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第26回PoPセミナー/ガバナンスにおける社会的空間-福島のこれから
【概要】
近年欧州では,ガバナンスのあり方を洞察するにあたって,社会的「空間」(Social Spaces)の概念を取り入れようという試みがある。こうした空間は,多様な主体が関与・調整・協働する場やプラットフォームなどによって出現するが,旧来の組織やネットワークのような固定的で明示的なものと異なり,物質的・地理的要素も含めて,よりダイナミックで開かれた展開を可能とする。政策や意思決定の方向性について,さまざまな角度から検討する手がかりとして,「空間」という概念が活用されるようになってきた。
アリエ・リップ氏は,これまで科学技術イノベーション政策における空間の概念について洞察を深めている。こうした議論は,東日本大震災から3年が経過し,日本の科学技術イノベーションが新たなガバナンスに向けて大きな変革期を迎えつつある現在,重要な意味を持つ。さらにこの空間の議論は,単に科学技術イノベーションにとどまらず,福島の将来を展望する文脈においても,あるいはむしろ,その文脈においてこそ,必要な示唆を与える。福島においてそのような空間が出現する要件とは?どのようなアクターが中心となって新たな政策をボトムアップ的に,継続的に展開することができるのか?
本ワークショップセミナーでは,福島の研究者による現場の研究や実践を踏まえて福島の現状を可視化し,リップ氏の理論的考察によって,科学技術イノベーション政策研究や科学技術社会論の枠を越え,新しい時代の知識交流を期待したい。
【参加申込み】要事前参加申込み:参加申込みはこちらから
【WS構成】※プログラムは随時アップデートいたします。
司会進行:松尾真紀子(東京大学)
Opening remark:城山英明(東京大学)
キーノート:
- Arie Rip教授(University of Twente)
「スペースとは ― 新たな政策とガバナンスのあり方(仮)」
プレゼンテーション:
- 鈴木 浩(福島大学名誉教授)
- 松本行真(東北大学災害科学国際研究所准教授)
- 標葉隆馬(総合研究大学院大学助教)
パネルディスカッション:
‒ モデレーター:吉澤 剛(大阪大学大学院医学系研究科)
‒ ディスカッサント:山口富子(国際基督教大学)ほか予定
主催:東京大学科学技術イノベーション政策の科学(STIG)教育・研究ユニット,JSPS東日本大震災,共同事実確認手法を活用した政策形成過程の検討と実装(iJFF)研究開発プロジェクト
協力:科研・挑戦的萌芽「生に関するゆるやかなガバナンスのあり方」
日時:2014年10月1日 10時-13時
会場:東京大学本郷キャンパス法学政治学系総合教育棟404教室※WSスタイル。
言語:日本語・英語
※同時通訳は入りません:日本側のプレゼンは日本語で行いますが,Arie Rip教授のプレゼン・議論は英語で行われます。

