エビデンスに基づいた制度作りの実験場
研究者と政策担当者で見据える
RISTEX-SciREX 36プロジェクトを振り返って
コミュニケーション力で課題に取り組む
―これから期待されるプログラムとしてのビジョンについては、どのようにお考えでしょうか。
森田: 科学技術基本法が改正されて、社会科学、人文科学に対して注目が集まっています。それも単独で社会科学の研究をもっと促そうというのではなしに、自然科学と一体化して、それに対して答えるような研究が期待されていると思います。そのような研究が生きる課題は、人口が減ってきて縮小モードになったときに、いかに上手にダウンサイジングしていくかということでしょう。さらに言えば、地球温暖化というこれまでになかった問題があり、自然災害が多く発生します。また、情報技術はどんどん発達してきます。要するに、これまでの延長線上で政策とか課題解決を考えている時代じゃなくなってくるわけですよね。その場合に、これからの変化というものを客観的に読み取って、そこからどう正解を出していくか。そういった研究が期待されると思います。
山縣: 今抱えている問題をやっていくことも非常に重要なんですけども、これからを予測する必要があります。しかし、そういった予測は一人や、一つの分野では無理で、関係者を集めて実際に共同研究してほしい。一つのテーマに対して議論を重ねて、いろんな側面を明らかにして、こういう未来のために、制約条件があっても今ここまでの階段を上ったということが見えるような成果を期待したいですね。
森田: そのためには、分野の違う研究者としっかりとコミュニケーションできる力、そして連携が重要だと思います。
―今日はありがとうございました。