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SciREXサマーキャンプ2022 実行委員会発足。
「多様な価値観と向き合う政策立案」をテーマに開催

SciREXサマーキャンプ2022 実行委員会発足。「多様な価値観と向き合う政策立案」をテーマに開催

9月2日から4日、SciREXサマーキャンプ2022を政策研究大学院大学で開催しました。SciREX事業の関係者が一堂に集い、「政策のための科学」の意義や多様性に関する認識を深めることなどを目的とする3日間のイベントですが、実地開催は実に3年ぶり。事業に参画する6大学5拠点の学生・教職員、文部科学省の行政官をはじめとした80名を超える参加者が、具体的課題を念頭に政策提言までのプロセスを体験しました。2012年度の初開催から数えて11回目の実施となる今回の最大の特徴は、拠点における教育プログラムの受講生・修了生で初めて組織された実行委員会です。手を挙げたのは7名。全体テーマの設定から当日の運営まで旗振り役を務めました。委員たちはどのような課題意識をもって取り組み、どのような手応えや気づきを得たのでしょうか。続く内容は、委員によるレポートです。

実行委員会始動 〜参加者の声を活かしたテーマ設定〜

サマーキャンプ史上初めての試みとなる実行委員として、今年4月の発足以降、私たちは「参加者にとって充実した場にするにはどうしたらよいのか」を考え続けました。新たな場の形を目指していく上で大切にしたのは、これまでの参加者アンケートとかつて受講生として参加した実行委員の経験です。今回の幹事である九州大学CSTIPSや政策研究大学院大学GiSTの先生方、SciREXセンターの専門職の方々とも議論を重ね、①テーマの設定、②事前学習会と中間交流会の実施、③表彰の設定の見直しを行うに至りました。お伝えしたいことだらけのサマーキャンプでしたが、本報告ではこの3点に焦点を当てて紹介します。

まず、今回の全体テーマには「多様な価値観と向き合う政策立案」を設定しました。かつて受講生として参加した実行委員には「最終発表会で実施可能性も含めた具体的な政策提案をしたかった」という心残りがあったのです。そのためには、政策を実行するときに直面し得る壁として、いかに人々の納得や了解を得るのか、多様な価値観を持つ人々の異なる意見を受け入れながらいかに合意を取っていくのか、落としどころを見つけていくのかについて、参加者自身が当事者として考える必要があるのではないかと議論が進み、設定にいたりました。さらに、グループワークのテーマ案は、各拠点の学生と教員に募集する形にしました。全体テーマ設定の意図をふまえ、議論を行う参加者自身の問題意識に近いテーマが良いと考えたためです。グループワークのテーマ案を学生に募集したのは今回が初めての試みでしたが、各拠点の学生・教員から多くの案が集まりました。最終的には、その中から9つのテーマを採用しました。

今回のグループワークのテーマ一覧

今年度のグループワークのテーマ一覧

事前学習会と中間交流会 ~参加者アンケートに基づく新たな取り組み~

テーマ決定後に具体的な実施要項を考える際、「資料作成などに追われ議論に使う時間が足りない」「違うグループの参加者との交流が殆どない」という2つの課題に着目しました。実行委員の過去の経験や参加者アンケートの結果から伺えたものです。前者については、初日に行うことが慣例の基調講演を事前学習会として別日に開催することで、後者に対しては、2日目の午後に中間交流会と称したポスターセッションを設けることで改善しようと考えました。

事前学習会では、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)上席フェローの赤池伸一氏から政策立案の実務に関して、科学コミュニケーターの本田隆行氏からは異なるバックグラウンドを持つ者同士が集まった時の議論の仕方について講演していただきました。参加者がサマーキャンプ当日に活用できる内容を目指したもので、例えば、本田氏については、円滑かつ活発な議論を行う上で予め知っていれば良かったという実行委員の経験からの提案です。講演は、外部のクラウドサービスを活用しながら参加者と本田氏が相互にやり取りしながら進められていたことが印象的でした。この事前学習は、サマーキャンプ当日のより積極的な議論や、議論の中で上手く役割分担を行う姿勢などにつながったのではないかと考えています。

中間交流会では、実行委員側で予めポスターフォーマットを用意しました。政策立案の内容に関するシートと、中間交流会での意見交換を促進するためのシートの2種類です。付箋やペンなどと合わせて初日から各グループに配布することで、当日の意見交換を促すツールとすることはもちろん、それまでの準備時間の短縮、議論の道筋をたてるためのサポートに役立ちます。交流会は、2部屋の講義室の壁一面にポスターが並ぶ中、参加者はすぐさま意見を交し始め、アンケートを取るグループも見られました。1時間半という短い時間ながらも、ポスターセッションという方式を活かし、目一杯の議論が行われる様子が見て取れました。「顔を突き合わせて議論できる機会は貴重で楽しい」という参加者からの意見もその場でいただいたことなども合わさり、有意義な場を提供できたと実感しています。

ポスターを媒介して活発な議論が生まれました

ポスターを媒介して活発な議論が生まれました

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表彰にも多様性を 〜結果だけじゃない。プロセスも評価〜
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