 研究開発戦略課)等を経験し、2022年7月より現職。

安藤 二香

政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策研究センター(SciREXセンター) 特任フェロー

生命科学、分子生物学で学位を取得後、現・国立研究開発法人科学技術振興機構社会技術研究開発センターにて、社会問題の解決を目指したファンディング・プログラムの立ち上げ・マネジメント・評価業務に従事。2018年11月より現職。SciREX事業における拠点・関係機関間の連携を中心とする企画推進業務や共進化実現プログラムのマネジメント、研究開発評価に関するプロジェクト等に従事。

※本座談会は2023年9月14日に実施しました。それぞれの所属は当時のものです。

執筆・編集:梶井宏樹(SciREXセンター 専門職)

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