基盤的研究・人材育成拠点紹介 Vol.4 大阪大学・京都大学 公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)

大阪大学・京都大学 公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)

拠点の概要

 「公共圏における科学技術・教育研究拠点(Program for Education and Research on Science and Technology in Public Sphere: STiPS)」は、大阪大学および京都大学の連携による人材育成プログラムです。科学技術の倫理的・法的・社会的問題(ELSI)に関する教育と研究を行い、政策形成に寄与できる「政策のための科学」の人材育成を進めています。

育成する人材像

 STiPSでは、「科学技術の倫理的・法的・社会的問題(ELSI)に関する研究を基盤として公共的関与の活動と分析を行い、学問諸分野間ならびに学問と政策・社会の間を“つなぐ”ことを通じて政策形成に寄与できる人材」を育成しています。
 「つなぐ人材」として次の2つの類型を想定しています。1)公共的関与の活動と分析そのものを専門とし、異分野・異領域(研究者集団・政策・産業・市民社会)の間のコミュニケーションを媒介し、俯瞰的な視点のもとに政策提言や政策形成を実行する人材。2)自然科学・工学等や人文社会科学の個別分野の研究を行いつつ、他の専門分野や他業種、市民との間で双方向のフィードバックを通じて、政策提言や政策形成に貢献できる人材。

大阪大学拠点の特色

 科学技術と社会のより良い関係を構築するためには、世の中の人々が、科学技術や公共政策に何を期待し、何を懸念しているか、どのような世界に生きたいと欲しているのか、といった社会の期待と懸念を把握することが大切です。多様なステークホルダーが参画・関与する公共的関与の活動と分析を行うと同時に、実践的な能力を備えた人材の育成を目指しています。

京都大学拠点の特色

 エビデンスベースの政策決定に欠かせない定量的なエビデンス。実世界における各種のデータを可視化し、解析評価ができるようにするための研究、そして、実世界のデータからエビデンスへ、エビデンスから政策へ、そして政策を実施したのちにそれを評価していくという政策形成サイクルに携わる人材の育成を進めています。

大阪大学・京都大学の連携

 プログラムの修了には14単位以上の取得が必要です。このうち、必修の授業「研究プロジェクト」の中では、科学技術イノベーション政策に関連する個人研究もしくは共同研究を実施し、学術研究論文を作成します。この論文発表会は、毎年、大阪大学と京都大学合同で実施しています。また、大学間で単位の相互認定も行っています。

(文責 : STiPS事務局)

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